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税金滞納でブラックリストに載る?ペナルティや法人がするべき対応について

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公開日
2023.12.12
更新日
2024.10.18
税金滞納でブラックリストに載る?ペナルティや法人がするべき対応について

クレジットカードを作ったりローンを組んだりするなど、金銭面での手続きを行う際に「ブラックリスト」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

支払いの延滞や債務整理を行うとブラックリスト状態となり、借り入れやクレジットカードの作成ができなくなるというリスクがあります。

では、支払いの延滞の中に税金の滞納も含まれるのでしょうか。

この記事では、どんな場合にブラックリスト状態になるのか、ブラックリスト状態になってしまうとどうなるのかを解説していきます。

ぜひご覧ください。

[cta]

ブラックリストと呼ばれるものは存在しない

ブラックリストと聞くと、「金銭面でトラブルを起こした人がリストに入れられる」とイメージされる方もいるかと思いますが、実際にはそのようなリストは存在しません。

ブラックリストとは、クレジットカードやローンなどの信用取引を利用する際に必要な信用情報に、金銭にまつわる事故情報が登録されている状態のことを指しています。

この信用情報は「信用情報機関」という団体によって管理され、銀行や消費者金融などに分かれて管理されています。

どうなるといわゆる「ブラックリスト」状態になるか

ブラックリスト状態になる理由には「債務整理」「長期間の延滞」「携帯電話料金の未払い」の3つが挙げられます。

債務整理とは、財産がなく支払いができない状態を裁判所に認めてもらうことで自己破産や任意整理を行い、借金の支払いを免除してもらうことです。

「長期間の延滞」とは、クレジットカードなどの支払いが滞っている状態のことで、2ヶ月以上延滞すると事故情報として登録されブラックリスト状態になります。

「携帯電話料金の未払い」も事故情報として登録されます。

使用料金はもちろん、端末を分割で購入した場合の支払いが滞っているとブラックリスト状態になるといわれています。

ブラックリスト状態になった場合のペナルティ

債務整理や延滞によってブラックリスト状態になってしまうと、どのようなペナルティが発生するのでしょうか。

新たな借入ができない

銀行や消費者金融などは貸した資金が回収できない「貸し倒れ」を避けるために、借入の申し込みを受けた際に信用情報の確認を行います。

ここで事故情報が登録されている場合、原則として新たな借り入れはできないと考えておきましょう。

クレジットカードを作れない

ブラックリスト状態になっている場合、クレジットカードを作ることができません。

クレジットカードは決済によって代金の支払いを後回しにするものなので、確実に回収できるように本人の支払い能力があるかどうかを審査しています。

支払い能力の確認をするために信用情報による審査を行っており、事故情報が掲載されていると申し込みができないだけでなく、すでに作成済みのクレジットカードの更新もできなくなります。

事故情報はいつ削除される?

事故情報は一生残り続けるものではありません。信用情報機関によって情報が残る期間が異なりますが、滞納や延滞・任意整理の場合は5年、自己破産の場合は5年〜10年で削除されるといわれています。

事故情報が消えたかどうかは信用情報機関に問い合わせることで確認ができるので、過去にブラックリスト状態になってしまった方は確認してみるとよいでしょう。

税金の滞納ではブラックリスト状態にはならない

ここまでブラックリスト状態になる原因についてお伝えしてきました。

では、住民税や所得税などの税金の支払いを滞納してしまった場合はブラックリスト状態になってしまうのでしょうか。

結論、税金を滞納してもブラックリスト状態にはなりません。

税金や公共料金の支払い状況は信用情報機関に記録されないので、たとえ滞納していたとしてもブラックリスト状態にはならないのです。

ただし、税金や公共料金の支払いをクレジットカード決済にしていた場合、滞納してしまうとブラックリスト状態になってしまうので気をつけましょう。

法人が納めるべき法人税

カレンダーとペンと法人税と書かれた置物

給与を貰えば所得税を支払い、商品を購入すれば消費税を支払うなど、私たち個人は日々さまざまな税金を納めています。

これと同様に、事業を運営する法人は利益から経費などを差し引いた所得にかかる「法人税」を支払う義務があります。

ここでは法人が納める「法人税」の概要についてご紹介します。

法人税の概要

法人税とは、法人が企業活動をしたことによって得た所得に対して課せられる税金のことです。

商品やサービスを販売して得た利益や土地・建物を売却して得た益金から、原価や販売費などの損金を引いた金額が所得金額となり、これに税率を掛け合わせて税額控除額を差し引いて法人税額を算出します。

