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ファクタリングとリースはどう違う?ケーススタディで考える

公開日
2023.12.06
更新日
2024.02.21
ファクタリングとリースはどう違う?ケーススタディで考える

会社経営を継続するには、安定した資金繰りを実現することが欠かせません。

しかし、ときには資金不足に陥ることもあり、そうなると例えば必要な機械や設備を導入できなくなってしまいます。

このような状況で、多くの企業が検討するのが「資金調達またはリースの利用」です。

資金調達の方法は複数ありますが、その中でも資金の早期調達が可能な「ファクタリング」は資金繰りの維持・改善に大いに役立ちます。

ファクタリングとリースはどちらも資金繰りの安定を図れるサービスですが、明確に異なる点が多数あるため、その違いを理解した上で利用することが大切です。

そこで今回は、ファクタリングとリースの違いを徹底解説します。

それぞれの概要や仕組み、利用するメリットを把握して、自社にとって最善の方法を選びましょう。

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新しいパソコンを購入したいと思ったとき

誰もいないオフィスのデスクの上に電源のついたパソコン

会社経営に必要な設備を導入するには、資金が欠かせません。

ファクタリングとリースはどちらも設備を導入したい際に便利なサービスですが、その中身は大きく異なります。

例えば、「社員増加によりパソコンを購入したい」「新規事業の開拓に伴い、性能の高いパソコンが必要になった」と思ったものの、まとまった資金がなく購入が困難な状況だとします。

このとき、次の選択肢として一般的に考えられるのは「パソコンを購入するために資金を調達する」「資金がなく支出を抑えたいため、購入以外の方法でパソコンを手に入れる」の2つです。

売掛債権を売却して早期資金化するファクタリングを利用した場合、資金調達が可能となるため、その資金でパソコンを購入することができます。

一方でリースを利用した場合は、まとまった出費を抑えてパソコンを調達可能です。

どちらも「設備投資を行いたい」と思ったタイミングでパソコンの導入に踏み切り、事業拡大を図ることができますが、上述のとおり利用目的が異なります。

では、ファクタリングとリースには具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

ファクタリングとは

ノートパソコンの上にある1万円札数枚

まずは、ファクタリングについて理解を深めましょう。

ファクタリングの基本的な仕組み

ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却することによって、売掛金の支払期日前に資金化する金融サービスです。

一定の手数料が発生しますが、早い段階で資金を調達できるため、急な設備投資にも迅速に対応できます。

ファクタリングは融資ではないため、負債が増えることはありません。

また、原則として弁済義務もないので、仮に売掛先企業から売掛金が支払われなかったとしても、申込企業がファクタリング会社に弁済する必要はありません。

ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングとは?仕組みなどをわかりやすく解説【図解あり】

買取型ファクタリングと保証型ファクタリング

ファクタリングには主に「買取型ファクタリング」と「保証型ファクタリング」の2つがあります。

買取型ファクタリング

買取型ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却し、早期のうちに資金化する金融サービスです。

基本的にファクタリングというと買取ファクタリングを指します。

詳しくは後述しますが、買取型ファクタリングは「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」に分けることができ、それぞれで特徴は異なります。

すぐに資金を調達したい場合は2者間ファクタリング、手数料を抑えて資金を調達したい場合は3者間ファクタリングを選ぶと良いでしょう。

保証型ファクタリング

保証型ファクタリングとは、売掛先企業の倒産などを理由に万が一売掛金が回収できなくなった場合に、契約の範囲内で保証してもらうサービスです。

買取型ファクタリングが資金調達を目的としているのに対し、保証型ファクタリングは「貸倒れのリスクに備えること」を目的としています。

保証型ファクタリングを利用するにあたって、売掛先企業から承諾を得る必要はありません。

売掛先企業に不信感を持たれる心配がない点は、保証型ファクタリングのメリットといえます。

2者間ファクタリングと3者間ファクタリング

買取型ファクタリングには「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」の2つがあります。

2者間ファクタリング

2者間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社の2者で契約を締結するファクタリングです。

2者だけで審査から売掛債権の譲渡まで行えるため、スピーディーに資金化でき、最短即日で資金調達ができます。

また、契約に売掛先企業は一切関与しないため、売掛先企業に不信感を持たれ、取引量を減らされたり取引自体がなくなったりする心配もほとんどありません。

2者間ファクタリングの場合は、売掛先企業から売掛金が支払われたらファクタリング会社に送金する必要があります。

これは、利用者とファクタリング会社だけで契約を結ぶ、2者間ファクタリングならではの特徴です。

2者間ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
2者間ファクタリングとは?3者間ファクタリングとの違いとメリット・デメリット

