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ミスをどう防ぐ?売掛金の消し込み作業の仕訳方法・注意点を解説

公開日
2024.01.09
更新日
2024.01.16
ミスをどう防ぐ?売掛金の消し込み作業の仕訳方法・注意点を解説

経理業務のなかで重要性が高い業務に「売掛金の消し込み作業」があります。

消し込み作業はミスが起こりやすく、ミスに気付けないと売掛先からの信用を失ったり自社の売上情報を正確に把握できなくなったりします。

そのような事態を防ぐためにも、ミスを防ぐための対策を講じることが大切です。

そこで今回は、売掛金の消し込みの概要をはじめ、消し込みの基本的なフローや注意点などをご紹介します。

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売掛金の消し込みとは

紙を見ながらパソコンにキーボードで打ち込むスーツを着た人

売掛金の消し込みとは、商品やサービスの取引を行った際に生じる売掛金の入金が確認できたら、入金済みとして消す作業のことです。

消し込みを行わないと、「売掛先から売掛金が入金されていない」と判断してしまいますし、入金額に間違いがあった際に気付けなくなってしまいます。

そのため、消し込み作業は請求業務のなかでも非常に重要です。

売掛金・買掛金とは

売掛金とは、商品やサービスを提供した対価として将来受け取る売上金のことです。

商取引では、その都度代金の授受を行うのではなく、決めた期日に一定期間分の代金をまとめて支払ってもらいます。

買掛金とは、商品やサービスを提供してもらい、代金をまだ支払っていない場合に使用する勘定科目です。

売掛金の場合は「受け取る代金」ですが、買掛金の場合は「支払う代金」となるため、混同しないように気をつけましょう。

売掛金については下記コラムで詳しく解説しています。
売掛金とは?処理の流れ・仕訳の例、売掛金を利用した資金調達までご紹介

帳簿の仕訳における基本

帳簿の仕訳は、企業が経済活動を記録し、適切に会計処理を行うために必要な作業です。

そのため、帳簿の仕訳における基本を押さえておきましょう。

仕訳を行う際は、「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」の2つに分けて記載します。

借方には資産の増加や発生した費用を、貸方には負債や発生した収益を記載していきます。

借方貸方
資産増加減少
費用増加減少
純資産減少増加
収益減少増加
負債減少増加

仕訳において、借方と貸方は等しくなければなりません。

そのため、借方と貸方の金額は同じになることが原則です。

消し込み作業の概要

消し込み作業には、「入金消込」と「支払消込」があります。

入金消込は、売掛先から売掛金が入金された場合に行う消し込み作業です。

請求額と入金額に相違がないかを確認し、借方にあった売掛金を貸方に仕訳します。

支払消込は、買掛金として帳簿に記載したデータを消す作業です。

請求額と自社が入金した金額に相違がないかを確認し、貸方にあった買掛金を借方に仕訳します。

消し込み作業を行うことで、売掛先からの売掛金の入金漏れや自社の入金忘れなどを防ぐことができます。

売掛金の消し込みを行う基本的なフロー

ノートパソコンを手に持ったビジネスウーマン

ここでは、売掛金の消し込みを行う基本的なフローをご紹介します。

注文から入金まで

売掛金が発生したら振替伝票に仕訳を記載し、売掛金元帳に転記します。

売上金が500,000円だった場合の記載方法は以下になります。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
売掛金500,000円売上高500,000円

売掛先から売掛金が入金されたら、請求額と入金額に相違がないかを確認しましょう。

相違がなければ、以下のように消し込み作業を行います。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
預金500,000円売掛金500,000円

消費税の差額が発生しているケース

請求額と入金額に1円〜10円程度のわずかな相違がある場合は、消費税の差額が原因と考えられます。

取引ごとに消費税を算出するのか、複数の取引をまとめた上で消費税を算出するのかによって誤差が生じることがあります。

さらに、消費税の端数処理は「1円未満の消費税は切り上げるのか」「1円未満は切り捨てるのか」「四捨五入するのか」のいずれかを会社側が選択することが可能です。

この端数処理により、誤差が生じることもあります。

消費税の差額が発生している場合は、「仮受消費税」の勘定科目を用いて処理しましょう。

仕訳例は以下になります。

【入金が少ない場合】

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
預金499,995円売掛金500,000円
仮受消費税5円

【入金が多い場合】

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
預金500,005円売掛金500,000円
仮受消費税5円

