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どんなリスクに備えられる?人材派遣業におけるファクタリング利用

公開日
2024.02.14
更新日
2024.03.11
どんなリスクに備えられる?人材派遣業におけるファクタリング利用

人材派遣業は、数ある業種の中でもとくに資金繰りが重要といわれています。

そのため、もし資金繰りに課題があるのであれば、資金調達手段のひとつである「ファクタリング」の利用を検討するのがおすすめです。

そこで今回は、人材派遣業が抱える開業・継続の要件・注意すべき資金繰りのリスクから、ファクタリングの利用について考えていきます。

人材派遣業でファクタリングを利用するメリット・デメリット、具体的な利用シーンや活用イメージなどを把握して、必要か否かを検討しましょう。

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人材派遣業における開業・継続の要件

人材派遣業は、資金繰りが極めて重要な業種といわれています。

その理由には、2015年の労働派遣法改正が大きく関係しています。

なぜ資金繰りが重要なのか

2015年の労働派遣法改正により、人材派遣業の開業・継続が届出制から許可制に一本化されました。

許可の有効期間は、新規の場合は3年、その後は更新ごとに5年となっています。

人材派遣業の開業・継続に伴い満たさなければならない現金に関する要件は、以下のとおりです。

資本金基準資産額を「2,000万円×事業所数」以上準備すること
預金現預金を「1,500万円×事業所数」以上保有すること
基準資産額基準資産額は負債総額の7分の1以上であること

これに伴い、人材派遣業を開業・継続するには一定以上の現金を保有し、かつ負債額を最小限に抑えなければならなくなりました。

つまり、経営状況が悪化している場合は存続が困難になったのです。

この背景から、人材派遣業ではこれまで以上に資金繰りが重要と考えられています。

参照:労働者派遣事業の許可制について|厚生労働省

資金繰りに関する用語

資金繰りとは、企業の収入と支出を管理して、現金による収支の過不足を調整することです。

資金繰りをする際は、以下の用語の意味も知っておくとよいでしょう。

キャッシュフロー

キャッシュフローとは、企業に入ってくる現金と出ていく現金の流れのことです。

企業が留保している現金そのものを指すこともあり、これは入ってくる現金(以下 キャッシュイン)から出ていく現金(以下 キャッシュアウト)を引くことで求めることができます。

資金繰りとキャッシュフローの違いは、その目的にあります。

資金繰りの目的が「今後の現金の増減に備えて、適切なタイミングで支払計画を立てること」であるのに対し、キャッシュフローの目的は「これまでの活動で得た現金の流れを追跡し、健全かつ持続的な経営を評価すること」です。

キャッシュフローについては下記コラムで詳しく解説しています。
経営を安定化し成長を促進する「キャッシュフロー」について

資金調達

資金調達とは、企業の経営に必要な現金を調達することです。

主に「デットファイナンス」「エクイティファイナンス」「アセットファイナンス」の3つの種類があります。

デットファイナンス「金融機関から融資を受ける」「社債を発行する」など、会社の負債
(デット)を増やすことで資金調達をする方法
エクイティファイナンス「株式を発行する」「クラウドファンディングを実施する」など、会社の株主資本(エクイティ)を増やすことで資金調達をする方法
アセットファイナンス「ファクタリングを行う」「M&Aに取り組む」など、企業の資産(アセット)を売却し資金化することで資金調達をする方法

資金繰りでは、資金調達によって現金による収支の過不足を調整することもあります。

そのため、資金調達は「資金繰りの手段のひとつ」と考えるとよいでしょう。

なぜ資金繰りが悪化するのか

資金繰りが悪化する原因は複数あり、たとえば「キャッシュインの減少」がそのひとつです。

キャッシュアウトは今までと同じであるのにもかかわらず、キャッシュインが減ってしまうと、現金が減り資金繰りが悪化してしまいます。

そのため、自社の商品やサービスの売上が減少したり、売掛金の回収サイトが長くなったりしている場合は注意が必要です。

このほか「キャッシュアウトの増加」も資金繰りが悪化する原因のひとつです。

仕入値が上がったり借り入れによる返済額が増えたりした場合、支出がどんどん増えるため、キャッシュインが増えないままの場合は資金繰りが悪化してしまうでしょう。

人材派遣業が注意するべき資金繰りのリスク

RISKと書かれた木のブロック

人材派遣業の資金繰りでは、以下の5つのリスクに注意が必要です。

派遣先からの支払いサイトが長い

派遣先から人材派遣会社に派遣料金が支払われるまでには、一般的に数ヶ月ほどかかります。

しかし、その一方で人材派遣会社は従業員に対する毎月の給料、そして派遣社員に対する当日または週単位の報酬を支払わなければなりません。

また、派遣スタッフの求人広告費や教育・研修費、オフィスの賃料、設備費なども必要になるでしょう。

この点から、派遣先からの支払いサイトが長い場合、キャッシュインは減少する一方でキャッシュアウトは現状のままとなるため手元の現金が減り、資金繰りが悪化してしまう可能性があります。

