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なぜ重要?キャッシュフロー計算書の見方を解説

公開日
2023.10.04
更新日
2024.02.20
なぜ重要?キャッシュフロー計算書の見方を解説

安定した経営を行うには、キャッシュフローを把握しておくことが欠かせません。もしキャッシュフローが悪化した場合、営業活動においては黒字でも手元に資金がなく、黒字倒産してしまう恐れがあります。

今回は、キャッシュフローを詳細に把握できる「キャッシュフロー計算書」についてご紹介します。キャッシュフロー計算書の見方やキャッシュフローが悪化したときにできる対策なども解説しているので、ぜひご参考にしてください。

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キャッシュフローについて

CASH FLOWと書かれたメモとペンと電卓

キャッシュフローとはお金の流れのことで、会社に入ってくるお金を「キャッシュイン」、会社から出るお金を「キャッシュアウト」といいます。
キャッシュフローは現金のみを扱うため、会社のお金の流れを把握することができます。

キャッシュフローについては下記コラムで詳しく解説しています。
経営を安定化し成長を促進する「キャッシュフロー」について

キャッシュフローを確認する目的

キャッシュフローを確認するのには以下の3つの目的があります。

資金ショートを予防する

資金ショートとは、手元の資金が不足して運転資金が足りない状態を指します。
商品やサービスを提供した後、売掛先からすぐに入金されるわけではありません。翌月、もしくは数か月先など売掛先によって入金のタイミングは異なりますが、その間に資金ショートが発生する可能性があります。

キャッシュフローを把握できていれば、資金ショートを予防することが可能です。これにより、「仕入れ先に支払えない」「税金を支払えない」などの事態を防ぐことができ、経営の安定化を図れます。

資金ショートについては下記コラムで詳しく解説しています。
資金ショートとは?やるべきこと・ショートの原因・普段の対策を徹底解説

金融機関など外部からの信用を増す

金融機関から融資を受ける場合は、弁済能力を確認するためキャッシュフローが健全かどうかをチェックされます。

会社がキャッシュフローを把握していれば、上述したように資金ショートを予防できるため資金繰りが悪化するリスクを低減することが可能です。つまり、キャッシュフローを把握することは、金融機関などの外部からの信用を増すことにつながります。

事業の拡大につなげる

事業を拡大するには、充分な資金の確保が必要です。
キャッシュフローを把握しておくことによって資金ショートを防げますし、金融機関などの外部からの信用力が増すため、資金を調達しやすくなります。

この理由により、キャッシュフローを把握することは事業の拡大につなげることができます。

中小企業や個人事業主も把握するべき?

上場企業はキャッシュフロー計算書の作成が義務付けられているためキャッシュフローを把握する必要がありますが、中小企業や個人事業主は義務付けられていません。

そのため、中小企業や個人事業主は必ずしもキャッシュフローを把握する必要はないのです。

しかし、キャッシュフローは資金の流れを把握して資金繰りを改善できることから経営に必要不可欠といえます。加えて、キャッシュフローを把握しておくことによって金融機関などの外部から融資を受けやすくなるでしょう。

これらの理由により、中小企業や個人事業主もキャッシュフローを把握しておくべきだといえます。

キャッシュフロー計算書とは

キャッシュフロー計算書とキーボード

計算書や貸借対照表では追うことができない資金の流れを、キャッシュフロー計算書で補うことができます。
キャッシュフロー計算書は、資金の変動を「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つに分けて記帳することにより増減理由を明確にできます。

キャッシュフロー計算書の項目

ここでは、上述した3つの区分と「フリーキャッシュフロー」の項目を解説します。

営業活動によるキャッシュフロー

営業活動によるキャッシュフローは、本来の営業活動によって発生した資金の出入りを表します。具体的には以下のようなケースが挙げられます。

・現金での売上取引(プラス)
・売掛金の入金(プラス)
・従業員への給与(マイナス)
・現金で支払った経費(マイナス)

営業活動によるキャッシュフローは、プラスが多いと経営がうまくいっていることを表します。反対にマイナスが多いと、本来の営業活動がうまくいっていなかったり売掛先からの売掛金の入金が遅れたりしている可能性が考えられるため、マイナス原因を把握して対策を講じることが大切です。

投資活動によるキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフローは、設備投資や資産運用などによって発生した資金の出入りを表します。具体的には以下のようなケースが挙げられます。

・有価証券や機械および装置などの有形固定資産を売却したことによる現金収入(プラス)
・貸付金の回収(プラス)
・有価証券の取得における現金支出(マイナス)
・有形固定資産の取得における現金支出(マイナス)

