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【仕訳例付】ファクタリングの仕訳方法は?勘定科目や会計処理を分かりやすく解説

公開日
2022.12.22
更新日
2024.10.16
【仕訳例付】ファクタリングの仕訳方法は?勘定科目や会計処理を分かりやすく解説

ファクタリングとは、個人事業主や企業が持つ「売掛金」をファクタリング会社に売却し、売掛先(取引先)から支払われる期日よりも早く売掛金(売上債権)を資金化するサービスです。

メリットとしては、売掛金を早期に回収することができること、未入金状態が早期に解消されることなどがあります。

デメリットとしては手数料が発生するので当初の請求金額よりも手数料分を差し引いて入金されること、があげられます。


今回は、このファクタリングの仕訳や仕組み、勘定科目についてわかりやすく解説していきたいと思います。

ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングとは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説【図解あり】

【注目】ファクタリングの利用を検討中の方へ

ファクタリングは、売掛金を売却して資金化する資金調達です。

日本中小企業金融サポート機構はファクタリング業界では珍しく営利を目的としていない一般社団法人なので、手数料が1.5%~と低手数料を実現しました。

ファクタリングのご利用が初めてで不安な方も、専任のスタッフがサポートするので安心してご相談ください。

ご自身の会社がファクタリングでいくら資金調達ができるのか、無料で診断ができますのでぜひ下記よりお問い合わせください。

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ファクタリングの種類で会計処理が異なる

ファクタリングはもっている売掛金を早期に資金化するものですので、必ず売掛金を保有していることが前提となります。

売掛金については下記コラムで詳しく解説しています。
売掛金とは?処理の流れ・仕訳の例、売掛金を利用した資金調達までご紹介

またファクタリングの種類にはいくつか種類があります。

その中でも「買取型ファクタリング」と「保証型ファクタリング」というものが一般的です。

買取型ファクタリング

「買取型ファクタリング」とは、保有している売掛金をファクタリングサービスを行っている会社に売却し、手数料分を差し引いた残りをファクタリングサービス提供会社から受け取るサービスです。


この買取には2種類あり、利用者とファクタリング会社のみで契約する「2者間ファクタリング」と、利用者、ファクタリング会社、売掛金)との3者で行う「3者間ファクタリング」があります。

保証型ファクタリング

「保証型ファクタリング」とは、保有している売掛金が売掛先から入金されないなど万が一回収できなくなった場合に、保証限度内で保証してもらうサービスです。

損害保険の性質とも類似しています。

このファクタリングの会計処理は、買取型と保証型のどちらかを利用したかによって異なります。

ファクタリング利用時に用いる勘定科目

提案をする女性

ファクタリングを利用して資金調達をした際には以下の勘定項目で仕訳をします。

売掛金

売掛金とは、企業間で掛取引をしたときに発生する代金を将来的に受け取る権利のことです。

売掛金は流動資産の1つであるため貸借対照表では資産の勘定科目にあたります。

ファクタリングではこの売掛金を用いて資金調達を行います。

掛取引については下記コラムで詳しく解説しています。
掛取引とは?仕組みやメリット・デメリットについて解説!

未収入金

未収入金とは本業以外で発生した未回収の売り上げのことです。

未収入金も流動資産のため、貸借対照表では資産の勘定科目にあたります。

ファクタリングでは売掛金を売却して資金調達します。売掛金の売却代金は「本業以外の収入」となるため、契約から入金まで日数がある場合、契約後に仕訳を売掛金から未収入金に変えます。

