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ビジネスマッチングとM&Aは何が違う?両者の特徴を解説

公開日
2024.09.24
更新日
2024.09.24
ビジネスマッチングとM&Aは何が違う?両者の特徴を解説

企業の成長のために、新規事業の参入を検討している経営者もいるでしょう。

しかし、新規事業の参入にあたり、技術やノウハウの不足が課題となっている企業は少なくありません。

そのような場合、ビジネスマッチングやM&Aの利用により、新たなパートナーシップを築き、事業の成長や安定、競争力の強化を図ることができます。

今回は、ビジネスマッチングとM&Aのそれぞれの概要と違いについてご紹介します。

また、ビジネスマッチングとM&Aのメリットについてもまとめているので、ぜひご参考にしてください。

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ビジネスマッチングとM&Aの違い

パソコンの前で考え込む男性

ビジネスマッチングとM&Aはどちらも企業間の連携や協力を促進するプロセスですが、この2つは似て非なるものです。

ビジネスマッチングとは

ビジネスマッチングとは、企業や個人がビジネスの目的を達成するために、お互いに利益をもたらす可能性のあるパートナーを見つけることを指します。

企業間の協力関係を促進し、製品やサービスの提供、共同プロジェクトの実施、資金調達、技術提携、新市場への進出など、さまざまなビジネスチャンスを生み出すことができます。

ビジネスマッチングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ビジネスマッチングとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

M&Aとは

M&Aとは、企業の「合併(Mergers)」と「買収(Acquisitions)」を指す用語です。

企業戦略の一環として、資本提携を目的としており、企業の成長や市場拡大、競争力の強化、シナジー効果の創出などが期待できます。

M&Aについては下記コラムで詳しく解説しています。
M&Aとは?その目的やメリット、スキームを解説

両者の違い

ビジネスマッチングとM&Aの違いには「関係性」が挙げられます。

ビジネスマッチングは企業間で新たな取引や共同プロジェクトが開始されますが、各企業は独立した経営を続けます。

つまり、企業の独立性や意思決定の自由度は保たれたまま、マッチングした企業のスキルを自社に取り入れたり、お互いの抱える問題を解決する関係になります。

一方で、M&Aは買収された企業は買収した企業の一部となり、合併された企業はひとつの新しい企業として再編成されます。

これにより、企業の独立性は失われることが多く、経営権や組織の統合が行われるため、ともに企業の未来を創造していく関係になります。

ビジネスマッチングの特徴

ここでは、ビジネスマッチングの種類とメリットをご紹介します。

ビジネスマッチングの種類

ビジネスマッチングの種類は主に以下の3つです。

交流イベント

交流イベントとは、企業や起業家、専門家が一堂に会し、ビジネスの機会や協力関係を築くための場を提供するイベントのことです。

このイベントは、業界内の新しいパートナーシップや取引の可能性を探ることができる機会として非常に有効です。

ただし、交流イベントは直接会って行われることが多く、時間と場所が指定されています。

そのため、会場が遠くにあると参加できない場合があります。

金融機関のサービス

大手銀行などの金融機関が提供するビジネスマッチングサービスを利用すると、金融機関の広範なネットワークや信用力を活用して企業同士の連携を促進し、ビジネスチャンスを広げることが可能です。

また、金融機関には業界の専門知識を持つスタッフが在籍しているため、企業のニーズや課題に応じた適切なパートナーを紹介してもらうことができます。

ビジネスマッチングサイト

ビジネスマッチングサービスの一環として、専用のビジネスマッチングサイトが提供されています。

これらのサイトは、企業や個人事業主がオンライン上でビジネスパートナーを探し、商談や協業の機会を得るためのプラットフォームです。

地域や国を超えた広範なネットワークを持ち、多様な業種や規模の企業が登録しているため、通常では接点がない企業ともビジネスチャンスを見つけることができます。

おすすめのビジネスマッチングサイトについては下記コラムで詳しく解説しています。
ビジネスマッチングサイトおすすめ 15選!利用するメリット・利用時のポイントも解説

ビジネスマッチングを利用するメリット

ビジネスマッチングを利用するメリットは主に以下の5つです。

売り上げの向上・安定

ビジネスマッチングを通じて取引先を増やすことで、売り上げの向上・安定が期待できます。

取引先がほとんどない場合、1社でも契約を解除されてしまうと売り上げが一気になくなってしまいます。

売り上げが赤字になり、最悪の場合は倒産する可能性があるでしょう。

ビジネスマッチングを利用して取引先を増やすことができれば、万が一既存の企業との契約が解除されても売り上げがない状態を防げるうえ、契約解除に伴うリスクを分散できるため売り上げの安定につながります。