投資活動によるキャッシュフローでは、プラスだと有価証券や有形固定資産などを売却したことがわかり、マイナスだと固定資産などを購入したことがわかります。

将来的に収益を生み出す可能性があるため、マイナスだからといって健全な会社経営ができていないというわけではありません。
仮に投資活動によるキャッシュフローが悪い場合は、過剰に投資していないか見直すと良いでしょう。

財務活動によるキャッシュフロー

財務活動によるキャッシュフローは、資金調達に関する資金の出入りを表します。具体的には以下のようなケースが挙げられます。

・金融機関などからの融資による現金収入(プラス)
・株式や社債発行による現金収入(プラス)
・金融機関などから融資を受けた際の弁済(マイナス)
・配当金の支払い(マイナス)

金融機関などから融資を受けた場合は、手元に資金があるため財務活動によるキャッシュフローはプラスになります。財務活動によるキャッシュフローがマイナスになった場合は、弁済期に入っていると考えられます。

フリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローとは、会社が自由に使える資金のことです。「営業活動によるキャッシュフロー」から「投資活動によるキャッシュフロー」を差し引き、その数字がフリーキャッシュフローになります。

フリーキャッシュフローがプラスの場合は、その資金を事業の拡大のための費用に充てたり借入金の弁済に充てたりすることができます。

反対に、フリーキャッシュフローがマイナスの場合は、自由に使える資金がない状態です。その場合は、マイナスの原因を追求して改善しましょう。

キャッシュフロー計算書に見る会社の状態

キャッシュフロー計算書を見ることにより、会社がどのような状態にあるのか把握することができます。そこで以下では、8つのパターンをご紹介します。

健全型

健全型のキャッシュフロー計算書は以下のとおりです。

営業キャッシュフロー投資キャッシュフロー財務キャッシュフロー
プラスマイナスマイナス

本来の営業活動がうまくいっており、設備投資や借入金の弁済に資金を充てている状態です。経営が順調ということがわかるため、金融機関などからの信頼は高いといえるでしょう。

積極型

積極型のキャッシュフロー計算書は以下のとおりです。

営業キャッシュフロー投資キャッシュフロー財務キャッシュフロー
プラスマイナスプラス

投資活動によるキャッシュフローだけがマイナスなので、金融機関などからの借入で積極的に投資を行っていることがわかります。これにより、「成長のために資金を惜しまない積極的な会社」と金融機関などから判断されることがあります。

安定型

安定型のキャッシュフロー計算書は以下のとおりです。

営業キャッシュフロー投資キャッシュフロー財務キャッシュフロー
プラスプラスプラス

本来の営業活動で充分な資金があり、投資にはあまり積極的ではないことから安定型の企業といえます。

そのため、金融機関などからは安心されやすいタイプかもしれませんが、投資活動によるキャッシュフローもプラスということから「突発的に莫大な支出が発生するのか」と思われてしまう場合もあります。

救済型

救済型のキャッシュフロー計算書は以下のとおりです。

営業キャッシュフロー投資キャッシュフロー財務キャッシュフロー
マイナスプラスプラス

営業活動による収支がマイナスのため本業で稼げておらず、資産の売却や借入金で資金不足を補っていることがわかります。金融機関から融資を受けにくい可能性があります。

改善型

改善型のキャッシュフロー計算書は以下のとおりです。

営業キャッシュフロー投資キャッシュフロー財務キャッシュフロー
プラスプラスマイナス

本業の営業活動で得た収入を借入金の弁済に充てている状態ということがわかります。

勝負型

勝負型のキャッシュフロー計算書は以下のとおりです。

営業キャッシュフロー投資キャッシュフロー財務キャッシュフロー
マイナスマイナスプラス

営業活動の収支がマイナスのため本業で稼げてはいませんが、金融機関などから融資を受けて設備投資に資金を充てている状態です。

リストラ型

リストラ型のキャッシュフロー計算書は以下のとおりです。

営業キャッシュフロー投資キャッシュフロー財務キャッシュフロー
マイナスプラスマイナス

営業活動の収支がマイナスのため本業で稼げておらず、資産を売却して借入金の弁済に充てている状態です。

大幅見直し型

大幅見直し型のキャッシュフロー計算書は以下のとおりです。

営業キャッシュフロー投資キャッシュフロー財務キャッシュフロー
マイナスマイナスマイナス

全ての活動においてマイナスな状態なため、キャッシュフローの見直しが必要な会社ということがわかります。

財務三表の関係性

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書

財務三表とは、「キャッシュフロー計算書」「貸借対照表」「損益計算書」のことです。

キャッシュフロー計算書は、前述したように一定期間における資金の出入りを記帳する財務諸表です。貸借対照表と損益計算書の2つの決算書と比較することによって、さらに詳しく経営分析を行えます。