派遣先が経営悪化に陥ることがある

人材派遣会社の主な資金源は、派遣先からの派遣料金です。

しかし、必ずしも派遣先から派遣料金が支払われるとは限らず、仮に派遣先が経営悪化に陥っている場合は、派遣先からの支払いサイトがより長くなる可能性があります。

もし派遣先が倒産してしまった場合は、派遣料金の回収が不可能になることも考えられます。

これが現実になれば、人材派遣会社は資金源を失ってしまうため、キャッシュインが減少し資金繰りが悪化してしまうでしょう。

競合他社との競争

人材派遣業は競合他社が多い業種のひとつです。

競合他社との競争で勝ち抜くには、たとえば「派遣料金を安価にする」手段がありますが、そうすると売上が伸びずキャッシュインが大幅に減ってしまいます。

また、派遣社員を確保するための他社との差別化として「日払い体制の確立」に着手した場合は、日々のキャッシュアウトが増加してしまいます。

このように、競合他社との競争に勝つことに注力しすぎた場合、キャッシュフローが崩れて資金繰りが悪化する可能性があるのです。

派遣社員の不足

派遣社員の多くは、時給が高い人材派遣会社への登録を希望します。

そのため、時給が相場とかけ離れていたり、競合他社よりも低かったりする場合は、派遣社員をなかなか確保できません。

派遣社員が不足すると、人材派遣会社は売上を上げることができなくなります。

そのため、派遣社員を確保できない状況が続けば、資金繰りはどんどん悪化していくでしょう。

季節や景気による影響を受ける

人材派遣会社の仕事量は、季節や景気に左右されます。

たとえば、多くの企業で新年度となる4月、期初となる10月は仕事量が増えますが、人の動きが少ない2月や8月は仕事量が減る傾向があります。

また、景気がよいときは派遣社員を必要とする企業が増加するため、仕事量が増えるでしょう。

このように、人材派遣会社の売上は季節や景気の影響を受けるため、仕事量が増える季節、そして景気がよいときに十分な売上を上げられなければ、その後キャッシュインを安定的に確保できず、資金繰りが悪化する可能性があります。

人材派遣業でファクタリングを利用するメリット

現金と電卓

人材派遣業の開業・継続が許可制になったことから、これまで以上に資金繰りが重要になりました。

もし、派遣先の経営悪化や派遣社員の不足などによって資金繰りが困難になった際は、ファクタリングを利用するのも一案です。

ファクタリングとは?

ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却することで、売掛金の入金日前に資金化するサービスのことです。

資金調達手段のひとつであり、多くの企業が利用しています。

一般的に、売掛金が入金されるまでには30日〜60日ほどかかります。

ファクタリングを利用すれば、最短即日で売掛債権を資金化できるため、資金繰りを安定させやすくなります。

ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングとは?仕組みなどをわかりやすく解説【図解あり】

ファクタリングの基本的な仕組み

ファクタリングには、主に「買取型」と「保証型」の2つがあります。

買取型ファクタリング企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却することによって、売掛金の入金日よりも前に資金化するサービス
保証型ファクタリング取引先から売掛金を回収できなくなった場合に、ファクタリング会社に契約の範囲内で保証してもらうサービス

買取型ファクタリングと保証型ファクタリングは、サービス内容が違うほか、利用目的にも違いがあります。

買取型ファクタリングは主に資金調達を目的として利用され、保証型ファクタリングは売掛金の未回収リスクに備えるために利用されるのが一般的です。

2者間ファクタリングと3者間ファクタリング

買取型ファクタリングには「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」があり、それぞれで契約に関与する会社の数が違います。

2者間ファクタリング利用者とファクタリング会社の2者で契約を締結
3者間ファクタリング利用者とファクタリング会社、そして売掛先の3者で契約を締結
(※人材派遣業の場合、派遣先が売掛先になる)

2者間ファクタリングの場合、取引先は契約に一切関与しないため、申し込みから審査、売掛債権の譲渡・資金化までスピーディーに進み、最短即日で資金調達ができるのが特徴です。