振込手数料が差し引かれているケース

振込手数料は、原則「振込側」が負担します。

しかし、自社と売掛先の認識の相違により、振込手数料が差し引かれて入金される場合もあるでしょう。

その場合は、以下のように仕訳を行います。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
預金499,500円売掛金500,000円
振込手数料500円

なお、振込手数料を間違って差し引かれないようにするためにも、請求書に明記しておくのがおすすめです。

金額が合わないケース

売掛先から売掛金が入金されたら、請求額と入金額に相違がないか確認しますが、金額が全く合わないケースが出てくることがあるかもしれません。

その場合、売掛先に連絡をして原因を突き止める必要がありますが、時間がかかるかもしれないため先に処理しておくと良いでしょう。

売掛金が500,000円に対し、400,000円の入金だった場合の仕訳方法は以下になります。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
預金400,000円売掛金400,000円

売掛先から売掛金の残り100,000円が入金された場合の仕訳方法は以下になります。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
預金100,000円売掛金100,000円

仕訳方法は、全額入金してもらった場合と同じです。

ただし、売掛金の一部だけ入金された場合は何の代金なのかわからなくなってしまう可能性があるため、詳細も記載するようにしましょう。

なお、売掛金以外で「何の代金なのかわからない」という場合は仮受金の勘定科目を用いて処理します。

消し込み作業で注意しなければならない点

消し込み作業では、以下の点に注意が必要です。

売掛先からの入金額に注意

消し込み作業を行う際は、売掛先からの入金額が請求額と相違がないかを確認することが大切です。

相違がある場合は、すぐに売掛先に連絡しましょう。

売掛先との取引内容の差に注意

企業によっては、1社に対して複数の案件を取引することがあるかもしれません。

入金の際に「複数の案件をまとめて一括で入金してもらうのか」「案件ごとに分けて入金してもらうのか」を決めておかないと、消し込み作業でミスが起こる可能性があります。

この他、複数の売掛先がある場合は売掛先ごとに入金日や入金方法が異なります。

売掛先に合わせて、柔軟な対応が必要です。

口座名義と取引内容の突き合わせに注意

売掛先によっては、請求書の企業名と口座名義が異なる場合があります。

どの売掛先かを把握しないまま消し込み作業を行うと漏れやミスにつながる可能性があるため、事前に口座名義を確認しておくことが大切です。

二重請求に注意

消し込み作業を行わなかった場合、売掛先から入金されているのにもかかわらず、再度入金を催促してしまう恐れがあります。

二重請求は売掛先に不信感を与えてしまうだけでなく、自社の売上情報も正確に把握できなくなってしまいます。

そのため、消し込み作業は確実に行うようにしましょう。

銀行振込特有の問題に注意

銀行振込の場合、自分で金額を入力して入金します。

このとき、数字の押し間違いがあると請求額と入金額が異なってしまいます。

売掛先が気付かない場合があるため、入金が確認できたら請求額と照らし合わせてから消し込み作業を行うようにしましょう。

売掛金の未回収リスクに注意

入金予定日になっても、売掛先から売掛金が入金されないケースもあります。

その場合は、まず請求日が間違っていないか確認しましょう。

入金遅れが発生する原因には、「請求書を紛失した」「入金日を間違って認識していた」などがありますが、経営状態が悪く入金できないケースもあります。

そのため、売掛金の未回収リスクにも注意が必要です。

売掛先からの入金遅れは自社のキャッシュフローに大きな影響をもたらすため、「この日までに確実に代金を入金してほしい」という場合は、ファクタリングサービスを利用するのも一案です。

ファクタリングサービスを利用すれば、売掛先から入金されるよりも早く資金を調達することができます。

これにより、キャッシュフローを改善できるだけでなく、売掛金の未回収リスクに備えることも可能です。

ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングとは?仕組みなどをわかりやすく解説【図解あり】

2者間ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
2者間ファクタリングとは?3者間ファクタリングとの違いとメリット・デメリット

3者間ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
3者間ファクタリングとは?メリット・デメリットと利用が好ましいケースを解説

売掛金の消し込み作業における課題

ノートパソコンを前に肘をついて考える女性

売掛金の消し込み作業における課題は以下になります。

単純にミスが発生しやすい

消し込み作業は煩雑な業務により、ミスが発生することがあります。

上述したように、売掛先からの入金額が請求額と合っていなかったり、請求書の企業名と口座名義が異なっていたりすると、消し込み作業においてミスが発生しやすくなるでしょう。

