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売掛金をあらかじめ決めた期日に回収できれば良いですが、場合によっては売掛先から支払われないこともあるでしょう。
このとき、気になるのが「売掛金の時効」です。時効が完成すると、本来受け取れるはずの売掛金を回収できなくなってしまいます。
そのため、売掛金の時効について正しく理解し、時効が完成する前に回収できるよう体制を整えることが大切です。
そこで今回は、売掛金の時効にフォーカスし、具体的な期間や更新・完成猶予について解説します。
また、売掛金を適切に回収するための方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
[cta]売掛金には時効があり、それを過ぎると請求が認められなくなることがあります。
このケースにおいて「請求書を送っていれば売掛金の時効は来ない」と認識している経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはそのようなことはありません。
請求書を送っていたとしても売掛金の時効は訪れます。
売掛金の時効が完成するのは、債権者が権利を行使できると認識したときから5年間行使しなかったとき、つまり時効期間は「5年」です。
これは民法第166条によって定められています。
第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 引用:民法(明治二十九年法律第八十九号)|e-Gov 法令検索 |
例えば、2023年11月に売掛先へ商品を納入したとします。
この掛取引において支払いサイトが月末締め・翌月未払い(30日サイト)の場合、売掛金の支払期限は2023年12月31日となります。
つまり、このケースで売掛金の時効が完成するのは、2024年1月1日から5年後の「2029年1月1日」となるのです(※時効期間は支払期限日の翌日からスタートします)。
民法は2020年に改正されており、改正前の売掛金の時効期間は「2年」でした。
2020年3月よりも前に発生した売掛金には改正前の民法が適用されるため、その全ての売掛金に関しては時効が中断されない限り、2022年3月で時効が完成したことになります。
売掛金の時効のついては下記コラムで詳しく解説しています。
売掛金の時効は何年?時効完成を阻止する手段を解説
売掛金がなかなか支払われない場合、請求書に何らかのミスがある可能性が考えられます。
時効が来る前に売掛金を回収するためにも、請求書を今一度確認しましょう。
売掛金の支払いがない原因は、もしかすると請求書の未送付かもしれません。
しかし、自分以外の誰かが代わりに送付している可能性もあるため、まずは本当に請求書の未送付が原因かどうかを確認しましょう。
紙ではなくデータで請求書を送付している可能性も考えられるため、その点も踏まえてチェックするのがおすすめです。
請求書を送付したか否かとあわせて、口座に売掛金が入金されていないかも入念に確認しましょう。
もし請求書を送付し忘れていたとしても、取引があったという事実から売掛金を入金する売掛先もあります。
すでに支払いを済ませている売掛先に対して再び請求書を送付してしまうとトラブルにつながりかねないため、口座への入金の有無は慎重に確認することが大切です。
請求書が未送付であり、かつ口座への入金もなかった場合は、まずその旨を上司に報告しましょう。
そして今後の対応について相談し、売掛先に迷惑をかけたことについて謝罪します。
売掛先に謝罪を受け入れてもらえたら、早急に請求書を発行し送付しましょう。
「早く作成して送付しないと」と慌ててしまうと請求書にミスが残る可能性があるため、落ち着いて丁寧に作成することが大切です。
請求書を送付したのち、売掛先からの入金が確認できたら、請求書が未送付だった原因を特定しましょう。
単なるヒューマンエラーとして処理してしまうと、また同じミスをしてしまう可能性があります。
請求書を送付する仕組み・流れに問題はないかをよく調査し、原因を明確にして再発防止策を講じましょう。
売掛金を回収できなかったという事態を避けるには、時効が完成する前に回収する必要があります。
しかし、時としてそれが困難なこともあるかもしれません。その場合は、売掛金の時効に対して「更新」または「完成猶予」を行うと良いでしょう。
時効の更新とは、経過した時効期間をリセットすることです。更新した時点から再び5年の時効期間がスタートします。
例えば、債権者が権利を行使できると認識した日から2年経ったタイミングで時効を更新した場合、その2年はリセットされ、また最初から5年の時効期間が始まります。
時効の完成猶予とは、時効の進行を一時的に止めることです。
時効の更新とは異なり経過した時効期間はリセットされませんが、時効の完成を先延ばしにすることができます。
