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利益がプラスにもかかわらず、支払いができないため倒産にいたる。このような状況のことを黒字倒産といいます。損益計算書には取引発生日時点での収益が記載されているため、実際の入金日は数か月後ということがあるのです。
キャッシュフロー計算書は、手元の現金預金を把握する目的で作成します。そのため計算書の見方や分析方法を知っておけば、黒字倒産が防げるでしょう。
今回は、キャッシュフロー分析で見るべきポイントや、企業の状態を確認する方法について解説します。
[cta]キャッシュフロー計算書とは、企業の現金・預金の流れを計算する書類です。英語では「Cash Flow Statement」というため、略してC/Sとも呼ばれています。
キャッシュフロー計算書を作成することで、財務諸表などからは見えてこない現金の動きや、経営の実態が反映されます。
キャッシュフロー計算書を作成する目的は、現金の流れを正確に把握するためです。現金の有無を把握しておかないと、利益があったとしても支払いができずに倒産にいたる「黒字倒産」もあり得るからです。
多くの企業では、売上の発生日と実際の入金日にはラグがあります。仮に月末締めの翌月末払いとなっていても、支払い方法が手形払いの場合は、実際に売上が入金されるまでに4か月程度かかる場合もあります。
現金の入金日や支払日、手元に残っている現金が把握できていないと、仕入代金などが払えず、信用を失い倒産にいたってしまうこともあるのです。
キャッシュフロー計算書について下記コラムで詳しく解説しています。
なぜ重要?キャッシュフロー計算書の見方を解説
キャッシュフローを把握するメリットには、以下のようなものがあります。
・資金ショートによる黒字倒産を防げる
・自社の経営状況が客観視できる
・金融機関や投資家からの信用力が得られる
金融商品取引法が適用されない中小企業や個人事業主は、キャッシュフロー計算書を作成する義務はありません。しかし作成しておくことにより、第三者へ自社の経営状況が伝えやすくなることから、融資または出資が受けやすくなります。
またキャッシュフローを把握しておけば、自社の資金繰りの状況が俯瞰できるため、今後の経営計画も策定しやすくなるでしょう。
キャッシュフロー計算書は、損益計算書と貸借対照表とあわせて「財務三表」と呼ばれており、企業の財務状況や経営状況を報告するために重要な役割を果たしています。
それぞれの役割は以下のとおりです。
財務三表 | 貸借対照表 (B/S) | 損益計算書 (P/L) | キャッシュフロー 計算書(C/S) |
作成の目的 | 資産と負債の把握 | 収益と費用の管理 | 現金残高の把握 |
わかること | 財産の状態 | 経営成績 | 現金の動き |
記載項目 | ・資産 ・負債 ・純資産 | ・収益 ・費用 ・利益 | ・期首の残高 ・期中の増減額 ・期末の残高 |
キャッシュフロー計算書の「営業活動」は、損益計算書にも記載されています。損益計算書とは、特定の期間における企業の経営成績を表すために作成するものです。
収益と費用が記載されているため、利益を獲得するまでの過程がわかります。ただし損益計算書では発生主義が採用されるため、現金の動きに関係なく取引のあった時点で収益等が計上されます。
キャッシュフロー計算書の「財務活動」と「投資活動」は、貸借対照表にも記載されています。貸借対照表とは、企業が保有している財産を把握するために作成するものです。
負債の部には金融機関から調達した借入金が、純資産の部には、株式の発行により調達した資金や利益などが記載されています。また資産の部では、調達した資金をどのように使っているのかが記載されています。
キャッシュフロー分析では、以下の3つの活動に区分して現金の動きを確認します。
・営業活動によるキャッシュフロー
・投資活動によるキャッシュフロー
・財務活動によるキャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローとは、企業の営業活動により流入・流出した現金の増減を示すものです。
具体的には、以下のようなものが対象となります。
・商品やサービスの現金による売上収入(+)
・現金での仕入取引(−)
・売掛金を現金で回収した場合(+)
・買掛金を現金で支払った場合(−)
