即日調達診断
ご相談はこちら
                
03-6435-7371受付時間 平日9:30~18:00
閉じる

貸し倒れにどう備える?取引信用保険とファクタリングの違い

公開日
2023.11.08
更新日
2024.10.18
貸し倒れにどう備える?取引信用保険とファクタリングの違い

取引信用保険とファクタリングは、どちらも売掛債権(売掛金)を対象とした貸し倒れに備えるサービスです。

しかしそれぞれで目的が異なり、取引信用保険が「リスクヘッジ」であるのに対し、ファクタリングは「資金調達」であるため、ケースによってどちらを利用するべきか異なります。

そこで今回は、取引信用保険とファクタリングの概要を解説するとともに、それぞれの違いについて分かりやすくご紹介します。

目的に応じた最適な判断をするために、ぜひ参考にしてみてください。

[cta]

取引信用保険とファクタリングの概要

まずは、取引信用保険とファクタリングがどのようなサービスなのか理解しましょう。

取引信用保険とは

取引信用保険とは、取引先の倒産により売掛金が未回収となるリスクに備えるための保険です。

もし取引先が倒産し売掛金を回収できなかった場合、資金繰りが悪化してしまう恐れがあります。

しかし取引信用保険を利用していれば、売掛金の未回収によって損害が生じると保険金が支払われるため、企業の財務状況が不安定になる心配はないでしょう。

なお、取引信用保険は「取信(とりしん)」と略されることがある他、「倒産保険」「売掛金保険」と呼ばれることもあります。

保険会社によって名称は異なるため注意しましょう。

買取型ファクタリングとは

買取型ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却し早期のうちに資金化する金融サービスです。

申込企業とファクタリング会社の2者で契約を結ぶ「2者間ファクタリング」と、申込企業とファクタリング会社、売掛先企業の3者で契約を結ぶ「3者間ファクタリング」があり、それぞれで特徴は異なります。

スピーディーな資金調達を希望する場合は2者間ファクタリング、手数料を抑えたい場合は3者間ファクタリングを選ぶと良いでしょう。

ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングとは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説【図解あり】

保証型ファクタリングとは

保証型ファクタリングとは、万が一売掛金が回収できなくなった場合に契約の範囲内で保証してもらうサービスです。

利用することで、売掛金の未回収リスクに備えられるため、「帳簿上では利益が出ているにもかかわらず、手元には資金がない」という状態を回避できます。

また、保証型ファクタリングを利用する際、売掛先企業から承諾を得る必要はありません。

売掛先企業に不信感を持たれる心配がないため、良好な関係性を維持できるでしょう。

取引信用保険とファクタリングの違い

取引信用保険とファクタリングは似たようなサービスですが、明確な違いがあります。

取引信用保険と買取型ファクタリングの違い

取引信用保険と買取型ファクタリングの違いは以下のとおりです。

取引信用保険買取型ファクタリング
利用目的売掛金の未回収に備える
(=リスクヘッジ)
売掛金の支払期日よりも前に
売掛金を資金化する
(=資金調達)
保険料 / 手数料保険会社が設定する
支払限度額の1%〜4%
2者間:8%~18%
3者間:2%〜9%
審査の難易度非常に高い2者間:高い(融資よりは低い)
3者間:2者間よりは低い
入金のタイミング売掛金を回収できなかったとき最短即日
(=スピーディーな
資金化が可能)

取引信用保険と買取型ファクタリングは全ての項目に違いがあるため、全く異なるサービスと考えて問題ないでしょう。

取引信用保険と保証型ファクタリングの違い

取引信用保険と保証型ファクタリングの違いは以下のとおりです。

取引信用保険保証型ファクタリング
利用目的売掛金の未回収に備える
(=リスクヘッジ)
売掛金の未回収に備える
(=リスクヘッジ)
保険料 / 保証料保険会社が設定する
支払限度額の1%〜4%
1%〜8%
審査の難易度非常に高い高い
入金のタイミング売掛金を回収できなかったとき売掛金を回収できなかったとき

取引信用保険と保証型ファクタリングは、保険料(保証料)・審査の難易度に違いはあるものの、利用目的・入金のタイミングは共通しているため、比較的近いサービスといえるでしょう。

取引信用保険の詳細について

100万円札の束が3つとRISK HEDGEと書かれた積み木とスーツを着た小さい人形

取引信用保険とは、取引先の倒産によって掛取引の売掛金が回収できなくなるリスクに備えるための保険です。

売掛金の未回収によって損害が生じると保険金が支払われます。

掛取引では、商品やサービスを販売してから実際に代金(売掛金)を受け取るまでにある程度の期間があります。

そのため、仮に代金(売掛金)を受け取る前に取引先が倒産した場合、売上金を得られなくなってしまうのです。

最悪の場合、資金繰りが悪化して黒字倒産してしまいかねません。

取引信用保険を利用すれば、売掛金の未回収によって生じた損害を保険金でカバーできるため、資金繰りの悪化、ひいては黒字倒産を防止できます。

取引信用保険が補償する内容

取引信用保険が補償する内容には、例えば以下の5つが挙げられます。

1.    破産や民事再生などの手続きを開始したとき
2.    特別精算開始の申し立てがあったとき
3.    取引金融機関または手形交換所から取引停止処分を受けたとき
4.    財産の強制換価手続が開始されたとき
5.    仮差押命令が出たとき(差押通知が発行されたとき)