なお、更新と完成猶予は、改正前の民法ではそれぞれ「時効の中断」「時効の停止」と呼ばれていましたが、民法の改正に伴い改正前の用語は削除されました。
時効の援用とは、時効の完成によって利益を受ける者(債務者など)が、時効の完成を主張することです。
援用に成功すれば時効が完成するため、債務者の借金はゼロになります。
つまり、期間が経てば自動的に時効が完成するわけではないということです。
これは、民法第145条によって定められています。
第百四十五条 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。 引用:民法(明治二十九年法律第八十九号)|e-Gov 法令検索 |
とはいえ、債務者により援用されなくても、債権者が権利を行使できると認識したときから5年が経過すれば、売掛金を回収することは困難となります。
そのため、売掛金の時効期間が過ぎている場合は弁護士に相談すると良いでしょう。
売掛金の時効を更新する、あるいは完成猶予にする方法は、以下のとおりです。
まず挙げられるのは、債務者に債務の承認に当たる行動をとってもらう方法です。
その行動には「売掛金債務の承認」「売掛金の一部の弁済」などがあります。
債務者が債務の承認に当たる行動をとった場合、売掛金の時効が更新されるため、承認した時点から再び5年の時効期間が始まります。
売掛金債務を承認してもらう方法には、例えば「支払いを約束する書面へのサイン」があります。
書面に以下の5項目を明記し、債務者からサインをもらいましょう。
・支払いに承諾する旨 ・支払金額 ・支払期限 ・支払方法 ・支払いに遅れたときの遅延損害金について |
債務者に売掛金の一部の弁済を開始してもらうことも、債務の承認に当たる行動のひとつです。
売掛金が1円でも弁済された場合、売掛金の時効が更新されます。
時効を完成猶予にしたい場合は、債権者と債務者で権利についての協議を行う旨の書面による合意をとりましょう。
これが成功すれば、時効の完成が1年間猶予されます。
内容証明郵便による催告も、時効を完成猶予にする方法のひとつです。
内容証明郵便の場合、「いつ・誰が・どこに・どのような文書を送付したのか」を公的に証明できるため、催告した事実を確実に残せます。
また、内容証明郵便による催促は「法的な催告」に該当するので、売掛金の時効を6か月先延ばしにすることが可能です。
内容証明郵便による催告を行っても売掛先から売掛金が支払われない場合は、支払督促を行いましょう。
支払督促とは、裁判所書記官から債務者へ「債務を弁済するように」と催促してもらうことです。
これを実行することで、売掛金の時効が更新されます。
もし債務者が支払督促を受けてから2週間以内に異議申し立てを行わなかった場合は、債権者の申し立てにより強制執行を行うことが可能です。
裁判所に債務者に対する民事調停を申し立てることでも、売掛金の時効は更新されます。
民事調停とは、債権者と債務者の間に調停委員が入り、話し合いによって支払いに関する問題の解決を図ることです。
もし売掛先との関係が良好で、話し合いでの円満解決が期待できる場合は、民事調停を検討すると良いでしょう。
売掛金の時効を更新する方法には民事訴訟もあります。
債務者に対して民事訴訟を起こした場合、それは「裁判上の請求」と認められ、それまでの時効期間がリセットされます。
もし判決後も債務者が売掛金の支払わない場合は、預金や財産を差押えることも可能です。
話し合いに応じてもらえなかったり、売掛金の支払いを拒否し続けていたりする場合に有効といえます。
売掛金の時効期間はあっという間に過ぎてしまうものです。
「まだまだ余裕がある」と思っているといつの間にか時効が完成し、売掛金の回収が困難になる可能性があります。
そのため、売掛金は早めに回収することが大切です。
このとき、もし売掛金の回収に手間取ってしまったら弁護士に相談すると良いでしょう。
仮に売掛金の時効が迫っている場合は、時効を更新または完成猶予する方法を指南してくれます。
また売掛金の支払いについて、弁護士が代理人となり売掛先と交渉してくれることもあります。
親しい売掛先相手に売掛金の支払いを催促しなければならない場合に、大いに役立つでしょう。
この他、弁護士に相談すれば民事訴訟などの法的処置もとりやすくなります。
手続きをスムーズに進められる上に、こちら側がなるべく有利になるような主張をしてくれるでしょう。
売掛金を回収するにあたって、法的処置を検討せざるを得ない状況になるのは避けたいものです。
そこで以下では、売掛金を適切に回収するための方法をご紹介します。
まずは、受注時に契約条件を明確にしましょう。
契約条件とは、権利や義務の発生・変更・消滅に関する当事者間の具体的な契約内容のことです。
これを明確にすれば、売掛金の回収に問題が起きづらくなり、時効が完成する前に入金してもらえるでしょう。
なお、契約条件は取引基本契約書にまとめて、売掛先別に管理しておくのがおすすめです。