ただし、取引先を介さないことから、ファクタリング会社は売掛金の存在等を直接確認することができません。

架空債権や二重譲渡のリスクが生じるため、手数料が高く設定される傾向があります。

3者間ファクタリングの場合、依頼人は取引先から承諾を得なければ契約を締結できません。

そのため、2者間ファクタリングに比べて資金調達に時間がかかります。

ただし、売掛先が契約に関与する分、ファクタリング会社は売掛先に売掛債権の存在等を直接確認できることから、手数料は低く設定されています。

2者間ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
2者間ファクタリングとは?3者間ファクタリングとの違いとメリット・デメリット

3者間ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
3者間ファクタリングとは?メリット・デメリットと利用が好ましいケースを解説

基本的な取引の流れ

ファクタリングとして一般的に提供されているのは買取型ファクタリングであり、その基本的な取引の流れは以下のとおりです。

2者間ファクタリング1.利用者が売掛先に商品やサービスを納品する ※売掛債権の発生
2.利用者がファクタリング会社へ売掛債権を譲渡する
3.ファクタリング会社から依頼人へ売掛債権の譲渡代金が支払われる
4.売掛先から利用者へ売掛金が支払われる
5.売掛金を回収した利用者がファクタリング会社に支払いを済ませる
3者間ファクタリング1.利用者が売掛先に商品やサービスを納品する ※売掛債権の発生
2.利用者が売掛先から債権譲渡の承諾を得る
3.利用者がファクタリング会社へ売掛債権を譲渡する
4.ファクタリング会社から利用者へ売掛債権の譲渡代金が支払われる
5.売掛先からファクタリング会社へ売掛金が支払われる

では、人材派遣業でファクタリングを利用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット1.早期資金調達が可能

もし売掛先による売掛金の支払いが遅れた場合、キャッシュフローが崩れてしまいます。

このとき、ファクタリングを利用すれば最短即日で売掛債権を資金化できるため、手元の現金が減るのを未然に防ぐことができます。

これにより資金繰りの悪化も防止しやすくなるでしょう。

メリット2.キャッシュアウトとキャッシュインのギャップを解消できる

一般的に、売掛金が入金されるまでには30日〜60日ほどかかります。

売掛先の経営状況によっては、これ以上の期間、入金を待たなければならないこともあるでしょう。

しかし、入金を待っている間も従業員に対する毎月の給料、派遣社員に対する報酬、派遣スタッフの求人広告費や教育・研修費、オフィスの賃料などの固定費が発生します。

そのため、キャッシュアウト(固定費の支払い)とキャッシュイン(売掛金の回収)のギャップが生じてしまうのです。

ファクタリングを利用すれば、売掛金の入金日よりも前に資金調達ができるため、それを固定費の支払いに充てることができます。

キャッシュアウトとキャッシュインのギャップを解消できることから、資金繰りを安定させやすくなるでしょう。

メリット3.審査では派遣先の信用力が重視される

金融機関の融資では、審査対象が債務者となります。

そのため、人材派遣会社が金融機関から融資を受ける場合、債務者となる人材派遣会社の信用力が高くなければ資金調達はできません。

これに対し、ファクタリングの審査では売掛先、つまり派遣先が審査対象となります。

人材派遣会社の信用力はそれほど重視されないため、仮に経営状況が悪かったり税金を滞納していたりしても、スピーディーに資金調達ができるでしょう。

メリット4.環境の変化に耐えやすくなる

繰り返しになりますが、人材派遣会社の仕事量は季節や景気に左右されます。

そのため、人の動きが少ない季節や景気が悪いときは、なかなか仕事量が増えず、十分な売上も見込めなくなります。

キャッシュインが減少することにより、資金繰りが悪化する可能性があるのです。

ファクタリングを利用すれば、自社に支払われる予定の売掛金を前倒しで資金化できるため、季節や景気の影響で仕事量が減ったとしてもキャッシュインを安定させることができます。

メリット5.派遣先の倒産リスクはファクタリング会社が持つ

ファクタリングでは基本的に、償還請求権(取引先から売掛金を回収できなくなった際に、ファクタリング会社が依頼人に売掛金相当額の支払いを請求できる権利)なしの契約を締結します。

