延現金を打診された？ファクタリングで解決しよう

中小企業の経営者にとって、売掛先から「延現金（のべげんきん）」を打診された場合、資金繰りに大きな影響を及ぼす可能性があります。

特に資金が必要な時期に支払いを後ろ倒しにされることで、キャッシュフローが滞り、事業運営に支障が出ることも考えられます。

今回は、延現金の概要やリスク、そしてそれを乗り越えるためのファクタリングの活用方法について詳しく解説します。

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延現金とは？

延現金とは、売掛先が本来の支払期日を口約束で後ろ倒しにすることを指します。

これは、中小企業などの下請け業者が売掛先から依頼されるケースが多く、特に厳しい資金繰りに苦しむ売掛先が利用する方法です。

延現金の別名である「期日現金払い」は、「約束手形を振り出したと仮定した場合の期日」を意味していますが、約束手形とは異なり、実際には手形を振り出さず、あくまで口頭で支払期日を延長するという手法になります。

約束手形では、手形を発行し、支払いを期日まで待つ形を取りますが、延現金はそれよりも簡便で、書面を介さずに口約束だけで支払いを後回しにするため、売掛先にとっては非常に都合の良い方法です。

しかし、資金が必要な中小企業にとっては、この手法が経営リスクを高めることも少なくありません。

延現金の特徴

延現金の大きな特徴は、支払期日を非公式に後ろ倒しにすることです。

通常の取引では、契約書や請求書に基づき支払期日が定められていますが、延現金ではその期日を口頭で後延ばしするため、正式な書面に記載されているわけではありません。

一方で、口約束でも基本的には契約として認められます。

また、延現金には手数料が必要ないという特徴もあります。

約束手形を利用する場合、発行する際に手数料が発生しますが、延現金では必要ありません。

そのため、売掛先にとってはコストを抑えつつ、支払いを遅らせることができるメリットがあります。

上記のような特徴から、売掛先にとっては非常にメリットが大きい手法だというのも延現金の特徴の一つです。

下請法の対象であれば延現金は困難

中小企業と大企業との取引においては、下請法（正式名称：下請代金支払遅延等防止法）という法律が適用されます。

この法律は、大企業が中小企業に対して不当な支払延期や代金の未払いを行うことを防止するためのものであり、延現金のような不当な支払いの後延ばしもこの法律に抵触する可能性があります。

下請法の対象となる企業に対しては、延現金の要請は困難です。

しかし、全ての取引が下請法の適用対象となるわけではなく、取引関係や業種によって異なります。

延現金の売掛先のメリット

延現金を打診することで、売掛先には具体的に以下のようなメリットがあります。

支払いを先延ばしにでき資金繰りが改善する

売掛先にとって最大のメリットは、支払いを先延ばしにできることです。

これにより、短期間の資金繰りが厳しい時期でも、資金を留めながら事業を継続できます。

特に、自社のキャッシュフローが悪化している企業にとって、延現金は一時的な救済策として有効です。

約束手形より手間がかからない

約束手形を発行する際には、手続きや手数料が必要です。

しかし、延現金は口頭での合意だけで成立するため、事務的な手間やコストがかかりません。

これは売掛先企業にとって、非常に手軽な資金調整手段となります。

延現金をもちかけられたときのデメリット

延現金をもちかけられた側には、どのようなデメリットが考えられるでしょうか。

反対に資金繰りが悪化する

延現金を受け入れる側、つまり売掛債権を持つ中小企業にとっては、資金繰りが悪化するリスクが高まります。

本来の支払期日を過ぎても現金が入ってこないことになるため、従業員の給与や仕入れの支払いに充てる資金が不足する危険性が出てきます。

貸し倒れリスクが高まる

口約束で支払期日が延長された場合、貸し倒れのリスクも増加します。

約束手形であれば、銀行を介すことから支払いの確実性が高いですが、延現金では正式な契約書がないため、最悪の場合、売掛金が回収できない事態へ発展する可能性があります。