労働力の確保

ビジネスマッチングを利用すれば、労働力の確保にもつながります。

自社が持っていない技術やリソースを持つパートナーと協力することで、効率よく成果を生み出すことが可能です。

これにより、空いた時間と人材を別の業務に割り当てることができるため、多くの中小企業が悩む、人材不足の解決にもつながるでしょう。

自社のアピール

ビジネスマッチングは自社の魅力を効果的にアピールする絶好の機会です。

交流イベントや展示会などを通じて自社の製品・サービスを紹介できるため、仮にマッチングが成立しなくても認知してもらうことが可能です。

ノウハウの獲得

ビジネスマッチングを利用することで、他社の技術的なノウハウを直接学ぶ機会が得られます。

新しいパートナーとの協業を通じて、業界の最新動向や革新的な手法を取り入れ、自社のスキルや知識を向上させることができるでしょう。

新規リードの獲得

ビジネスマッチングを利用することで、自社が提供する製品・サービスに興味を持つ新規リードを効率的に獲得できます。

新しい企業や顧客との出会いを通じて、これまでリーチできなかった市場や業界にもアプローチが可能となり、売上拡大やビジネスチャンスの創出につながります。

ビジネスマッチングの成功例については下記コラムで詳しく解説しています。
どんなシナジーを生むか?ビジネスマッチング成功事例10選

M&Aの特徴

「事業継承・M&A」と書かれた書類

ここでは、M&Aの種類とメリットをご紹介します。

M&Aの種類

M&Aの種類は主に以下の7つです。

株式取得・資本参加

M&Aにおける株式取得と資本参加は、企業が他の企業に対して影響力や支配権を持つために行う方法です。

株式取得とは、ひとつの企業が他の企業の株式を取得することで、その企業に対する支配権や影響力を得ることを指します。

一方で、資本参加とは企業が他の企業の株式の一部を取得し、資本を提供することで、戦略的な関係を築くことを指します。

事業譲渡・資産買収

事業譲渡と資産買収は、企業が他の企業の特定の事業や資産を取得する方法です。

これらの手法は、全体の株式や企業全体を取得する場合とは異なり、特定の事業や資産だけを取得するために用いられます。

事業譲渡とは、ひとつの企業が他の企業の特定の事業を譲り受けることを指します。

譲受企業は、譲渡企業からその事業に関する資産や負債、契約などを引き継ぎます。

資産買収とは、企業が他の企業の特定の資産を買い取ることを指します。

事業全体ではなく、個別の資産だけを取得する場合に用いられます。

吸収合併

吸収合併とは、2つ以上の企業が合併し、そのうちの一社が存続して他の企業を吸収する手法です。

吸収された企業は消滅し、存続会社にその全ての権利義務が引き継がれます。

新設合併

新設合併とは、2つ以上の企業が解散し、新しい会社を設立する合併手法です。

もともと存在していた企業は消滅し、新たに設立された会社がその全ての事業を引き継ぐことになります。

吸収分割

吸収分割とは、特定の事業や資産、負債などを別の既存会社に移転させる手法です。

吸収分割を行う企業は事業の一部を切り離して他社に譲渡し、譲り受ける企業がその事業を引き継ぎます。

新設分割

新設分割とは、企業が特定の事業や資産を切り離し、それを引き継ぐ新しい会社を設立する再編手法です。

この手法を用いると、分割元の企業は一部の事業を新設会社に移転させ、新設会社がその事業を運営します。

新設分割は、既存の企業の再編や事業戦略の見直しの際に用いられることが多い傾向にあります。

資本提携・業務提携

資本提携と業務提携は、企業間の連携を強化するための手段です。

企業が相互の強みを活かして競争力を高め、事業の拡大や効率化を図るために行われます。

資本提携は、一方の企業が他方の企業の株式を取得し、両社間の資本関係を構築する手法です。

資本提携には、友好的な提携関係を築きながら、企業間の協力を促進する目的があります。

業務提携は、企業間で特定の業務やプロジェクトにおいて協力し合うための手法です。

資本の移動を伴わない場合が多く、企業間の協力をより柔軟に進めることができます。

M&Aを実施するメリット

以下でM&Aを実施するメリットを譲渡側と買収側にわけてご紹介します。

譲渡側:雇用の維持

M&Aを実施することで、譲渡側は従業員の雇用を維持できるメリットがあります。

譲渡するにあたり、従業員は新しい経営者に引き継がれることがほとんどです。

これにより、従業員の雇用を守ることができます。

譲渡側:技術・ノウハウの継承

譲渡側の企業が長年培ってきた専門的な技術やノウハウを、新しい経営者や企業に引き継ぐことができます。

これにより、企業が築いてきた知識資産が消失することなく、次世代に受け継がれます。

買収側:事業の多角化

M&Aを実施する際の買収側のメリットのひとつとして、事業の多角化があります。

事業の多角化により、企業は特定の業界や市場に依存するリスクを軽減できます。

万が一、ある業界が不況に陥っても、他の業界での事業が好調であれば全体のリスクを相殺することが可能です。

さらに、M&Aによって買収側は既存の市場に加えて、新たな市場に参入することができます。

これにより、企業の収益基盤が拡大し、成長のチャンスが増加します。

買収側:人材の確保

新たな人材を採用し、育成するには時間とコストがかかります。

しかし、M&Aを利用すれば買収対象企業の従業員をそのまま自社で雇用を継続できるため、組織の競争力や成長力を強化することが可能です。

まとめ

ビジネスマッチングは、お互いに利益をもたらす可能性のあるパートナーを見つける手法です。

各企業は独立した経営を続けられるので、企業の独立性や意思決定の自由度は保たれたままです。

それに対し、M&Aは企業の合併と買収を行う手法です。

企業の独立性は失われることが多く、経営権や組織の統合が行われます。

このように、ビジネスマッチングとM&Aにはそれぞれ違いがあるため、目的に合わせて利用しましょう。

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ビジネスマッチングとM&Aは何が違う?両者の特徴を解説

【監修】日本中小企業金融サポート機構 編集局長

保有資格:FP2級

大学卒業後、地方銀行に勤務。主に企業向け融資を担当。その後、損害保険会社にて法人営業、外資系金融機関にて法人融資や人材育成を担当するなど、一貫して金融関連業務に従事。2019年一般社団法人日本中小企業金融サポート機構に入社し、これまでの金融の知識と法人営業の経験を活かし、多くの中小企業・零細企業をサポート。
プライベートでは3児の父の顔も持ち、犬・猫・亀も飼う大家族の大黒柱。

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