そのため、仮に派遣先が倒産し売掛金を回収できなくなったとしても、その責任はファクタリング会社が負うことになります。

人材派遣会社に売掛債権の売却代金を返還する義務はないため、リスクを回避しながら利用できます。

人材派遣業でファクタリングを利用するデメリット

人材派遣業でファクタリングを利用することには、デメリットもあります。

手数料が割高になることがある

ファクタリングの手数料の相場は、2者間ファクタリングが8%〜18%、3者間ファクタリングが2%〜9%です。

これに対し、金融機関の融資の手数料は2~6%が相場です。

このように、金融機関の融資に比べるとファクタリングの手数料は割高になることがあります。

ファクタリングの手数料については下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングの手数料ってどれくらい?種類別の相場と抑える方法をご紹介

取引先にファクタリングの利用を知られる場合がある

3者間ファクタリングでは、利用者とファクタリング会社、売掛先の3者で契約を締結します。

利用者は売掛先から承諾を得なければ契約を締結できないため、必然的に売掛先にファクタリングの利用を知られてしまいます。

これにより、売掛先に「経営状況が悪いのではないか」と不安を抱かせてしまう可能性があり、取引量を減らされたり取引自体がなくなったりする恐れがあります。

また、債権譲渡登記が必要な場合にも同様のことがいえます。

債権譲渡登記とは、債権を譲ったこと、および債権を譲り受けたこと証明をするための手続きです。

ファクタリングで債権譲渡登記を行った場合、利用者がファクタリング会社に売掛債権を売却したことが公的に明らかになります。

これにより売掛先にもファクタリングの利用を知られる可能性があるため、その後の取引に影響が及ぶことが考えられます。

調達可能金額は売掛債権の額面まで

ファクタリングは、売掛債権を早期資金化するサービスです。

そのため、調達できる資金は「売掛債権の額面まで」であり、実際には手数料が発生するため額面以下となります。

資金繰りを改善するためにファクタリングを利用したとしても、必ずしも必要分の資金調達ができるとは限りません。

人材派遣業におけるファクタリング利用シーン

BEST PERSONと書かれたアイコンをクリックする男性

人材派遣業では、主に以下のようなシーンでファクタリングを利用するのがおすすめです。

人材派遣業の認可取得条件をクリアしたい

冒頭で解説したとおり、人材派遣業を開業・継続するには一定の要件を満たさなければなりません。

資本金基準資産額を「2,000万円×事業所数」以上準備すること
預金現預金を「1,500万円×事業所数」以上保有すること
基準資産額基準資産額は負債総額の7分の1以上であること

現金に関しては上記の要件が設けられているため、もし資金繰りが厳しく要件を満たせないようなら、ファクタリングを利用して資金調達を図るとよいでしょう。

人材確保のために資金が必要

人材派遣業を営むには、派遣社員の存在が必要不可欠です。

仮に派遣社員が不足している場合、企業に人材を派遣することができず、売上を上げることができなくなります。

派遣社員を確保するには、求人広告を出すなど出費が必要になるため、このような状況でファクタリングを利用して資金調達をするとよいでしょう。

派遣先の倒産により貸し倒れが発生

もし派遣先が倒産し貸し倒れが発生した場合、売掛金を回収することができなくなります。

人材派遣会社は、このような場合でも従業員に対する毎月の給料や派遣社員に対する報酬、派遣スタッフの求人広告費などの固定費を支払わなければなりません。

こうしたケースにおいて、別の派遣先から回収する予定の売掛債権をファクタリング会社に売却し資金化すれば、突発的な損失をカバーしやすくなります。

社会保険料の支払いを行いたい

人材派遣業では社会保険料が高額になる傾向がありますが、資金繰りが悪化すると、社会保険料の支払いまで困難になることがあります。

しかし、社会保険料の納付は企業の義務であり、滞納すると催促を受け、会社の財産を差し押さえられてしまいます。

義務を果たし人材派遣業の経営を続けるためにも、社会保険料の支払いが困難なときはファクタリングを利用して、資金調達を図るとよいでしょう。

トラブルにより賠償責任を負った

人材派遣業では「派遣先の社員と揉めた」「派遣先で備品を壊してしまった」「遅刻・欠勤により派遣先に損害を与えた」など、派遣社員によるトラブルが発生することがあります。