ここでは、キャッシュフローと貸借対照表、損益計算書との違いをご紹介します。

貸借対照表との違い

貸借対照表は、「資産」「負債」「純資産」の管理を目的として作成します。そのため、一時点で企業にどのくらいの資産があるのかを把握することができます。

これに対し、キャッシュフロー計算書は一定期間における現金の出入りを管理します。

キャッシュフロー計算書は、貸借対照表に記載されている期首と期末の現金預金の増減を説明する役割があります。

例えば、期首の貸借対照表の現金預金が1,000,000円、キャッシュフロー計算書のキャッシュインとキャッシュアウトを差し引いた金額が500,000円だった場合、キャッシュフロー計算書は以下のように記帳します。

資金増減額500,000円
期首の現金預金1,000,000円
期末の現金預金1,500,000円

期末の現金預金が1,500,000円ということがわかったので、期末の貸借対照表の現金預金にその金額を記帳します。キャッシュフロー計算書を見れば、期末の現金預金がなぜ1,500,000円なのかを説明することができるでしょう。

損益計算書との違い

損益計算書は「売上」「費用」「利益」で構成されており、一定期間の利益を算出する決算書です。

損益計算書では売掛金などの入金の有無にかかわらず会計期間中に生じた売上額や仕入額を記帳しますが、キャッシュフロー計算書では現金のみを扱うため売掛金の入金がなければ記帳しないという違いがあります。

損益計算書とキャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローは、密接に関係しています。

仮に損益計算書で利益が出ているのに、営業活動によるキャッシュフローがマイナスの場合は「売掛金の入金が遅れている」「在庫が溜まっている」などの事態が考えられます。

キャッシュフロー計算書は損益計算書で追うことができない現金の流れを補うことができるため、安定した経営を行うためにもそれぞれの決算書の数字を比較することが重要といえます。

直接法と間接法

キャッシュフロー計算書の「営業活動によるキャッシュフロー」の記帳方法には、直接法と間接法の2種類があります。

直接法

直接法は、主要な取引を総額で記帳する方法です。例えば、商品を販売して得た金額と仕入れの際に支払った金額を相殺せず、どちらも記帳します。そうすることで、資金の流れがより詳しく把握することができます。

間接法

間接法は、損益計算書の情報をもとに営業活動によるキャッシュフローを計算する方法です。キャッシュフロー計算書に減価償却費や売掛金なども記帳し、税引前当期純利益の金額から足したり引いたりして営業活動によるキャッシュフローを求めます。

損益計算書の情報をもとに記帳するため、作成に手間がかからないのが魅力です。

キャッシュフロー計算書の具体的な見方

指を指す女性

ここでは、キャッシュフロー計算書の項目を直接法と間接法に分けてご紹介します。

直接法の項目

直接法の項目は以下のとおりです。

・商品の販売収入                                 
・商品の仕入支出
・人件費の支出
・経費の支払いによる支出

商品の販売収入から各支出を差し引いて小計を出します。その後、法人税等の支払額を差し引いた金額が営業活動によるキャッシュフローとなります。

間接法の項目

間接法の項目は以下のとおりです。

・税引前当期純利益
・減価償却費
・貸倒引当金の増加額
・受取利息及び受取配当金
・支払利息
・有形固定資産売却益                                 
・売上債権の増加額
・棚卸資産の減少額
・仕入債務の減少額

売掛金や棚卸資産などは、損益計算書の期末残高から期首残高を差し引いた金額を記帳します。仮に期末残高が300,000円、期首残高が260,000円だったとします。

この場合は差額が40,000円になり、資産の増加になるためキャッシュフロー計算書にはマイナス40,000円と記帳します。

なお、直接法と間接法ではキャッシュフローの増減額を導き出す過程が異なるだけで、最終的な合計額はどちらも一致します。

キャッシュフローが悪化したときにできる対策

指を指す男性

キャッシュフローが悪化した場合は、以下の対策をぜひご参考にしてください。

資金繰り表の作成

資金繰り表とは、会社の収入と支出をまとめた表のことです。資金繰り表を作成することにより、現在のキャッシュフローを把握しやすくなります。

仮にキャッシュフローが悪化したときもすぐに気づくことができるため、すぐに対策ができるでしょう。

遊休資産・固定資産の処分

不要な遊休資産・固定資産があれば、売却して資金を調達するのも一案です。遊休資産・固定資産を売却する場合は購入時よりも金額が下がるので「もったいない」と思う方もいるかもしれませんが、維持するにもコストがかかります。

