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医療ファクタリングとは?通常のファクタリングとの違い・メリット・注意点を解説

公開日
2025.04.14
更新日
2025.04.14
医療ファクタリングとは?通常のファクタリングとの違い・メリット・注意点を解説

診療報酬、介護報酬、調剤報酬を受け取っている事業者が利用できる資金調達手段が、「医療ファクタリング」です。

医療ファクタリングは通常のファクタリングと同じ仕組みで利用でき、かつ高い審査通過率を誇る資金調達手段となるため、資金繰り悪化時の有効な改善手段として活用できます。

今回は、医療ファクタリングのベースとなっているファクタリングの仕組み、医療ファクタリングの概要、メリット・デメリットについて解説します。

【注目】ファクタリングをお急ぎの方へ

ファクタリングは、売掛金を売却することで早期に現金を調達できる資金調達手段で、突発的な支払いや急な設備投資など、緊急の資金ニーズにも役立ちます。

数ある資金調達手段の中でも特にスピーディーな資金調達が可能で、最短即日での入金も可能となっています。

また、ファクタリングは会社の資産である売掛金を売却する仕組みから、借り入れと異なり、弁済の必要がなく信用情報への影響もありません。

当機構は、関東財務局長及び関東経済産業局長から「経営革新等支援機関」として認定されており、さまざまな事情に対応できるファクタリングサービスをご提供しています。

医療ファクタリングをご希望の際も、ぜひご相談ください。

そもそもファクタリングとはどんなサービス?

車いすの模型と財布と電卓

医療ファクタリングの仕組みやメリット、デメリットについて解説する前に、一般的なファクタリングの仕組みについて解説します。

売掛金を迅速に現金化するサービス

ファクタリングとは、売掛金をファクタリング会社に売却することで、本来の支払期日より前に現金化するサービスです。

ファクタリングは数ある資金調達手段の中でもとくに調達スピードが早く、条件を満たせば最短即日での調達も可能となります。

企業間の取引では、その月の取引分を後からまとめて支払う掛取引が一般的なため、納入企業は商品・サービスの納入後から現金を受け取るまでに一定の時間を要します。

納入~売掛金が振り込まれるまでの間、納入企業は売掛債権(売掛金)という権利を保持することになりますが、その売掛債権をファクタリング会社に譲渡することにより早期現金化を図るのがファクタリングです。

ファクタリングの中でも契約方法は2者間ファクタリングと3者間ファクタリングに分かれます。

2者間ファクタリングは利用者とファクタリング会社のみで契約を行う方式で、売掛先が契約に関与しないため、手続きがシンプルで3者間ファクタリングと比較すると素早く資金調達できる傾向にあるサービスです。

一方3者間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社に加えて売掛先も参加する契約方式です。

3者間の契約ではサービスの利用前に、利用者が売掛金の売却に関して売掛先から承諾を得る必要があります。

2者間ファクタリングよりは資金を調達するまでに時間がかかりますが、ファクタリング会社が売掛先に直接売掛金の存在を確認できることから、売掛金の未回収リスクが減り、手数料を抑えられるメリットがあります。

ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングとは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説【図解あり】

ファクタリングにより受けられるメリット

ファクタリングを利用することで、以下のようなメリットを受けられます。

最短即日での資金調達が可能となる

ファクタリングを利用する最大のメリットは最短即日で資金調達が可能な点です。

銀行の融資は一般的に申し込み~入金までに最短数週間、遅ければ数か月程度かかります。

しかし、ファクタリングは融資とは異なる審査基準を採用しているため、非常にスピーディーに資金を調達することが可能です。

入金スピードはファクタリング会社によって異なりますが、平均で数日程度、早ければ最短即日で入金してくれる会社もあります。

独自の柔軟な審査が行われる

ファクタリングを利用する際には必ず審査が行われますが、審査の対象となるのは主に売掛先の信用力です。

売掛先の信用力が重視される理由は、ファクタリングにおいて支払いを行うのは売掛先であり、売掛先の信用力が高いほどファクタリング会社にとって売掛金の未回収リスクが減るためです。