場合によっては、派遣先から損害賠償を請求されることもあるでしょう。

このようなときファクタリングを利用すれば、まとまった資金を最短即日で調達できるため、不測の支出である損害賠償金にも即座に対応できます。

システム投資に資金が必要

人材派遣業では、近年ITを活用した人材管理・雇用マッチングが主流です。

そのため、システム開発への投資が重要視されており、これは競合他社との差別化にもつながります。

システム開発への投資には当然資金が必要になるため、その調達手段としてファクタリングを利用するのがおすすめです。

融資の審査に通らない

資金調達をするため金融機関の融資に申し込んだものの、審査に落ちてしまうことがあります。

その主な原因は、金融機関に「人材派遣会社の信用力に問題がある」と判断されてしまうことです。

ファクタリングの場合、審査対象は派遣先となるため、人材派遣会社の信用力はそれほど重視されません。

仮に経営状況が悪かったり税金を滞納していたりしても、資金調達ができるでしょう。


ファクタリングの具体的な活用イメージ

人材派遣業におけるファクタリングの具体的な活用イメージは以下のとおりです。

納税によって資金ショートのリスクが発生

固定費の支払いが一定して発生しているのに対し、派遣先からの支払いサイトが長い状況だと、資金繰りが悪化しやすくなります。

ここにさらに納税が重なると、資金ショートを起こしかねません。

このようなケースでファクタリングを利用すれば、売掛金の入金日前に売掛債権を資金化できるため、キャッシュアウトとキャッシュインのギャップによる資金ショートを防ぎやすくなります。

資金ショートについては下記コラムで詳しく解説しています。
資金ショートとは?すぐできる対策と会社の資金繰り改善方法を徹底解説!

人件費の支払いのほうが先にくるケース

売掛金が入金されるまでにかかる期間が30日〜60日ほどであるのに対し、従業員に対する給料の支払いは毎月25日、さらに派遣社員に週払い・日払いで報酬を支払っていたとします。

この場合、キャッシュフローが崩れて資金繰りが悪化しやすくなります。

ファクタリングを利用すれば、早期資金調達が可能になるため、人件費に充てる資金を確保できます。

これにより資金繰りの悪化を防ぎやすくなるでしょう。

割引手形とファクタリングの比較

約束手形とボールペン

資金調達を図る際には、ファクタリングのほか割引手形もよく利用されます。

割引手形とは

手形で約束された支払いは、手形に記された入金日より前に受け取ることはできません。

それでも、どうしても早急に現金が必要になることもあるでしょう。

このときに利用できるのが「割引手形」であり、入金日前の約束手形を金融機関に買い取ってもらい資金化することを指します。

割引手形については下記コラムで詳しく解説しています。
割引手形とは?メリット・デメリットやファクタリングとの違いを解説

割引手形を利用するメリット

割引手形を利用するメリットは、主に以下の3つです。

早期に資金調達ができる

約束手形の支払いサイトは長く、一般的に3ヶ月〜4ヶ月程度といわれています。

割引手形を利用すれば、入金日前に約束手形を資金化できるため、より早く資金調達をすることが可能です。

突発的な出費に対応できるようになるため、資金繰り悪化のリスクを軽減できるでしょう。

通常の融資と比べて審査に通りやすい

金融機関の融資では「借主(自社)の信用力」を重点的に審査します。

そのため、借主(自社)がたとえ大企業だとしても利益が出る見通しがなければ、融資を断られることがあります。

これに対し、割引手形では主に「振出人(売掛先)の信用力」を審査します。

約束手形の振出人(売掛先)は大企業であることが多く信用力が高いため、よりスムーズに資金調達できるでしょう。

手数料が低め

割引手形の手数料は、ビジネスローンをはじめとする高金利の融資よりも低いのが特徴です。

割引手形を利用した場合、約束手形(満額)から手数料を差し引いた金額を得ることになりますが、手数料が低めなので大きく差し引かれる心配はありません。

割引手形とファクタリングの比較

割引手形とファクタリングは、似て非なるサービスです。

対象となる債権

割引手形の対象となる債権は「約束手形」です。そのため、約束手形を保有しているときしか利用することができません。

一方でファクタリングの対象となる債権は「売掛債権」です。売掛金が発生するたびに利用することができます。

償還請求権があるかないか

割引手形には償還請求権があり、不渡りが起きた場合、受取人は手形を買い戻す必要があります。

一方でファクタリングには原則として償還請求権がありません。

仮に取引先から売掛金が支払われなかったり取引先が倒産したりしても、その責任はファクタリング会社が負うため、依頼人が費用を負担する必要はありません。

金利(手数料)

