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進めたいプロジェクトに賛同してもらうことで、企業だけでなく個人でも資金調達を実現することができる「クラウドファンディング」。
企業が新たなプロジェクトを進めるために利用したり、個人で成し遂げたいことがある方がプロジェクト参加を呼びかけたりするものです。
個人でも資金を調達できるのは大きなメリットですが、調達した資金に対しては税金が発生するため、確定申告や節税に関する知識を持っていないと多額の納税を迫られてしまうトラブルになりかねません。
そこで今回は、クラウドファンディングにかかる税金や確定申告の必要性について解説します。ぜひご覧ください。
【注目】急ぎの資金調達方法をお探しの方へ
クラウドファンディングは誰でも資金調達ができる一方で、調達までに時間がかかることや確定申告の対応が必要になるなどの手間がかかります。
売掛債権をお持ちでしたら、最短即日で調達可能なファクタリングによる資金調達をおすすめいたします。当機構のファクタリングは必要書類3点をご提出いただければ最短30分で審査結果をご提示いたします。
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クラウドファンディングとは、新しい商品やサービスの内容、叶えたい夢、目標などを発信することで、不特定多数の人から共感を得て資金を調達する手段のことです。
商品やサービスなどを提供する発起人と支援者をマッチングさせる運営会社を通して行われ、この場で発生する資金調達のことを「プロジェクト」と呼びます。
出資した人に対しては出資額に応じて「リターン」が発生することが多く、金額に見合った商品・記念品を送ってお礼を伝えるという流れで進みます。
クラウドファンディングについては下記コラムで詳しく解説しています。
クラウドファンディングとは?メリットやデメリットは?成功事例などをご紹介
クラウドファンディングの代表的な種類は「購入型」「寄付型」「投資型」の3つです。
種類によって運用方法や資金の集め方、リターン方法が異なるため、やりたいことやプロジェクト内容に合わせて選択する必要があります。
ここではそれぞれの特徴を解説しながら、クラウドファンディングで利用されることがあるその他の種類についてもお伝えします。
プロジェクトに出資した支援者に対し、サービス利用の権利や商品の送付などでリターンを行うのが「購入型クラウドファンディング」です。
形式上は出資という形ですが、実際はサービスや商品にお金を払っていることと同じ扱いであることから「購入型」と呼ばれ、金銭的な見返りが発生しないのが特徴です。
プロジェクトの出資者は、自分が求めるリターンに応じて出資を行います。
一方で、発起人は金額ごとにリターンを設定し、プロジェクト期間が終了した後に出資者に対して金額に応じたリターンを提供します。
プロジェクトに出資した支援者に対して、金銭やサービスなどによるリターンが発生しないのが「寄付型クラウドファンディング」です。
一般的に知られている寄付と同じ扱いになるため、リターンが発生しないことが多いのですが、プロジェクトによってはお礼の手紙や写真などを渡すこともあります。
各都道府県の自治体やNPO法人によってプロジェクトが立ち上がるケースが多く、地域活性化や町おこし、社会問題の解決といった目的で利用されます。
最近では、自然災害による被害から復興するための資金調達手段として活用されることが増えてきました。
資産運用をしたい個人や支援者から小口の資金を集め、融資を受けたい企業に渡すのが「投資型クラウドファンディング」です。
資金調達をしたい人に投資をしているのと同じであることから、「投資型」と呼ばれるようになりました。
集めた資金は事業やプロジェクトの進行に充てられ、利益が出た場合は出資者に対する金銭的なリターン(分配)が発生します。
クラウドファンディングとして広く認知されているのは上記の3つですが、細分化するとさまざまな種類があります。
対企業の種類には、企業の株式を出資者へのリターンとして活用する「株式型クラウドファンディング」や、事業に投資することで生まれた利益を分配金とする「ファンド型クラウドファンディング」があります。
そのほかには、ふるさと納税の特性を活かして自治体への寄付を呼びかける「ふるさと納税クラウドファンディング」、投資家から提供された資金をもとに物件を購入して家賃収入や物件売却費に応じて分配を得る「不動産クラウドファンディング」があります。
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日の期間に得た所得を税務署に申告し、所得に応じて税金を支払ったり払いすぎた税金が戻ってきたりする手続きのことです。
クラウドファンディングでは、出資者から提供された資金が所得とみなされる場合には確定申告をしなければなりません。
一般的なサラリーマンは会社での年末調整があるため確定申告は不要だといわれていますが、個人で活動を行った場合はたとえサラリーマンであっても、確定申告をする必要性があります。