なお、ファクタリング会社から入金されたら現金預金として仕訳します。

売上債権売却損

売上債権売却損とは債権譲渡などで発生した損失を仕訳する際の勘定科目です。

ファクタリングでは、買取型ファクタリング利用の際に発生する手数料が該当します。

支払手数料

支払手数料は支払手数料が発生した際に仕訳する勘定科目です。

ファクタリングにおいては、保証型ファクタリングで売掛金を問題なく回収できたときにファクタリング会社に支払う手数料が該当します。

貸倒損失

貸倒損失とは倒産などの理由で売掛先から売掛金を回収できなかった際に仕訳する勘定科目です。

ファクタリングにおいては、保証型ファクタリングで倒産などの理由で売掛先から売掛金を回収できなかった場合の損失が該当します。

雑収入

雑収入とは本業以外の収入で他の勘定科目で仕訳することができないものを仕訳する勘定科目です。

ファクタリングにおいては、保証型ファクタリングで売掛金が回収できなかった場合にファクタリング会社から受け取る保証金が該当します。

ファクタリング利用時の勘定科目と仕訳例

会議で発言をする男性

買取型であっても保証型であっても売掛金があることが大前提となります。

このため売掛金の発生時に、売上によって売掛金が資産となる場合、「(借方)売掛金/(貸方)売上」と仕訳をするのが一般的です。

買取型ファクタリング仕訳例

買取型ファクタリングは、自社で保有する売掛金を売却して、早期に資金を受け取るものです。

資金受け取り時は売掛金から手数料を差し引いた資金が振り込まれます。

このためこの取引によって負債が増えることはありません。

ファクタリングを利用する場合は保有する売掛金を未収入金に振り替える処理を行います。

例えば、100万円の売掛金で買取ファクタリングを契約した際には、以下のように仕訳します。

借方貸方
未収入金100万円売掛金100万円

その後、売掛金を売却して資金を受け取った場合、売掛金に対して資金を受け取ると手数料が発生しますが、この手数料は売上債権売却損と処理されることとなります。

未収入金はなくなり、現金預金が入金されます。

ここでは、手数料10%(10万円)としています。

借方貸方
現金預金90万円未収入金100万円
売上債権売却損10万円  

保証型ファクタリングの仕訳例

保証型ファクタリングを利用し無事に売掛金が支払われた場合、保証型ファクタリングを利用した後に売掛先が倒産し、売掛金が支払われなかった場合の2通りがあります。

売掛金が支払われた時は通常の入金処理と同様となります。

例えば、保証型ファクタリングの手数料が3%で、100万円の売掛金が支払われた場合には、以下のように仕訳します。

借方貸方
現金預金100万円売掛金100万円
支払手数料3万円現金預金3万円

売掛先が倒産した場合は貸倒損失の勘定科目を使います。

借方貸方
貸倒損失100万円売掛金100万円
現金預金100万円雑収入100万円

2者間ファクタリング利用時の仕訳

2者間ファクタリングと3者間ファクタリングを行ったときそれぞれに会計処理を解説します。

2者間ファクタリングを締結した際の仕訳

ファクタリング契約締結時は保有する売掛金を未収入金に振り替えます。

未収入金の振替を行う理由は、未収入金は厳密にいえば営業債権ではなく金融債権に分類されるためです。

ファクタリングは金融サービスであり、営業得意先ではありません。

このため売掛金ではなく未収入金に振り替えます。

例えば、100万円の売掛金で2者間ファクタリングを契約した際には、以下のように仕訳します。

借方貸方
未収入金100万円売掛金100万円

売掛金を売却し、ファクタリング会社から譲渡代金が入金された際の仕訳

ファクタリング契約締結後に売上売掛金に対して資金を受け取ると手数料が発生しますが、この手数料は売上債権売却損と処理されることとなります。

また未収入金はなくなり、現金預金が入金されます。

ここでは、手数料10%(10万円)としています。

借方貸方
現金預金90万円未収入金(※)100万円
売上債権売却損10万円  

(※)なお実務上、未収入金を認識せずに直接売掛金の金額を貸方に記録する場合もあります。

売掛先から売掛金が入金された際の仕訳

ファクタリングにより早期に資金回収はしたものの、以前請求書を発行した口座に売掛金が入金されます。

なぜならファクタリング利用者はファクタリングサービスを使ったことを売掛先に通知しないためです。

このため利用者はファクタリング会社の代行として売掛金を回収するため、売掛先からの売掛金の入金があった際には「預り金」の勘定科目を使用します。

後ほどファクタリング会社に送金します。

借方貸方
現金預金100万円預り金100万円

ファクタリング会社へ売掛金を支払った際の仕訳

売掛先から回収した売掛金をファクタリング会社に支払います。

この時、預かっていた現金預金をファクタリング会社に送金する、という会計処理を行います。

借方貸方
預り金100万円現金預金100万円

3者間ファクタリング利用時の仕訳

2者間ファクタリングの処理と基本的には同様となります。

3者間ファクタリングを締結した際の仕訳

2者間ファクタリング同様に、ファクタリング会社から資金が入金されるまでは「未収入金」で処理します。

例えば、100万円の売掛金で3者間ファクタリングを契約した際には、以下のように仕訳します。

借方貸方
未収入金100万円売掛金100万円

売掛金を売却し、ファクタリング会社から譲渡代金が入金された際の仕訳

2者間ファクタリング同様に、手数料を「売上債権売却損」で計上します。

ここでは、手数料10%(10万円)としています。

借方貸方
現金預金90万円未収入金100万円
売上債権売却損10万円  

3者間ファクタリングはファクタリング会社が売掛金を直接回収するため、仕訳はこれで終わりです。

ファクタリング仕訳をする際の注意点

ファクタリング取引は消費税の課税はない

消費税は財・サービスなどを移転したとき(具体的には販売したとき、仕入れを行ったとき)に発生します。

ファクタリングで売掛金を売却することは「金銭債権などの譲渡」にあたるため、非課税です。

なおファクタリング会社が売掛金の債権譲渡登記を行う費用には消費税がかかるため、支払い後の仕訳が必要となります。

資金入金までに決算期末をまたぐ場合でも売上に税金が課税される

消費税は財・サービスの移転に対して認識され、決済が行われたかどうかは関係ありません。

このためファクタリング契約時から資金の入金までに決算期末をまたいだ場合、仮に入金されていなくても課税されます。

資金調達にファクタリングを検討中の方へ

ファクタリングは、保有する売掛金をファクタリング会社に売却して早期資金化するサービスです。

当機構は、関東財務局長及び関東経済産業局長が認定する経営革新等支援機関として、金融知識に精通した専門のスタッフが全国の中小企業様の経営をサポートしております。

また、完全非対面で契約できる「オンライン契約」を導入しておりますので、新型コロナウイルスの影響で対面契約に不安を感じる方でも安心してご利用いただけます。

ファクタリングについて詳しく知りたい方、ご不安な点やご質問がある方はどうぞお気軽にお問い合わせください。

当機構のファクタリングサービスについて詳しくはこちらをご覧ください。

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【仕訳例付】ファクタリングの仕訳方法は?勘定科目や会計処理を分かりやすく解説

【監修】日本中小企業金融サポート機構 編集局長

保有資格:FP2級

大学卒業後、地方銀行に勤務。主に企業向け融資を担当。その後、損害保険会社にて法人営業、外資系金融機関にて法人融資や人材育成を担当するなど、一貫して金融関連業務に従事。2019年一般社団法人日本中小企業金融サポート機構に入社し、これまでの金融の知識と法人営業の経験を活かし、多くの中小企業・零細企業をサポート。
プライベートでは3児の父の顔も持ち、犬・猫・亀も飼う大家族の大黒柱。

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