法人税はどんな法人に課せられるか

法人税が課せられるのは「普通法人」と呼ばれる法人で、株式会社や有限会社、合資会社などが含まれます。

このほかにも、協同組合や一般社団法人、NPO法人などにも法人税が課せられます。

一方で、「法人」と名前がついていても法人税の対象にならない場合もあります。

財団法人や宗教法人などの「公益法人」や日本年金機構や金融公庫などの「公共法人」は社会公益のための事業としてみなされるため、法人税の対象にならないのです。

主な法人税率について

個人の所得に対してかかる所得税は、所得の金額が上がるにつれて税率も上がる「累進課税」という制度が採用されています。

一方法人税で採用されているのは「比例課税方式」と呼ばれるもので、所得の金額に左右されず一定の税率が適用されます。

2023年11月時点での法人税率は23.2%と設定されていますが、資本金が1億円以下の中小企業の場合は税負担が軽減される措置があります。

法人税の滞納は少なくない

安定して会社を運営するために、法人税をはじめとする支払いを滞りなく行うのはとても重要なことですが、実は法人税を滞納するケースは多いということをご存知でしょうか。

国税庁によって公開された「令和4年度租税滞納状況の概要」によると、法人による税金滞納は956億円分発生しているのです。

ただし、現在の滞納額は平成初期と比較するとかなり右肩下がりになっており、税金滞納額は年々減少傾向にあります。

法人税を滞納するとどうなる?

延滞金と書かれた紙と赤ペン

では、法人税を滞納してしまうとどのようなリスクがあるのでしょうか。

延滞税が上乗せされる

税金には納付期限が設けられており、法人税にも同様に納付期限が設定されています。

納付期限を1日でも過ぎてしまうとペナルティとして延滞税が発生し、税負担が通常よりも大きくなってしまいます。

延滞税の金額は納付期限の翌日から納付した日までの経過日数によって異なり、納付期限から2ヶ月以内であれば年率7.3%もしくは延滞税特例基準割合+1%のいずれか低い方を納付し、納付期限から2ヶ月を超えた場合は年率14.6%もしくは延滞税特例基準割合+7.3%のどちらか低い方となります。