割引手形の手数料は、銀行なら1%~5%程度、割引手形業者なら5%~20%程度といわれています。

一方でファクタリングの手数料は、2者間ファクタリングの場合は8%〜18%、3者間ファクタリングの場合は2%~9%が目安です。

ファクタリングを利用する際のチェックポイント

バインダーに挟まれたチェックリスト

最後に、ファクタリングを利用する際のチェックポイントをご紹介します。

悪徳業者に注意

ファクタリング会社の中には、残念なことに悪徳業者も存在します。

手数料が相場とかけ離れていたり、契約書がなかったり詳細な説明を避けたりする場合は悪徳業者の可能性が高いため、利用を避けるようにしましょう。

資金化したい債権がファクタリングの対象になるかを確認

ファクタリングの対象となる債権は以下の5つです。

1.すでに提供している商品やサービスに関する債権(例外あり)
2.支払日が半年以内の債権
3.実在しており自社が保有している債権
4.ファクタリング会社が直接請求することができる債権
5.入金日が到来していない(支払いが遅延していない)債権

この5つに当てはまらない債権はファクタリングで資金化できないため、事前に確認しましょう。

十分な実績があるかを確認

十分な実績があるファクタリング会社かどうかも確認するとよいでしょう。

人材派遣業のファクタリング実績があると、より安心して利用できます。

相見積りで手数料を比較

ファクタリング会社の手数料が妥当かどうかは、ほかのファクタリング会社と比較することで確認できます。

そのため、相見積りで手数料を比べてみるとよいでしょう。

繰り返しにはなりますが、ファクタリングの手数料の目安は、2者間ファクタリングが8%〜18%、3者間ファクタリングが2%~9%です。

いつまでに資金化できるかを確認

ファクタリング会社によって、売掛債権を資金化するまでにかかる期間はさまざまです。ファクタリングで早急に資金調達をしたいのにもかかわらず、資金化に時間がかかるとなると本末転倒なので、いつまでに資金化できるかも必ず確認しましょう。

償還請求権の有無

ファクタリングでは基本的に償還請求権なしの契約を締結しますが、ファクタリング会社によっては償還請求権ありの契約になることもあります。

償還請求権ありの契約の場合、買取型ファクタリングではない別のサービスかもしれず、最悪の場合は悪徳業者である可能性も考えられます。そのため、償還請求権の有無も必ず確認しましょう。

償還請求権については下記コラムで詳しく解説しています。
償還請求権とは?ファクタリングに重要な“誰がリスクを負うか”

担当者の対応がいいかどうか

ファクタリングを利用するにあたって、ファクタリング会社の担当者とやり取りするシーンは多くあります。

このとき、もし担当者の態度や言葉遣いが悪かったり、デメリットや注意点を共有してくれなかったりする場合は、利用を避けるのが望ましいでしょう。

まとめ

労働派遣法改正に伴い、人材派遣業の開業・継続が許可制になったことで、現金に関するいくつかの要件を満たさなければならなくなりました。

これにより、人材派遣業ではこれまで以上に資金繰りが重要となり、仮に資金ショートが起きそうな場合は早急な改善が求められます。

このとき、役立つサービスが「ファクタリング」です。まとまった資金を早期調達できるため、資金繰りを安定させやすくなります。人材派遣業においてキャッシュフローが崩れそうなときは、ぜひ利用を検討してみてください。

日本中小企業金融サポート機構は、関東財務局長及び関東経済産業局長が認定する「経営革新等支援機関」に認定されたファクタリング会社です。

申し込みから契約までオンラインで完結するためスピーディーな手続きが可能なほか、振り込みまでの時間は最短3時間です。

17時までに契約が完了すれば当日中の振込も可能なので、早めに資金調達をしたい場合も利用しやすいでしょう。

ファクタリングを利用するにあたって必要な書類は、「通帳のコピー(表紙付き・直近3ヶ月分)」と「売掛金に関する資料(請求書、契約書など)」の2点です。

数が少ない上に比較的用意しやすいため、初めて利用する事業社様も気軽に申し込みいただけます。ぜひ利用をご検討ください。

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どんなリスクに備えられる?人材派遣業におけるファクタリング利用

【監修】日本中小企業金融サポート機構 編集局長

保有資格:FP2級

大学卒業後、地方銀行に勤務。主に企業向け融資を担当。その後、損害保険会社にて法人営業、外資系金融機関にて法人融資や人材育成を担当するなど、一貫して金融関連業務に従事。2019年一般社団法人日本中小企業金融サポート機構に入社し、これまでの金融の知識と法人営業の経験を活かし、多くの中小企業・零細企業をサポート。
プライベートでは3児の父の顔も持ち、犬・猫・亀も飼う大家族の大黒柱。

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