そのため融資ほど利用者の経営状況は重視されず、赤字の状態でも利用できる可能性があります。

売掛金の未回収リスクを回避できる

ファクタリングの契約後は、仮に売掛先が倒産するなどの理由で貸し倒れが発生しても、利用者がファクタリング会社から費用を請求されることはありません。

ファクタリングでは、原則貸し倒れが発生した場合に元の債権者まで遡って費用を請求できる償還請求権が「なし」の契約を締結します。

この契約により、利用者は売却した売掛金の未回収リスクを回避できます。

ファクタリング利用時の注意点

ファクタリング利用時には、以下の注意点についても留意しておく必要があります。

手数料の割合に注意

ファクタリングを利用する際は、売掛債権の額面から手数料が差し引かれます。

手数料は、2者間ファクタリングであれば8%~18%3者間ファクタリングであれば2%~9%が相場となります。

ファクタリング会社を選ぶ際は、各ファクタリング会社が設けている手数料の割合を確認し、極力低い手数料で契約できるところを選ぶ必要があります。

手数料については下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリング手数料はいくら?相場や内訳、費用を抑える方法を紹介!

3者間ファクタリングでは売掛先の承諾が必要

先述した通り3者間ファクタリングを選択する場合は、ファクタリング利用にあたり売掛先の承諾が必要となります。

そのため、仮に売掛先から承諾を得られない場合は売掛金を売却することができません。

また、ファクタリングを利用することで、資金繰りに苦しんでいるのではないかと売掛先に懸念され今後の取引に影響するリスクもあります。

こういったリスクを考慮する場合は、2者間ファクタリングを選択するのがおすすめです。

医療ファクタリングとは?

握手する医師と男性

医療ファクタリングとは、医療機関や介護事業者が診療報酬や介護報酬を早期に現金化するための資金調達手段です。

通常、診療報酬や介護報酬などは社会保険診療報酬支払基金(支払基金)や国民健康保険団体連合会(国保連合会)から後払いで支払われます。

報酬の支払いが後払いとなるのは、医療機関から提出される診療報酬明細書(レセプト)を審査し、申請通りで問題ないかを確認するためです。

診療報酬明細書(レセプト)とは、医療機関が患者や利用者に行った処置や処方の明細を記し、支払基金や国保連合会に医療報酬を請求するための書類です。

診療報酬明細書(レセプト)の審査のために、報酬の入金までには2か月~3か月ほどかかり、この期間に医療機関の資金繰りが悪化することがあります。

しかし、将来受け取る診療報酬や介護報酬をファクタリング会社に譲渡する医療ファクタリングを利用することで、本来の支払期日を待たずに現金化することができます。

基本的な仕組みは上記にてご紹介したファクタリングと同じですが、医療ファクタリングならではの特徴もありますので次の章で詳しく見ていきましょう。

医療ファクタリングと通常のファクタリングの違い

通常のファクタリングは、企業が売掛先に対する売掛金をファクタリング会社に売却して資金調達する仕組みですが、医療ファクタリングは、医療機関が国や自治体などの公的機関から受け取る診療報酬・介護報酬などを対象としています。

そのため、医療ファクタリングを利用する際は売掛先の信用力が高いと判断されるケースが多く、審査が比較的通りやすいのが特徴です。

また、通常のファクタリングであれば、売掛先は国の公的機関から大企業、中小企業、創業間もない企業などさまざまな事業主が対象となるため、ファクタリング会社は売掛先の信用力や支払能力を慎重に審査します。

一方、医療ファクタリングでは、売掛先が公的な業務を担う支払基金や国保連合会となり、貸し倒れを起こすリスクは極めて低いことから、ファクタリング会社が負う未回収リスクが低く、手数料が通常のファクタリングと比較し低くなる傾向にあります。