財産を差し押さえられる

法人税を滞納したまま放置すると財産を差し押さえられてしまいます。差し押さえの対象となるのは預金や売掛金、自動車や不動産などです。

仕事や生計を立てるために必要なものは、差し押さえができないルールとなっています。

財産の差し押さえはある日突然行われるわけではなく、税務署からの督促状が発行されてから10日以内に納税を完了できていない場合のみ差し押さえが発生します。

原則として融資を受けられなくなる

会社を設立して間もなかったり、売上が思うように伸びなかったりする場合は、事業の運転資金を確保するために金融機関からの融資を受けることがあります。

ところが法人税を滞納してしまうと、審査に通ることが難しく融資が受けられなくなってしまいます。

資金がなければ事業を続けることができなくなるので、最悪の場合倒産してしまう可能性が非常に高くなるのです。

信用力が失われる

法人税の滞納は社会的信用を失うことにもつながります。

法人税の支払いを滞納して資産の差し押さえが発生すると、取引先にも差し押さえの事実が知れ渡ってしまいます。

継続した取引が難しくなるだけでなく、会社のイメージダウンによる顧客離れにもつながり、事業の立て直しが難しくなることは避けられないでしょう。

キャッシュフローが悪化する

法人税を滞納して資産の差し押さえが発生すると、事業を運営することができなくなります。

工場や設備などが差し押さえられてしまえば商品を生産することができなくなり、利益を生み出せずキャッシュフローがどんどん悪化してしまうのです。

法人税を滞納してしまった場合の流れ

催告書と電卓と現金

法人税を滞納している事実が判明したからといって、すぐに罰則が発生するわけではありません。

税務署からの督促や勧告を行い、それでも納付に応じない場合は財産の差し押さえなどの強制措置に移行します。

ここからは法人税を滞納した際の流れについて解説します。

1.督促状

納付期限を過ぎても法人税が未納の状態であれば、税務署から支払いを促すための督促状が送られてきます。

滞納している金額や管轄の税務署によって多少異なる部分はありますが、納付期限から約1ヶ月程度の滞納が続いていると督促状の送付対象となります。

督促状が送られてきた段階でも法人税の支払いができない場合は、次のステップに移ります。

2.勧告

督促状を送付しても法人税の納付が確認できない場合、書面や電話による勧告が行われます。

場合によっては、担当者が会社に直接訪れて注意喚起をする場合もあります。

3.財産調査

財産調査は督促状の送付や勧告と同時進行で進められることが多く、差し押さえに向けて会社の財産調査が行われます。

調査を行い「差し押さえが難しい」と判断された場合は、強制捜査が入る可能性があります。

4.差し押さえ

再三の勧告を行っても納付されない場合、国税徴収法47条1項に基づいて差し押さえが行われます。

これは督促状を送付してから10日以上経過している場合は差し押さえのための手続きと行動を許可するもので、法人が所有するすべての財産が差し押さえの対象となります。

5.公売へ

差し押さえられた財産は、国税徴収法89条以下の規定に基づいて公売にかけられます。

公売によって換価した後の資金は、まず法人税の支払いに充てられ、残った分は経営者に返還される仕組みになっています。

法人税を滞納してしまった場合はどうすればいいか

たくさんの¥マークと悩む男性

法人税を滞納したままにしておくと、督促状や勧告が届き、最終的には財産の差し押さえが発生することをお伝えしました。

では、法人税を滞納してしまった場合に財産を差し押さえられないためには、どのような行動を取るとよいのでしょうか。

どうにか支払いできないか検討する

税務署から督促状が届いたら、「どうしたら払えるか」を一番初めに考えなければいけません。

滞納日が長引くほど追加徴税額も大きくなるので、より支払いができなくなるリスクが高まり財産の差し押さえにつながってしまいます。

資金調達を行ったり融資を検討するなど、財産を差し押さえられて手も足も出ない状態になる前に対策を打つ必要があります。

消費税と源泉徴収税を優先する

法人が支払う税金は法人税だけではなく、固定資産税や消費税などさまざまな税金の支払いが必要です。

もしも手元に資金がなく、どの税金から納めるべきかを悩んでいる場合は、「消費税」と「源泉徴収税」を優先して支払うようにしましょう。

これらの税金は従業員や顧客から一時的に預かって後日まとめて支払う仕組みになっていることから、真っ先に差し押さえの対象となりやすいからです。

顧問税理士などに相談する

期限までに支払いができないことが判明したら、できるだけ早い段階で顧問税理士などに相談するのがおすすめです。

財務状況や税額を比較して、最適な支払いのアドバイスをしてもらえます。

法人税を滞納している企業は、すでに借金が膨らんでしまって自転車操業状態になっている可能性があります。

顧問税理士はもちろん、顧問弁護士にも相談して早急な税金の支払いを進められるようにしましょう。

税務署や年金事務所と密にやり取りをする

法人税の納付が遅れてしまう場合は、できるだけ早く税務署や年金事務所に相談するようにしましょう。

現在の経営状態を正直に伝え、支払う意思をきちんと示すことで、納付までの猶予を設けてくれたり差し押さえまでの期間を引き延ばしてくれたりする可能性があります。

早急な資金調達を行う

差し押さえを回避するためには早急な納税が必要ですが、手元に資金がなければ何もできません。

資金繰りが怪しくなり法人税の納付ができないと判明した段階で資金調達を行い、税金を納付するための資金を手元に準備しておくのが大切です。

早急に資金調達できるファクタリングについて

日本の貨幣と紙幣と電卓

法人税未納の督促状が届き、手元の資金を増やすために資金調達をすることをお伝えしました。とはいえ、金融機関からの融資は審査が厳しいだけでなく、入金までに時間がかかってしまいます。

