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ファクタリングの「債権」が何を指しているのか、ご存じの方は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は「債権」にフォーカスし、その代表的な種類をはじめ、債権譲渡契約による資金調達(ファクタリング)の違法性、ファクタリングで取り扱う種類についてご紹介します。
あわせて、ファクタリングにおける債権譲渡の流れも解説しているので、ぜひご覧ください。
[cta]債権とは、特定の人(企業)に特定の行為を請求することができる権利のことです。
特定の行為には、例えば「資金の支払い」や「物の引き渡し」「労力の提供」などがあります。
債権には、主に「確定債権」「仕掛債権」「給与債権」「将来債権」「不良債権」に分けられます。
確定債権 | 売掛先に商品やサービスを納品し、売掛金の支払いが確定している債権 |
仕掛債権 | 商品やサービスの発注を受けたものの、まだ納品できていないときの債権 |
給与債権 | 社員が受け取る予定の賃金を債権と捉えた請求権 |
将来債権 | 継続的な取引を行う中で将来的に発生する債権 |
不良債権 | 売掛先の倒産などで確定債権が貸し倒れとなり、回収不能になったときの債権 |
それぞれで意味が異なるため、混同しないよう注意しましょう。
主に「ファクタリング」で用いられている手続きですが、中には「債権を第三者へ譲渡することに法的な問題はないのか?」と疑問を持っている方もいるかもしれません。
結論からいうと、債権を第三者へ譲渡することに法的な問題は一切ありません。
現に、民法第466条に「債権は、譲り渡すことができる。」と明記されています。
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示 (以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、 債権の譲渡は、その効力を妨げられない。 3 前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、 又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、 その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を 消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。 4 前項の規定は、債務者が債務を履行しない場合において、 同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、 その期間内に履行がないときは、その債務者については、適用しない。 引用:民法(明治二十九年法律第八十九号) 第四百六十六条|e-Gov 法令検索 |
そのため、債権を譲渡することで資金化するファクタリングに違法性を疑う必要はないでしょう。
違法なファクタリングではないという事実については下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングは違法ではない!その根拠と悪徳業者・優良業者それぞれの特徴を解説
ファクタリングでは、申込企業が債権をファクタリング会社に譲渡することで資金を調達します。
このとき取り扱われる債権は、原則として「確定債権」のみです。
商品やサービスの納品・検品が済んでいる上に、売掛金の額や支払期日が決まっており、売掛先から承諾を得ている場合の債権のみ適用となります。
仮に、商品やサービスを納品していたとしても検品が済んでいない場合は、修正または返品が生じる可能性があることから、確定債権とは見なされないため注意しましょう。
現状、ファクタリングで取り扱われるのは一般的に確定債権のみですが、2020年の民法改正によってその点が変化しました。
2020年4月1日に施行された民法改正において、将来債権の譲渡が明文化されました。
② 債権の譲渡について,譲渡時に現に存在する債権だけでなく, 譲渡時には発生していない債権(将来債権)についても, 譲渡や担保設定ができることを明記しています。 引用:民法(債権関係)改正 Q&A|法務省 |
これによりファクタリング会社は、申込企業が提示した売掛債権(売掛金)がその時点で未確定だったとしても、その債権を買い取ることができるようになったのです。
現状、数あるファクタリング会社の中には、申込企業が注文書や発注書をファクタリング会社に売却することで資金化を図る「注文書ファクタリング」のサービスを提供している会社もあります。
これは、将来発生する予定の債権をファクタリング会社に譲渡する、いわば将来債権による取引です。
そのため、将来債権の買取に対応したファクタリング会社は実際に増えていると考えられるでしょう。
注文書ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
注文書ファクタリングとは?メリット・デメリットからおすすめの会社までご紹介
民法改正によって、債権譲渡禁止特約が付されている債権が譲渡されたとしても、その譲渡は原則「有効」という扱いになりました。
これにより、民放改正前に比べて債権の流動性が高くなり、企業はより円滑に資金調達ができるようになりました。
最後に、ファクタリングにおける債権譲渡の流れを「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」に分けてご紹介します。
2者間ファクタリングは、申込企業とファクタリング会社の2者で契約を結ぶファクタリングです。
一般的な債権譲渡の流れは、以下のようになっています。
1.申込企業が売掛先に商品やサービスを納品する ※売掛債権(売掛金)の発生 2.申込企業がファクタリング会社へ売掛債権(売掛金)を譲渡する 3.ファクタリング会社から申込企業へ、売掛債権(売掛金)の譲渡代金が支払われる 4.売掛先から申込企業へ売掛債権(売掛金)が支払われる 5.申込企業が売掛債権(売掛金)を回収した後、ファクタリング会社に支払いを済ませる |
契約に売掛先が加わらないことから、債権譲渡において売掛先に承諾を得る必要がないため、比較的スムーズに取引が進められます。
2者間ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
2者間ファクタリングとは?メリットや手数料、利用のポイントを解説
2者間ファクタリングは、申込企業とファクタリング会社、売掛先の3者で契約を結ぶファクタリングです。一般的な債権譲渡の流れは、以下のようになっています。
1.申込企業が売掛先に商品やサービスを納品する ※売掛債権(売掛金)の発生 2.申込企業が売掛先から債権譲渡の承諾を得る 3.申込企業がファクタリング会社へ売掛債権(売掛金)を譲渡する 4.ファクタリング会社から申込企業へ、売掛債権(売掛金)の譲渡代金が支払われる 5.売掛先からファクタリング会社へ売掛債権(売掛金)が支払われる |
契約に売掛先が加わるため債権譲渡において売掛先に承諾を得る必要がありますが、その後は売掛先から直接ファクタリング会社に売掛債権(売掛金)が支払われるため、手間がかかりません。
3者間ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
3者間ファクタリングとは?メリット・デメリットと利用の流れを解説!
ファクタリングにおける債権は、原則として「確定債権」を指します。
ただし、2020年4月1日に施行された民法改正によって「将来債権」の取引も可能になったことから、昨今は注文書ファクタリングのサービスも普及しています。
そのため、ファクタリングを利用する際は、どの債権を取り扱っているのかよく確認するようにしましょう。
日本中小企業金融サポート機構は一般社団法人であること、そして経営革新等支援機関に認定されていることから、安全性・信頼性に自信があります。
ファクタリングサービスのご案内もしていますので、資金繰りでお悩みの経営者の方は、この機会にぜひご相談ください。
当機構のファクタリングサービスについて詳しくはこちらをご覧ください。
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