この他、翌月度に繰り越して請求する場合は消し込み作業がより複雑になるため、ミスが起こる可能性があります。

個別対応のケースが多い

売掛先が増えてくると、売掛先ごとに個別で対応しなければならないため時間がかかります。

特に、入金予定日に売掛先から入金されなかったり、売掛先からの入金額が請求額と合っていなかったりすると、一つひとつ確認して対応しなければならないので、余計に時間がかかってしまうでしょう。

この結果、消し込み作業が遅れてしまい月次の決算の締めも遅れてしまう可能性があります。

属人化しやすい・経理への負担が大きい

消し込み作業は属人化しやすく、経理への負担が大きくなるのも課題といえます。

消し込み作業は、「正確性」「スピーディーな対応」の2点が求められます。

そのため、特定の人に任せがちになり、属人化しやすくなってしまうのです。取引が増えれば増えるほど、経理への負担が大きくなるでしょう。

作業のルーティーン化が難しい

売掛先によって売掛金の入金日が異なるため、「毎月◯日に消し込み作業をする」というルーティーン化が難しくなります。

臨機応変に対応しなければならないことも、消し込み作業における課題といえるでしょう。

Excelを使った売掛金消し込みはアリか?

キーボードでパソコンを操作する女性

経理の負担を軽減するため、Excelを使用するのも一案です。

以下では、Excelを使って売掛金の消し込み作業を行う際のポイントとデメリットをご紹介します。

Excelで売掛金消し込みを行う際のポイント

Excelで売掛金の消し込みを行う際のポイントは以下になります。

必要な項目を記入できる表を作成

まずは、必要な項目を記入できる表の作成が必要です。

通帳に記載されている「売掛先の企業名」「入金名義」「入金期限」「入金日」「入金額」などの情報をExcelに記録しましょう。

売掛金と入金の突き合わせ

Excelに必要な項目を記入したら、売掛金と入金の突き合わせを行います。

この作業を行うことで、売掛先が売掛金の入金期限に入金しているのか、入金額に相違がないかを確認できます。

なお、売掛金と入金の突き合わせを行う際は、入金管理表が必要です。

関数やフィルタ機能を活用

売掛金と入金の突き合わせをスムーズに行うため、関数やフィルタ機能を活用しましょう。

主に使用する関数は、複数の条件を設定してカウントできる「COUNTIFS関数」、売掛先を突き合わせる「VLOOKUP関数」、複数の条件に当てはまるデータの合計を出せる「SUMIFS関数」の3つです。

この他、エクセルではフィルタ機能を使用することができます。

売掛先の企業名で絞り込めるため、見やすい状態で消し込み作業を行うことが可能です。

Excelで消し込みを行うデメリット

Excelを使用すれば売掛金の消し込み作業が楽になりますが、一方で使用するデメリットもあります。

入力・登録の手間が発生する

消し込み作業を行うにあたって、Excelに必要な情報を入力・登録する手間が発生します。

入力・登録する量が多くなると、その分手間がかかるでしょう。

目視でのチェックが必要となる

Excelに必要な情報を入力・登録しても、消し込み作業を行う際は目視でのチェックが必要です。

売掛先の企業名や請求額と売掛金の入金額が合致しているかどうかを、請求書と照らし合わせてチェックしましょう。

全ての情報が合致していれば消し込み作業がスムーズに完了しますが、誤差があるとExcelに入力・登録した情報が間違っていないか、売掛先側のミスがないかの確認が必要です。