そのため、不要であれば売却して得た費用を借入金の弁済に充てると良いでしょう。そうすれば、利息を減らせる場合もあり弁済計画に余裕を持たせることができます。

在庫を最適化

キャッシュフローの改善には、在庫を最適化するのも有効です。例えば商品の在庫を多く抱えている場合、維持費や管理費などのコストが発生します。

加えて、商品によっては品質が低下し価値も下がってしまう可能性があります。そのため、在庫がたくさん余っている状態であれば、積極的に処分しましょう。

ただし、在庫を処分しすぎると今度は在庫不足に陥ってしまう可能性があるので、どれくらい処分すべきかを考えた上で手放すことが大切です。

経費の削減

無駄な経費を削減することによって支出を減らせるため、キャッシュフローの改善につながります。

ただし、経費の削減は慎重に行うことが大切です。なぜなら、削減する経費によっては従業員が働きにくくなってしまう可能性があるからです。

例えば、電気代を削減しようと夏場のエアコンの設定温度を高くすると、暑くて仕事に集中できなくなってしまう可能性があります。

そうなると業務効率が低下し、結果的に従業員が残業しなければならない事態に陥ってしまうことも考えられます。

そのような事態を防ぐためにも、まずは従業員に経費削減の意義や効果について説明し、そのうえで従業員から不満が出ない範囲の経費を削減していくのがおすすめです。

融資

キャッシュフローの改善には、追加で融資を受けることも有効です。
ただし、キャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローがマイナスの場合は、審査が通りにくい可能性があります。

もし営業活動によるキャッシュフローがマイナスで融資が受けられるか心配な場合は、中小企業を支援している「日本政策金融公庫」「自治体の制度融資」などを利用すると良いでしょう。

売掛金を回収

未回収の売掛金がある場合は、売掛先に交渉して早めに入金してもらうことでキャッシュフローの改善につながります。

ただし、本来の入金日よりも早めに売掛金を入金してもらう場合は、売掛先に不安を与えないことが大切です。

なぜなら、売掛金の入金を催促することによって「経営状況が良くないのか」「このまま取引を続けても問題ないか」など、今後の取引にも影響を及ぼす可能性があるからです。

一方で、売掛先の都合によって売掛金の入金が遅れている場合は、入金日を把握して早めに催促するようにしましょう。

ファクタリングの利用

キャッシュフローの改善には、ファクタリングの利用もおすすめです。

ファクタリングとは、会社が保有する売掛金をファクタリング会社に売却して資金を調達できる金融サービスです。

売掛先から売掛金を入金してもらう前に資金化できるため、キャッシュフローの改善に役立ちます。金融機関に比べて審査にも通りやすいため、「追加で融資が受けられるか心配」という方も安心して利用できます。

ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングとは?仕組みなどをわかりやすく解説【図解あり】

まとめ

上場企業の場合はキャッシュフロー計算書の作成が義務付けられていますが、中小企業や個人事業主は義務付けられていません。

しかし、キャッシュフローを把握していないと資金ショートを起こしてしまう恐れがあるため、キャッシュフロー計算書を作成することをおすすめします。

もしキャッシュフローを改善したい場合は、資金繰り表を作成したり経費を削減したりすると良いでしょう。

また、ファクタリングサービスを利用するのも一案です。

一般社団法人日本中小企業金融サポート機構のファクタリングサービスは、最短3時間で売掛金を資金化できます。

当機構は一般社団法人であること、また関東財務局長及び関東経済産業局長が認定する経営革新等支援機関に認定されていることから、安全性や信頼性も充分です。資金繰りでお悩みの方は、ぜひ1度ご相談ください。

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なぜ重要?キャッシュフロー計算書の見方を解説

【監修】日本中小企業金融サポート機構 編集局長

保有資格:FP2級

大学卒業後、地方銀行に勤務。主に企業向け融資を担当。その後、損害保険会社にて法人営業、外資系金融機関にて法人融資や人材育成を担当するなど、一貫して金融関連業務に従事。2019年一般社団法人日本中小企業金融サポート機構に入社し、これまでの金融の知識と法人営業の経験を活かし、多くの中小企業・零細企業をサポート。
プライベートでは3児の父の顔も持ち、犬・猫・亀も飼う大家族の大黒柱。

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