医療ファクタリングの種類

医療ファクタリングには、主に以下の3つの種類があります。

診療報酬ファクタリング

診療報酬ファクタリングは、病院・診療所・クリニックなど診療サービスを提供している医療機関を対象としたサービスです。

詳しい仕組みは次の項目で解説しますが、診療サービスを提供する医療機関は利用者から報酬の一部を得たうえで、残りの報酬は公的負担分の報酬を支払基金や国保連合会に請求することで、一般的に2か月~3か月後に受け取ることができます。

この間、現金が手元に入ってこない状態となるため、資金繰りが悪化する要因となります。

しかし、診療報酬ファクタリングを利用すれば迅速に現金化が可能となり、必要な支払いへの対応、設備投資、高額な医療器具の導入などに充てられるようになります。

診療報酬ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
診療報酬ファクタリングとは?概要からメリット・デメリットまで解説

介護報酬ファクタリング

介護報酬ファクタリングは、介護施設や福祉施設などが利用できるファクタリングサービスです。

基本的な内容は診療報酬ファクタリングと同様であり、支払基金や国保連合会から介護報酬が支払われるのを待たずに資金調達ができます。

介護報酬ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
介護報酬ファクタリングとは?メリット・デメリット・会社比較16選

調剤報酬ファクタリング

調剤報酬を受け取って運営している調剤薬局も、支払基金や国保連合会から報酬を受け取るまでは2か月~3か月ほどの期間を要します。

しかし、調剤報酬ファクタリングを利用することで、支払いまでの期間を短縮し、医薬品の購入や設備投資、人件費の支払いなどに充てることができます。

医療ファクタリングの仕組み

医療ファクタリングの仕組みは、通常のファクタリングの3者間ファクタリングと同じです。

(1)まずは、医療ファクタリングで資金調達をしたい利用者(医療機関)が、ファクタリング会社に申し込みを行います。

(2)次に、ファクタリング会社が売掛金(医療報酬債権)の審査を行います。売掛先である支払基金や国保連合会が貸し倒れを起こすリスクはほとんどないため、必要な書類の提出や手続きを行っていれば、審査に落ちるケースは少ないといえます。

(3)審査通過後契約内容を確認のうえ、契約を締結したら支払基金や国保連合会に対し、債権譲渡通知を行います。

(4)ファクタリング会社から利用者(医療機関)に、1回目の支払いとして約8割の売掛金を入金します。支払いを分割するのは、支払基金や国保連合会から支払われる医療報酬の正確な金額がまだ確定していないためです。

(5)支払基金や国保連合会は、利用者(医療機関)から送付された診療報酬明細書(レセプト)を審査し、問題なければ支払いを行います。医療ファクタリングでは債権譲渡通知を行い、3者間ファクタリングでの契約となっているため、支払いはファクタリング会社へ直接行われます。
 
(6)ファクタリング会社は、支払われた医療報酬から1回目の支払金額と手数料を差し引き、残りの金額を利用者(医療機関)へ入金します。

医療ファクタリングを利用するメリット

木の病院模型と「○」の札

医療ファクタリングを利用することで、以下のようなメリットが得られます。

支払サイト短縮により資金繰りが改善する

通常、医療報酬の支払いには2か月~3か月を要しますが、医療ファクタリングを利用すると即日~数日で現金化できます。

これにより、資金繰りが安定し、急な出費や仕入れの支払いに対応しやすくなります。

審査の難易度が非常に低い

ファクタリングは融資と異なり、利用者ではなく売掛先の信用力が重視される傾向にあります。

特に医療ファクタリングは、売掛先が公的機関であるため、ファクタリング会社が負う未回収リスクが軽減されるので、審査の難易度は非常に低くなっています。

売掛先に資金繰りの状況を懸念される心配がない

一般的な3者間ファクタリングでは、売掛先にファクタリングを利用の承諾を得るタイミングで「資金繰りがうまくいっておらず、危険な経営状況なのではないか」と懸念され、今後の取引に影響を及ぼす可能性があります。