これらを全て目視でチェックしないといけないため、手間がかかってしまいます。

管理表作成のノウハウが必要となる

管理表を作成するにあたって、ノウハウが必要となります。

スキルがないと関数を正しく扱うことができませんし、エラーが出る可能性があります。

エラーが出ると修正が必要になり、原因を突き止めるのに時間がかかることもあるでしょう。

売掛金の消し込み作業はスピードが必要です。

この理由により、Excelで消し込み作業を行う場合はある程度のノウハウが必要なのです。

複数人での作業に向かない

Excelで消し込みを行うデメリットには、複数人での作業に向かないことが挙げられます。

なぜなら、データの変更や削除が容易に行えるからです。

複数人で管理をすると、誰かが間違って数字を変えてしまったり消してしまったりする可能性があります。

データ量が少なければ目視で気付くことができるかもしれませんが、多いと気付くことが難しくなってしまうでしょう。

この結果、数字が合わず原因を探すのに時間がかかることがあります。

消し込みの課題を解決するには

顔の横でオッケーのジェスチャーをするビジネスウーマン

消し込み作業の課題を解決する方法には以下のようなことが挙げられます。

請求代行サービスを使う

請求代行サービスを活用すると、売掛先への請求から入金確認まで行ってくれるため、経理の負担を軽減することができます。

これにより、業務の効率化を図ることができるでしょう。

入金消込自動化サービスを使う

入金消込自動化サービスは、入金データと売掛金データの照合を自動で行い、消し込み作業を実行してくれるサービスです。

手動で行っていた作業を省けるため、ヒューマンエラーも防ぐことができるでしょう。

ただし、売掛先から売掛金が入金されていない場合や、入金額が間違っている場合は確認対応が必要です。

会計ソフトを使う

会計ソフトを使用すれば、勘定科目の仕訳や集計が簡単に行えます。

人の手による入力ミスも防げるため、経理の負担を軽減することが可能です。

経理のアウトソーシングを利用する

消し込みの課題を解決したい場合は、経理のアウトソーシングを利用することも一案です。

アウトソーシングを利用すれば属人化の防止につながるため経理担当の負担が減り、他の業務に時間を充てることができます。

代行サービス・アウトソーシングを利用するメリット・デメリット

ここでは、代行サービス・アウトソーシングを利用するメリット・デメリットをご紹介します。

代行・アウトソーシングのメリット

代行・アウトソーシングのメリットは以下になります。

人材不足・属人化の解消

消し込み作業を行える経理担当の方を採用したくても、見つからないという企業は珍しくありません。

また、採用できても属人化しやすい傾向にあります。

代行・アウトソーシングを利用すれば、人材不足・属人化を解消することが可能です。

ミスの軽減

代行・アウトソーシングを利用すれば、経理業務のプロに対応を任せることができます。

ノウハウがある方に対応を任せることにより、ミスを軽減することができるでしょう。

コスト削減

消し込み作業を行える人材を確保する場合、採用コストがかかります。

経理の経験がない方を採用する場合は、育成にもコストがかかるでしょう。

代行・アウトソーシングの利用にもコストはかかりますが、必要なときだけ依頼をすれば良いですし、育成が不要なのでトータル的にコストを抑えることができます。

代行・アウトソーシングのデメリット

一方で、代行・アウトソーシングのデメリットは以下になります。

柔軟な対応が難しい

社内で対応する場合は、イレギュラーな事態が起きるとすぐに対応することができます。

一方、代行・アウトソーシングを利用する場合は、イレギュラーな事態が起きると先に情報共有をしなければなりません。

情報共有後の対応となるため、社内で対応するよりも遅れてしまうことがあります。

また、契約外の事態が起きた際に対応してくれないこともあるため、代行・アウトソーシングは柔軟な対応が難しいといえます。

社内に経理ノウハウが蓄積されない

代行・アウトソーシングを利用する場合、社内での対応がほとんど必要なくなります。

これにより、業務の効率化を図ることができますが、一方で社内に経理業務のノウハウが蓄積されません。

長期的な利用が必要になってしまうため、社内でも対応できるようにしたい場合は「忙しいときだけ利用する」というような活用をするのがおすすめです。

まとめ

売掛金の消し込み作業は、企業にとって重要性の高い業務です。

消し込み作業を行わないと計上漏れが発生し、自社の売上情報が正確に把握できなくなってしまいます。

また、「売掛先から売掛金が入金されていない」と勘違いし、二重請求を行って売掛先からの信用をなくしてしまうこともあるかもしれません。

売掛金の消し込み作業を正確に行うためにも、会計ソフトや代行サービス・アウトソーシングなどを利用すると良いでしょう。

なお、入金予定日に売掛先から売掛金が入金されないことがあるかもしれません。

その場合は、売掛金の未回収リスクを低減できるファクタリングの利用がおすすめです。

一般社団法人日本中小企業金融サポート機構では、ファクタリングサービスをはじめとする資金調達の方法をご紹介しています。

ファクタリングについてより詳しく知りたい方や、質問・ご相談がある方はお気軽に当機構までお問い合わせください。

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ミスをどう防ぐ?売掛金の消し込み作業の仕訳方法・注意点を解説

【監修】日本中小企業金融サポート機構 編集局長

保有資格:FP2級

大学卒業後、地方銀行に勤務。主に企業向け融資を担当。その後、損害保険会社にて法人営業、外資系金融機関にて法人融資や人材育成を担当するなど、一貫して金融関連業務に従事。2019年一般社団法人日本中小企業金融サポート機構に入社し、これまでの金融の知識と法人営業の経験を活かし、多くの中小企業・零細企業をサポート。
プライベートでは3児の父の顔も持ち、犬・猫・亀も飼う大家族の大黒柱。

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