3者間ファクタリング

3者間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社、売掛先企業の3者で契約を締結するファクタリングです。

売掛先企業から承諾を得ることが必須となるため、2者間ファクタリングよりも資金調達に時間がかかる場合があります。

具体的には、2者間ファクタリングが最短即日であるのに対し、3者間ファクタリングは数日ほどかかるのが一般的です。

その一方で、3者間ファクタリングは2者間ファクタリングよりも手数料が低くなっています。

2者間ファクタリングの相場が8%~18%であるのに対し、3者間ファクタリングの相場は2%~9%です。

この理由は、ファクタリング会社が売掛先企業に売掛金の存在等を直接確認できるからです。

ファクタリング会社の未回収リスクが軽減する上に二重譲渡や架空債権も防げることから、3者間ファクタリングは手数料が低く設定されています。

3者間ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
3者間ファクタリングとは?メリット・デメリットと利用が好ましいケースを解説

ファクタリングを利用するメリット

ファクタリングを利用するメリットは、以下のとおりです。

早期に資金調達が可能となる

銀行の融資を利用した場合、資金を得るまでに早くても数週間、遅ければ数か月かかります。

その点、ファクタリングの場合は申し込みから最短即日で資金を得ることが可能です。

早期の資金調達を実現できるため、急に資金が必要になったとしてもすぐに対応できるでしょう。

資金繰りの悪化を改善できる

資金繰りが悪化すると、今すぐに必要な支払いが滞ってしまい、最悪の場合は会社経営が危機的状況に陥ってしまいかねません。

このような状況でファクタリングを利用すれば、早期のうちに資金を調達できるため、資金繰りの悪化を改善しやすくなります。

未回収リスクに備えられる

売掛金は必ず回収できるとは限らず、売掛先企業の経営状況によっては回収ができなくなることもあります。

仮に売掛先企業からの支払いが滞った場合、資金繰りに影響が及んでしまうでしょう。

ファクタリングを利用すれば売掛金の支払期日前に資金化できるため、未回収リスクに万全に備えることができます。

売掛先企業が倒産しても資金の返還義務がない

ファクタリングは、資金を借り入れる融資とは別物なので、原則として返還義務がありません。

また、一般的にファクタリングでは償還請求権がない「ノンリコース契約」を締結するため、万が一売掛先企業が倒産して売掛金の回収が困難になったとしても申込企業に返還義務は生じず、この点は大きなメリットといえるでしょう。

自社の信用力に関係なく利用でき、利用後の影響もない

ファクタリングの審査で重要視されるのは「売掛先企業の信用力」なので、申込企業である自社の信用力は基本的に問われません。仮に資金繰りが悪化していても利用可能です。

また、ファクタリングは融資ではないため、利用することで信用情報に影響が及ぶ心配もありません。

別で融資を検討している企業も安心して利用できます。

リースとは

紙にボールペンでなにか書く人の手

続いて、リースについて理解を深めましょう。

リースとは、リース会社から機械や設備を中長期的に借りることができるサービスです。

リースを利用したい場合、企業はまず使いたい機械や設備を選択し、リース会社にリースを申し込みます。

その後リース会社と契約を締結したら、希望した機械または設備が納入されます。

この納入が完了した段階から、リース料金が発生する仕組みです。

リースを利用した場合、「すぐに必要なものだが資金不足で購入できない」「支出をなるべく抑えたい」という状況において、イニシャルコストを抑えながら必要な機械や設備を導入できます。

そのため、企業の所有物にはならないとはいえ、非常に便利なサービスといえるでしょう。

通常は「ファイナンス・リース」を指す

リースには、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの2種類がありますが、一般的に日本では「リース=ファイナンス・リース」と認識されています。