これにより、万が一売掛金の未回収など突発的なトラブルが起きても迅速に対応しやすくなります。
売掛金を正確に管理するため、売掛管理表を作成するのも良いでしょう。
売掛先の社名や請求日、売掛金額(売上額)、支払方法、支払期日などを一覧で管理できるため、こまめに確認すれば「支払期日が迫っているが、まだ入金されていない」といった状況を把握でき、売掛先に対し支払いを催促することができます。
これにより、売掛金を適切に回収しやすくなるでしょう。
会計ソフトを活用して、売掛金管理を行うのもおすすめです。多くの会計ソフトでは得意先元帳を利用でき、売掛先ごとの入出金を把握することができます。
そのため、売掛金の支払い遅延などを簡単に把握でき、迅速に回収作業を進めることが可能です。
しかし、多くの会計ソフトは売掛金管理を主要用途として作られているわけではありません。
そのため、必要に応じてExcelを併用すると良いでしょう。
保証型ファクタリングとは、売掛先から売掛金が入金されないなど、万が一売掛金が回収できなくなった場合に契約の範囲内で保証してもらうサービスです。
もし売掛金を回収する前に売掛先が倒産した場合、帳簿上では利益が出ているにもかかわらず、手元には資金がない状態となってしまいます。
このような場面で保証型ファクタリングを利用していれば、万が一売掛先が倒産してもファクタリング会社が契約の範囲内で保証金を支払ってくれるので、売掛金の未回収リスクに備えられます。
つまり、売掛先の状況を問わず売掛金を適切に回収できるのです。
ただし、保証型ファクタリングの対象となるのは、原則としてまだ支払期日に到達していない売掛債権です。
支払期日を過ぎると不良債権となり、ファクタリング会社では取り扱ってくれなくなるため、保証型ファクタリングは早めに利用しましょう。
ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングとは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説【図解あり】
売掛金の支払いの遅延が発生したら、早急に売掛先に連絡して遅延の事実とその理由を確認しましょう。
その上で、入金予定の有無やその根拠となる発注書や資金繰り表を確認します。
加えて、追加の納品をすぐに停止することも大切です。
スピーディーな初動対応によって売掛先が事態の重要性を認識することで、売掛金を回収しやすくなります。
売掛先から分割弁済を求められた場合は、「法人税申告書の写しを手に入れて財産の所在を把握する」「代表者個人の連帯保証を求める」などの対応をとりましょう。
このような対応によって債務者に「面倒な債権者」と思わせることで、自社への支払いの優先度が高まり、売掛金を回収しやすくなります。
売掛金が回収不可能となった場合は、売掛金を放棄する、または公的融資の利用を検討するのがおすすめです。
回収不可能の売掛金は、債権を放棄することで損金として処理することができます。注意しなければならないのは、単に債権を放棄するだけでは不十分ということです。
「回収不可能な売掛金」と客観的に認められなければなりません。
この点については税理士をはじめとする専門家に相談することで、適切に対応できるでしょう。
売掛金が回収不可能となった場合は、公的融資の利用を検討するのも良いでしょう。
例えば、公的融資のひとつである「取引企業倒産対応資金(セーフティネット貸付)」は、日本政策金融公庫による融資制度で、対象企業は最大で1億5,000万円の融資を受けられます。
あくまでも融資なので返済義務は生じますが、一時的に金銭的猶予を確保できるため、売掛金の未回収により被った損害をカバーしやすくなります。
売掛金の回収については下記コラムで詳しく解説しています。
売掛金が未回収にならない対処・回収するための方法を解説
売掛金の時効期間は「5年」です。
請求書を送付していたとしても売掛金の時効は訪れるため、時効が完成する前に売掛金を回収することが大切です。
もし売掛金を回収できなさそうであれば、時効を更新または完成猶予にするのも一案です。
その方法には「債務者に債務の承認に当たる行動をとってもらう」「内容証明郵便による催告を行う」「支払督促」などがあるため、自社に合った方法を選択しましょう。
売掛金の回収に不安がある場合は、売掛金をファクタリング会社に売却して資金化する「ファクタリング」を利用するのもおすすめです。
売掛金が未回収になるリスクを軽減することができます。
日本中小企業金融サポート機構では、ファクタリングサービスのご案内を行っています。
当機構は一般社団法人であること、そして関東財務局長及び関東経済産業局長が認定する「経営革新等支援機関」に認定されていることから、安全性・信頼性に自信があります。
売掛金の未回収に備えたい経営者の方はぜひご相談ください。
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