そこでおすすめなのが「ファクタリング」です。ファクタリングでは最短即日で売掛金を資金化できるため、時間がなく今すぐ資金が必要な場合に便利な金融サービスです。

ここからは資金調達の方法のひとつである「ファクタリング」について詳しくご紹介します。

最短即日で資金調達が可能

ファクタリングとは、売掛先から入金される予定の売掛金をファクタリング会社に売却することで、本来入金される期日より早い段階で売掛金を資金化できるサービスです。

一般的な売掛金は入金までに1ヶ月程度かかりますが、ファクタリングを利用することで最短即日で資金化することができます。

売掛金を早い段階で資金化することで、売掛先の倒産などの万が一に備えて資金を手に入れることができます。

ファクタリングは借り入れではない

「ファクタリングの資金化は信用情報に影響しないか?」「法人税が払えなくて督促状が届いているのに、ファクタリングで資金化ができるのか?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

結論、ファクタリングは信用情報に影響はありません。

金融機関からの融資を受ける場合には信用情報が重視されますが、ファクタリングは借り入れではなく資産売却による資金化に該当するため、自社の資金繰りがうまくいっていなくても資金調達に問題はないのです。

申込企業の信用力は影響しない

ファクタリングの審査で重要視されるのは、自社の経営状態ではなく売掛先の経営状態です。

ファクタリング会社は売掛金を買い取って利用者に資金を渡しますが、回収できるのは売掛先から利用者へ入金された後となります。

そのため、ファクタリング会社にとっては売掛先の経営が安定し、確実に利用者に代金の支払いが行えるかどうかの方が大切なのです。

ファクタリング利用で事故情報が残ることは原則ない

記事の冒頭でブラックリストについてお伝えしていたことから「ファクタリングを利用することでブラックリスト状態になってしまうのではないか」と不安に思う方もいるかと思います。

先述したとおり、ファクタリングは売掛金を売却することで資金調達を行うため、資産の売却に該当することからブラックリスト状態になってしまうことはありません。

安心してファクタリングを活用いただけるほか、現在ブラックリスト状態にある場合でも売掛先の信用力が高ければファクタリングを利用することが可能なのです。 

ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングとは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説【図解あり】

まとめ

ブラックリストとは金銭にまつわる事故情報が登録されている状態を表し、ブラックリスト状態では借り入れやクレジットカードの作成・更新ができなくなります。

税金を滞納することによってブラックリスト状態になることはありませんが、多額の延滞税を徴収されたり融資が受けられなくなったりと事業存続ができなくなるリスクが高まります。

財産を差し押さえられる前に早急な資金調達を行い、一刻も早く納税を行いましょう。

一般社団法人日本中小企業金融サポート機構では、ファクタリングサービスをはじめとする資金調達の方法をご紹介しています。

当機構は一般社団法人であること、また経営革新等支援機関に認定されていることから、安全性や信頼性に自信があります。

資金繰りでお悩みの方は、ぜひ1度ご相談ください。

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税金滞納でブラックリストに載る?ペナルティや法人がするべき対応について

【監修】日本中小企業金融サポート機構 編集局長

保有資格:FP2級

大学卒業後、地方銀行に勤務。主に企業向け融資を担当。その後、損害保険会社にて法人営業、外資系金融機関にて法人融資や人材育成を担当するなど、一貫して金融関連業務に従事。2019年一般社団法人日本中小企業金融サポート機構に入社し、これまでの金融の知識と法人営業の経験を活かし、多くの中小企業・零細企業をサポート。
プライベートでは3児の父の顔も持ち、犬・猫・亀も飼う大家族の大黒柱。

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