ファイナンス・リースとは、借手の希望する機械や設備をリース会社が購入し、リース会社がその機械や設備を借手に比較的長い期間リースするサービスです。

一方で、オペレーティング・リースはファイナンス・リース以外のリース取引のことを指します。

ファイナンス・リースの大きな2つの特徴

ファイナンス・リースには、利用するにあって必ず押さえておくべき2つの大きな特徴があります。

● リース期間中に契約を解除することはできない
● リースするものの購入代金や手数料・損害保険料などの諸経費をリース料として支払う

まず、ファイナンス・リースを途中解約することはできません。

リース期間中はリース料金を支払い続けなければならないため、財務状況を考慮して利用するか否かを検討しましょう。

そして、ファイナンス・リースを利用する際は、リースする機械や設備の代金および手数料・損害保険料などの諸経費を概ね全額支払う必要があります。

必要な機械や設備を一括購入する場合に比べて総支払額が多くなるため、その点は理解しておきましょう。

主にリースの対象となるもの

リースの対象となるものには、情報関連機器や産業機械、理化学機、医療設備、店舗設備、輸送用機器など多岐に渡ります。具体的には以下のとおりです。

● 情報関連機器(例:パソコン、ルータ、プリンタ、IP電話、複写機)
● 産業機械(例:印刷機械、金属加工機、金型、ロボットマシン)
● 理化学機(例:試験器、測定器、分析器)
● 医療機器(例:CT、MRI、AED、手術室用機器装置、超音波画像診断装置)
● 店舗設備(例:POSレジ、厨房機器、ショーケース、冷蔵庫、電光掲示板)
● 輸送用機器(自動車、トラック、バス、航空機、船舶、フォークリフト)

不動産や構築物、消耗品は、原則としてリースの対象になりません。

リース期間の条件

リース期間は、導入する機械や設備の法定耐用年数を基準に設定され、柔軟に費用計画が立てられます。

設定可能なリース期間の下限は、以下の式で計算します。

【法定耐用年数10年未満のもの】法定耐用年数の70%以上(小数点第一位以下は切り捨て)
【法定耐用年数10年以上のもの】法定耐用年数の60%以上(小数点第一位以下は切り捨て)

例えば、パソコンの場合は法定耐用年数が4年なので「4年×70%=2.8年」、つまり下限となるリース期間は2年となります。

リースを利用するメリット

リースを利用するメリットは、以下のとおりです。

多額の資金調達を必要としない

機械や設備を導入する際、購入するとなると一度に多額の資金が必要になります。

その点、リースなら少ない資金で導入できるため、導入時に多額の資金調達をする手間がかかりません。

予算に左右されずに設備投資が行える

リースの場合、一度に多額な資金を必要としないことから、予算に左右されることなく機械や設備を導入できます。

さまざまな設備投資が可能となるため、事業拡大を図りやすくなるでしょう。

機械設備の陳腐化を防ぎ最新への刷新が行える

上述のとおり、リース期間は導入する機械や設備の法定耐用年数を基準に設定されます。

そのため、リースを利用すれば機械・設備の陳腐化を防ぐと同時に、最新機械・設備への刷新が行えます。

投資コストを平準化しキャッシュフローを維持する

リースを利用した場合、機械や設備を一括購入する際に必要になる多額の資金を、毎月のリース料として分散できます。

これにより投資コストが平準化するため、キャッシュフローを維持できます。

金利変動リスクを回避できる

リース期間中のリース料は原則固定です。

金利が変動することはないため、金利情勢に左右されて支出が増えることはありません。

ファクタリングとリースの違い

資料と電卓を見る女性の手のひらにクエスチョンマークが浮かんでいる

では、ファクタリングとリースには具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

調達した資産の所有権の違い

まず、調達した資産の所有権が異なります。

第1章のケースで説明すると、パソコンを調達するためにファクタリングを利用した場合、資金調達が可能となるため、その資金でパソコンを購入することになります。

一方でリースを利用した場合は、リース会社と契約を締結することでパソコンを調達(レンタル)します。

ファクタリングの場合は自社でパソコンを購入するため、パソコンの所有権は自社にありますが、リースの場合はパソコンをリース会社から借りていることになるため、自社に所有権はありません。