ここではクラウドファンディングの種類ごとに、課税される税金に関する情報と確定申告の必要性についてお伝えしていきます。
「購入型クラウドファンディング」は、発起人が出資者に対してサービス利用の権利や商品を渡すことから、基本的には普段のショッピングと同じ扱いとなります。
そのため、購入型クラウドファンディングで発起人が得た資金は、商品を販売したことによる収入とみなされるのです。
この点から、プロジェクト発起人が個人事業主であれば事業所得として、個人事業主でなければ雑所得として扱われ、どちらも課税対象となります。
一方、支援者はあくまでサービスや商品を購入しただけとみなされるため、課税対象ではありません。
もし支援者が個人事業主で購入したものを事業用として使用する場合は、経費として計上が可能です。
「寄付型クラウドファンディング」は出資者に対して見返りがないことから、募金などと同じ扱いとなります。
プロジェクトの発案者は寄付金として資金を調達しているため、確定申告をしなければなりません。
ここで着目すべきなのは「誰から資金を調達したか」であり、個人からなのか法人からなのかによって課税課目が変わります。
個人から資金を受け取った場合は「贈与」とみなされるため贈与税が課されますし、法人から資金を受け取った場合は「一時所得」とみなされるため所得税が課されるのです。
「贈与税」は年間110万円の基礎控除があるため、もし受け取った資金が110万円を超えていた場合は贈与税を申告して納税の義務が発生します。
一方、「一時所得」は50万円の特別控除制度が設けられており、受け取った資金が50万円を超えていた場合は確定申告の上で納税の義務が発生します。
支援者側は収入を得ていないので課税はありませんが、出資先が法人であれば「寄附金控除」の対象です。
「投資型クラウドファンディング」は発生した利益を分配することから、融資と同じ扱いとなります。
プロジェクトの発案者が調達した資金を事業用として使用している場合は、必要経費となるため課税対象ではありませんが、利益が出た場合には利益分の確定申告を行わなければなりません。
一方、支援者に関しては、投資した資金で利益が出ていない場合は課税対象になりません。
利益が発生して分配金を受け取った場合は、「雑所得」として確定申告をする必要があります。
この分配金にかかる所得税は受け取り時に差し引かれている(源泉徴収)ことから、確定申告をすることで税金の還付を受けられる可能性があります。
プロジェクトの発案者がクラウドファンディングによって得た資金は課税対象となるため、調達した金額に応じて納税の義務があります。
多額の資金を調達していた場合はその分税額も高額になるため、確定申告などの節税対策を取るのがおすすめです。
ここでは、プロジェクトの発案者が効果的に節税する方法を3つご紹介します。
個人で「購入型クラウドファンディング」を進めようと思っている方は、事前準備として青色申告ができるようにしておくと「青色申告特別控除」を受けられます。
青色申告特別控除を受けるためには、青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。
クラウドファンディングによって得た資金が事業所得だと認められた場合は青色申告特別控除の対象となり、最大55万円の控除が受けられます。
この制度を活用することで、調達した資金に対して所得が発生しなかったり、課税対象となる所得金額を抑えたりすることができるため、節税にも大きな効果があります。
クラウドファンディングを進める際にかかった費用を必要経費として正しく計上することで、所得税の負担を大幅に軽減できます。
とはいえ、全ての費用が経費になるわけではありません。
「どこまで経費にして良いのか分からない」という方のために、必要経費として計上できるものとそうでないものをまとめました。
事業のために使用した費用は確定申告の際に必要経費として計上できます。
事務所の家賃や水道光熱費、消耗品や備品類はもちろん、サイト掲載にかかる手数料や商品発送のための送料なども対象です。
ただし、事業に関係ない費用まで経費計上してしまうと税務署からペナルティを受ける恐れがあります。
あれもこれも計上するのではなく、事業で使用したものだけを正直に計上するようにしましょう。
事業に直接関係がない生活費や雑費は経費計上できません。
日々の食事代や個人的な外食代、プライベートで使用している携帯料金などは経費として認められないため、注意しましょう。
なお、健康保険などの各種保険や医療費も経費計上はできませんが、保険料控除の項目として算入が可能です。
必要経費として計上したものは、必ず証明書類を保管しておくようにしましょう。
確定申告の際に使用するだけでなく税務調査の際に税務署職員から提示を求められることもあり、もし提示できない場合は経費として認められず追徴課税の恐れがあります。
領収書やレシートなどの証明書類は、確定申告提出期限の翌日から7年間保管しなければなりません。