一方医療ファクタリングでは、売掛先が公的機関であり、多くの事業者が利用していることからこの心配がありません。

開業直後でも利用できる

銀行融資は、一定の事業実績がなければ審査に通りにくい特徴がありますが、ファクタリングは審査の際に売掛先の信用力が重視される傾向にあるため開業直後でも問題なく利用できます。

とくに、初期投資が大きい医療機関においては、1年目から資金繰りを安定させる手段として医療ファクタリングが有効です。

負債が増えずにオフバランス化となる

ファクタリングは借り入れではなく、売掛金の早期売却による資金調達のため、貸借対照表(バランスシート)上の負債として計上されません。

これにより、財務状況を健全に保つことができます。

将来金融機関から融資を受ける際にも影響を及ぼしませんので、ファクタリングは安心して利用することが可能です。

手数料が低い

通常のファクタリングと比べ、医療ファクタリングは売掛先である支払基金や国保連合会の信用が非常に高いため、ファクタリング会社が負うリスクが低くなることから、手数料は非常に低く設定されています。

調達した現金の用途は自由

金融機関からの融資では、借り入れの用途が制限されることがありますが、医療ファクタリングで得た現金は自由に使うことができます。

例えば、人件費の支払い、新しい医療機器の購入、施設の改修など、必要な用途に柔軟に対応できます。

医療ファクタリングのデメリット・注意点

「MERIT」「DEMERIT」のチェックリスト

医療ファクタリングの利用時には、以下のデメリット・注意点についても把握しておきましょう。

手数料の支払いが必要

医療ファクタリングでは、通常のファクタリングと比べて低い手数料で資金調達ができますが、ゼロではありません。

そのため、手数料で差し引かれる分を計算し、手元に残る現金を正確に把握することが重要です。

入念な資金繰りの計画が必要

医療ファクタリングは資金繰りの改善手段として有効ですが、連続して利用すると手数料が引かれ続けることになります。

入念な資金繰りの改善計画を作成し、医療ファクタリングによりかえって資金繰りの状況が悪化しないよう注意が必要です。

調達できる現金には上限がある

医療ファクタリングで調達できる現金は、売掛金(医療報酬債権)の額面が上限であり、それ以上の金額は調達できません。

医療ファクタリングを取り扱う会社の選択肢が少ない

医療ファクタリングは現状、取り扱っているファクタリング会社が少なく、通常のファクタリングと比べて選択肢が少ない状況です。

まとめ

医療ファクタリングは審査の通過率も高く、利用することで本来の支払期日より前に資金調達が可能となります。

医療機関において、資金繰りの悪化に悩まされている場合は、ぜひ医療ファクタリングを検討してみてください。

当機構では、主に中小企業や個人事業主を対象に、資金繰りのご相談を受け付けています。

関東財務局長及び関東経済産業局長が認定する「経営革新等支援機関」であることから、当機構では専門的なアドバイスを行うことが可能です。

医療ファクタリングをはじめ、さまざまな資金調達手段から最適なご提案ができるため、ぜひ一度ご相談ください。

当機構のファクタリングサービスについて詳しくはこちらをご覧ください。

医療ファクタリングとは?通常のファクタリングとの違い・メリット・注意点を解説

【監修】日本中小企業金融サポート機構 編集局長

保有資格:FP2級

大学卒業後、地方銀行に勤務。主に企業向け融資を担当。その後、損害保険会社にて法人営業、外資系金融機関にて法人融資や人材育成を担当するなど、一貫して金融関連業務に従事。2019年一般社団法人日本中小企業金融サポート機構に入社し、これまでの金融の知識と法人営業の経験を活かし、多くの中小企業・零細企業をサポート。
プライベートでは3児の父の顔も持ち、犬・猫・亀も飼う大家族の大黒柱。

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