手数料の違い

ファクタリングの場合、2者間ファクタリングの相場は8%~18%、3者間ファクタリングの相場は2%〜9%です。

売掛債権を売却する際に、売掛金の満額から手数料が差し引かれます。

一方でリースの場合は、機械や設備の購入金額の1.5%ほどといわれています。

リース期間中は、毎月「リース料+手数料」の支払いが必要になります。

契約期間の違い

一般的にファクタリングの契約期間は短く、早ければ1日で完了します。

これに対しリースは中長期的な契約が一般的で、短くても数か月、長ければ数年ほどになることがあります。

審査対象の違い

ファクタリングの審査対象は、申込企業ではなく売掛先企業です。

申込企業の経営状況や信用情報に問題があったとしても、それが審査に影響を及ぼすことはありません。

一方でリースの審査対象は申込企業です。主に「経営状況はどうか」「リース料を毎月確実に支払うことができるか」などを確認されます。

そのため、仮に信用情報に傷がついている場合は審査に通らない可能性があるでしょう。

得られるリソースの使い道の違い

ファクタリングで得られるのは「資金」なので、その使い道に制限はありません。

パソコンをはじめとする情報関連機器を購入することもできますし、溜まっていた支払いにあてることも可能です。

これに対しリースでは、機械や設備そのものをレンタルして導入するため、使い道は限られます。

ファクタリングとリースの最大の違いは資金を「確保する」か「手元に残す」か

電卓でなにかを計算する人の手

経営を存続させるには、資金の確保に注力し、資金繰りを安定させることが必須です。

資金を確保する方法には、主に以下の2つがあります。

● 資金を調達することで、手元の資金を増やし確保する
● 支出を減らすことで資金の流出を防ぎ、手元に資金を残して確保する

第1章で、「ファクタリングでは資金調達が可能で、その資金でパソコンを購入できる」「リースでは、リース会社からパソコンを借りることができる」とお伝えしました。

これはつまり、資金の調達がファクタリング、資金を手元に残すことがリースということです。

この違いを踏まえて、ファクタリングとリースのさらなる違いを理解しましょう。

目的の違い

ファクタリングの目的は「資金調達」です。

とくに買取型ファクタリングはその一面が強く、売掛債権を売却することで支払期日前に資金を調達します。

これに対しリースの目的は「必要な機械や設備を借りることで、購入による資金の流出を防ぐこと」です。

リースなら少ない資金で機械や設備を導入できるため、手元に資金を残しやすくなります。

資金繰りへの影響の違い

ファクタリングの目的は資金調達なので、利用することで手元の資金が増えます。

これは、いわば資金が入る動き「キャッシュインフロー」であり、増加するほど資金繰りの改善が期待できます。

一方でリースの目的は資金の流出を防ぐことであり、これは資金が出ていく動き「キャッシュアウトフロー」の減少を意味します。

手元の資金をキープすることで、資金繰りを安定させやすくなります。

多彩な資金調達方法を持つことが重要

ファクタリングとリースには「資金を調達するか」「資金の流出を防ぐか」という違いがあるものの、どちらも資金繰りの安定が期待できるサービスです。

経営状況によってどのサービスが適しているかは異なるため、どちらかひとつに絞るのではなく、シーンに応じて使い分けるようにしましょう。

まとめ

ファクタリングとリースは、資金繰りの維持・改善に役立つ便利なサービスです。

しかし、目的や調達した資産の所有権、手数料、審査対象、資金繰りへの影響などに違いがあるため、その点を理解してどちらを利用するか検討する必要があります。

例えば、資金不足により機械や設備の購入ができないだけでなく、支払いも滞っているようであれば、ファクタリングを利用するのがおすすめです。

得られるのが資金なので使い道に制限がなく、必要なシーンで有効活用できます。

今一度、自社にはどちらが最善かを考え、計画的にファクタリングまたはリースを利用しましょう。

日本中小企業金融サポート機構のファクタリングは手数料が1.5%〜と低い上に、償還請求権なしのノンリコース契約です。

支出を抑えながら資金を調達できる他、仮に売掛先企業から売掛金を回収できなかったとしても申込企業が責任を負うことはありません。

貸し倒れのリスクもないので、ぜひ利用をご検討ください。

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ファクタリングとリースはどう違う?ケーススタディで考える

【監修】日本中小企業金融サポート機構 編集局長

保有資格:FP2級

大学卒業後、地方銀行に勤務。主に企業向け融資を担当。その後、損害保険会社にて法人営業、外資系金融機関にて法人融資や人材育成を担当するなど、一貫して金融関連業務に従事。2019年一般社団法人日本中小企業金融サポート機構に入社し、これまでの金融の知識と法人営業の経験を活かし、多くの中小企業・零細企業をサポート。
プライベートでは3児の父の顔も持ち、犬・猫・亀も飼う大家族の大黒柱。

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