税務署の職員から万が一提示を求められた際にすぐ対応できるよう、日付順に並べて保管しておくのがおすすめです。
所得税や贈与税などの各種税金には基礎控除額が設定されています。
調達した金額が基礎控除額を下回っている場合は、所得として計上されず大幅な節税効果が期待できます。
資金調達の際は控除額を超えないように気をつけることで、節税しながら必要な資金を集めることができるのです。
では、それぞれの税金にはいくらの控除額がついているのかを詳しく見ていきましょう。
所得税には年間48万円の基礎控除が設定されているため、調達資金額を48万円以下に抑えると節税が可能です。
所得税の基礎控除額は納税者の合計所得金額で変動しますが、年収2,000万円以下、かつ年末調整をしている人であれば調達資金額が20万円を切っている場合の申告は不要です。
「寄付型クラウドファンディング」で個人から得た資金は贈与とみなされますが、贈与税には年間110万円の基礎控除が設定されているため、贈与の総額が110万円を下回る場合は非課税となります。
ただし法人から資金の贈与を受けた場合は「一時所得」として計上されるため、与えられた資金が贈与にあたるのかを判断しなければなりません。
クラウドファンディングで資金を調達した際は、確定申告を行うことで控除が受けられたり経費として計上できたりとメリットを得られます。
とはいえ、はじめて確定申告をする場合はどのように進めたら良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。
ここでは確定申告の流れや必要な工程について解説しますので、確定申告の必要がある方はぜひ参考にご覧ください。
参照:申告手続の流れ|国税庁
まずは、確定申告に必要な書類を準備します。
確定申告の際にはマイナンバーを記載しなければならないため、「マイナンバーカード」もしくは「マイナンバーが分かるもの」も合わせて用意しておく必要があります。
不動産所得や事業所得がある場合には「収支内訳書」または「青色申告決算書」を用意し、領収書や会計帳簿もすぐに出せるようにしておきましょう。
医療保険や生命保険などに加入している場合は各種保険の控除明細や、医療費控除の明細書、寄付をした際に受け取る寄付金受領書も忘れずに用意する必要があります。
個人事業以外に給与所得があったり公的年金を受け取ったりしている方は、源泉徴収票などを必ず準備しておきましょう。
必要書類が揃ったら、いよいよ確定申告書作成に進みます。
確定申告書の作成方法は、税理士などのプロにお願いする方法と、会計ソフトなどを利用して自力で作成する方法の2種類に分けられます。
税理士などにお願いすると作成の手間が省ける上に、税務署から指摘されるリスクがない正確な確定申告書が完成しますが、その分依頼料がかかります。
自力で作成するとコストがかかりませんが、どうやって進めたら良いのか分からず不安になるかもしれません。
その場合は税務署に直接相談に行くこともできますし、国税局の電話相談窓口を利用することもできるため、不明点はしっかりと解消しましょう。
確定申告書が完成したら税務署へ提出しましょう。
提出方法は大きく分けて4種類ありますが、近年主流となっているのは「e-Tax(電子申告)」です。
「e-Tax(電子申告)」を利用するにはマイナンバーカードとカードリーダー機能が搭載されたスマートフォン、開業届を出した際などに付与される利用者識別番号が必要なので、事前に準備をしておきましょう。
窓口に並ばずにオンライン上で申告できるだけでなく、メンテナンス時間を除いた24時間365日受け付けてくれるため非常に便利なサービスです。
他の方法としては、税務署の窓口に直接持って行く、郵送や時間外収集箱を利用するという方法もあります。
確定申告の結果、納税の義務が発生した場合は、税務署から送られてくる納付書を利用して納税しましょう。
納税方法は「現金納付」と「振替納付」から選択できます。
現金納付は納税期限が3月15日までと設定されているため、納税のための資金集めに時間が欲しい場合やそもそも現金での納付が面倒な場合は、振替納付を選ぶのがおすすめです。
振替納付の場合は4月下旬ごろに口座から引き落とされるため、現金納付よりも余裕を持って資金準備が可能です。
逆に還付となった場合は「国税還付金」として指定口座に振り込まれます。
確定申告書を書面で提出した場合は振り込み完了までおよそ1か月〜2か月程度の時間がかかりますが、「e-Tax(電子申告)」で確定申告を行った場合はおよそ2週間〜3週間程度で振り込みが完了します。
クラウドファンディングを活用することで、商品やサービスのアイデアを実現するための資金を持っていない方でも資金調達を進められます。
ただし調達した資金には税金が課せられるため、節税のために確定申告をするのが重要なポイントです。
確定申告書提出の際は、手続きの手軽さや還付金受け取りまでのスピードが速い「e-Tax(電子申告)」で手続きを進めるのがおすすめです。
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