・人件費や経費を現金で支払った場合(−)
営業活動のキャッシュフローは、3つの活動のなかで最も重要な指標です。ここでは本業からの現金での収入・支出を表しており、財務的に健全な企業は営業活動のキャッシュフローがプラスになっています。
マイナスの場合は経営が上手くいっていない状況のため、早急に資金繰りを改善する必要があります。
投資活動のキャッシュフローとは、企業の投資活動により流入・流出した現金の増減を示すものです。
具体的には、以下のようなものが対象となります。
・有形固定資産の購入による支出(−)
・有価証券の売却による収入(+)
・他社への現金貸付による支出(−)
投資活動のキャッシュフローでは、指標がマイナスになっていても問題ありません。投資活動のキャッシュフローがマイナスの企業は、事業拡大のステージにあるからです。
多くのベンチャー企業では積極的に設備投資を行っているため、指標がマイナスになっています。むしろ指標がプラスの場合は、投資活動に積極的でない企業といえるため、事業の縮小を検討している可能性があります。
財務活動のキャッシュフローでは、株式や借入金による資金の調達や返済の状況が記載されています。
具体的には、以下のようなものが対象となります。
・金融機関からの借入れにより現金を調達した(+)
・金融機関への返済(−)
・株式発行により現金を調達した(+)
・株主への配当金の支払い(−)
金融機関からの借入金などを貸借対照表に記載する場合は、「借入金」として負債の部に計上します。しかし財務活動のキャッシュフローでは、借入金もプラスとして記載します。
キャッシュフローに記載する項目は、あくまで現金の増減であるため、増加した理由は問わずにプラスとして記載するのです。
財務活動のキャッシュフローは、事業拡大を目指している場合にプラスになる傾向があります。企業が上場するような場合、投資家や金融機関から積極的に資金調達を行うためです。
一方でこの指標がマイナスの企業は、調達した資金を返済にまわしているため、経営が安定していることがわかります。
キャッシュフロー計算書の3つの活動を見ることで、企業がどのステージにいるかをある程度把握できます。ここからは代表的な4つのケースを紹介していきます。
企業が安定しているケースでは、以下のようになります。
・営業活動によるキャッシュフロー(+)
・投資活動によるキャッシュフロー(−)
・財務活動によるキャッシュフロー(−)
安定しているケースは、企業の理想の姿といえます。本業で得た資金を設備投資や借入金の返済にまわせているため、健全な経営状況であることがわかります。
企業が成長ステージのケースでは、以下のようになります。
・営業活動によるキャッシュフロー(+)
・投資活動によるキャッシュフロー(−)
・財務活動によるキャッシュフロー(+)
事業拡大を目指している企業では、積極的に投資を行います。本業で得た資金を投資にまわしているほか、足りない分は金融機関などから調達して賄っています。
事業再構築中のケースでは、以下のようになります。
・営業活動によるキャッシュフロー(+)
・投資活動によるキャッシュフロー(+)
・財務活動によるキャッシュフロー(−)
投資活動によるキャッシュフローがプラスになっている企業は、事業の再構築中であると考えられます。本業で得た資金では足りない部分を、土地や建物などの固定資産を売却して、借入金の返済にまわしていることが想定されるからです。
投資活動が行われていないことから、事業拡大を目指していないこともわかります。
企業活動に支障があるケースでは、以下のようになります。
・営業活動によるキャッシュフロー(−)
・投資活動によるキャッシュフロー(+)
・財務活動によるキャッシュフロー(−)
営業活動によるキャッシュフローがマイナスのため、本業で赤字が生じていることがわかります。さらに財務活動によるキャッシュフローもマイナスなため、土地や建物などの固定資産を売却して、どうにか借入金の返済などにまわしていると想定されます。
キャッシュフロー計算書を作成することで、現金預金の状況が把握できるようになります。黒字倒産を防ぐためには、代金をできるだけ早く受け取り、支払いは遅くしてもらうように意識するとよいでしょう。
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