下請法の対象でない場合は断りにくい

下請法の適用対象でない取引の場合、延現金の打診を断るのは難しいことがあります。

特に、売掛先が大手企業である場合、今後の関係性を考えて断りにくい状況に陥ることもあるでしょう。

この場合、中小企業側が不利な条件を飲まざるを得ない場合が多く、経営に悪影響を与えることがあります。

延現金を打診されたらファクタリングを検討しよう

延現金を打診された場合、「ファクタリング」を利用して売掛金の早期回収を検討することが有効です。

ファクタリングを利用すれば、特定の売掛先から延現金で支払いを先延ばしされたとしても、他の売掛金を早期に資金化し、キャッシュフローを改善することができます。

ファクタリングとは？

ファクタリングとは、企業が保有する売掛金をファクタリング会社に売却し、手数料を差し引いた金額を即座に受領できるサービスです。

売掛先が支払いを行う期日より前に売掛金を資金化できるため、資金繰りを迅速に改善できます。

中小企業が延現金を打診された際にも、ファクタリングは有効な手段です。

ファクタリングの詳しい内容については下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングとは？仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説【図解あり】

ファクタリングで延現金の対策が可能

ファクタリングを利用すれば、延現金のような支払いの遅れに対処できます。

売掛金をファクタリング会社に売却すれば、支払期日を待つことなく資金化できます。

これにより、延現金を打診されるリスクを軽減して資金繰りを安定させ、事業をスムーズに運営することが可能です。

ただし、延現金を打診されている売掛金をファクタリングするのは難しく、場合によっては契約違反になるため、延現金以外の売掛金をファクタリングすることで延現金に対応する必要があります。

貸し倒れリスクにも備えられる

ファクタリングは原則として、償還請求権なし（ノンリコース）の契約が結ばれます。

これは、売掛先が支払不能になった場合でも、ファクタリング利用者が費用を請求されることはないという旨の契約です。

延現金を打診された場合、売掛先が経営危機に陥っている可能性もあるため、貸し倒れリスクが高まります。

ファクタリングを利用することで、このリスクを軽減することができます。

自社の業績や信用情報は審査に影響しない

ファクタリングの審査では、売掛先の信用力が重視されるため、自社の業績や信用情報は基本的に審査に影響しません。

そのため、業績が悪化している場合でも、ファクタリングを利用して資金調達を行うことが可能です。

ファクタリングの具体的な審査基準については下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングの審査基準とは？通らない原因・通るためのポイントも解説

支払期日の長さに注意

ただし、ファクタリングを利用する際には、売掛金の支払期日の長さが審査に影響することがあります。

支払期日が長すぎる場合、ファクタリング会社がリスクを懸念し、サービスを提供しないこともあるのです。

相見積りを取る

ファクタリングを利用する際は、複数の会社から相見積りを取り、手数料やサービス内容を比較することが重要です。

これにより、最適なファクタリング会社を選んでコストを抑えることができる他、ある会社からはリスクの高さから利用を断られても別の会社では受けてくれる可能性があります。

3者間ファクタリングを検討する

ファクタリングの中でも、2者間ではなく3者間ファクタリングであれば審査に通る可能性が高くなります。

3者間ファクタリングは売掛先の承諾を得た上での契約となります。

これにより、ファクタリング会社はより正確に信用度やリスクを評価でき、不確定要素を排除して審査を行えるようになります。

延現金を打診してきた売掛先には後ろめたさがあると考えることができ、承諾を得やすいといえるでしょう。

3者間ファクタリングの仕組みやメリットについては下記コラムで詳しく解説しています。
3者間ファクタリングとは？メリット・デメリットと利用の流れを解説！

まとめ

延現金を打診された際、資金繰りの悪化や貸し倒れリスクに直面することが考えられます。

しかし、ファクタリングを利用することで、売掛金を早期に資金化し、これらのリスクを回避できます。

特に、自社の信用情報に影響がない点や、貸し倒れリスクを軽減できる点から、ファクタリングは中小企業にとって非常に有効な資金調達手段です。

今後、売掛先から延現金の打診があった際には、ぜひファクタリングを検討してみてください。

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