補償内容は保険会社によって異なるため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

取引信用保険の保険料

取引信用保険の保険料の相場は、保険会社が定める支払限度額の1%〜4%です。

例えば支払限度額が5,000万円の場合、保険料は「5,000万円×1%~4%=50万円〜200万円」となります。

保険料率は保険会社によって異なり、主に補償対象となる取引先の数や取引先の信用情報によって決まります。

そして、支払限度額は倒産や破産のリスクに応じて決まるのが一般的です。

取引信用保険を利用するメリット

取引信用保険を利用するメリットには、主に以下の3つが挙げられます。

貸し倒れなどのリスク軽減につながる

繰り返しになりますが、取引信用保険を利用した場合、仮に売掛金を回収できなくなったとしても保険金が支払われるため、損失を補填することが可能です。

これによりキャッシュフローの悪化、すなわち資金ショートを防げるため、貸し倒れをはじめとするリスクを軽減できます。

万が一の事態に備えることで事業の継続を図れる点は、取引信用保険のメリットといえるでしょう。

自社の信用力が上がる

上述のとおり、取引信用保険の利用は貸し倒れリスクの軽減につながります。

そのため、金融機関や他の取引先から「リスク管理を徹底している」「経営が安定している」と評価してもらいやすくなり、結果として自社の信用力が向上します。

これにより、融資の審査に通りやすくなると同時に、取引先の拡大が容易になるため、事業の拡大を進めやすくなるでしょう。

取引拡大が期待できる

取引信用保険を利用すれば売掛金の未回収に備えられることから、リスクヘッジのため取引を避けていた企業やこれまで与信調査が行き届かず取引金額を抑えていた企業とも掛取引がしやすくなります。

これは言い換えれば、取引拡大が期待できるということです。

売上アップにつながる可能性もあるため、この点もメリットといえるでしょう。

取引信用保険を利用するデメリット

取引信用保険の利用にはメリットがある一方でデメリットもあり、主に以下の3つが挙げられます。

取引先の信用に左右される

取引信用保険を利用できるか否か、そして保険料や保証金の額は、取引先の信用によって決まります。

例えば取引先の信用が低い場合は、取引信用保険を利用することができない可能性があります。

また、仮に利用できたとしても保険料が高くなり、保証金が低くなることが考えられます。

取引信用保険をうまく利用できるかどうかは取引先次第といっても過言ではないため、この点はあらかじめ理解しておきましょう。

特定の取引は対象にならない

取引信用保険では、特定の取引のみを補償対象にすることはできません。

基本的に「全取引」「10社以上」「売上上位10社」のいずれかを選択し、複数の取引に対して補償を受けます。

「この取引先は信頼してるから補償の対象外で良い」「この取引先の売掛金だけ補償したい」などと、補償対象を自由に選択することはできないため注意しましょう。

保険料の負担がある

取引信用保険を利用するには保険料の負担が必須です。

保険会社が設定する支払限度額の1%〜4%が相場といわれていますが、保険会社や取引先によって金額は変わってきます。

取引先の信用が低い場合は保険料が高額になりやすいため、もし不安ならある程度の資金を用意しておくと良いでしょう。

買取型ファクタリングについて

コインを積み重ねる手とビルの絵

買取型ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却することで、売掛金の支払期日よりも前に資金化する金融サービスです。

債権流動化による資金調達を経済産業省が推奨していることもあり、利用する中小企業が増加傾向にあります。

2者間ファクタリングと3者間ファクタリングについて

買取型ファクタリングには「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」という種類があり、それぞれで契約方法が異なります。

2者間ファクタリング

2者間ファクタリングとは、申込企業とファクタリング会社の2者で契約を結ぶファクタリングです。

申込企業とファクタリング会社だけで審査から売掛債権の譲渡まで進められるため、資金化までスムーズに進み、最短即日で資金調達ができます。

また、2者間ファクタリングの契約に売掛先企業は一切関与しません。

契約に際して売掛先企業に「経営が悪化して資金繰りが厳しいのでは?」と不安を抱かせてしまうことがないため、取引量を減らされたり取引自体がなくなったりする心配はほとんどないでしょう。

安心して売掛債権の資金化を進められる点は、2者間ファクタリングならではのメリットといえます。

2者間ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
2者間ファクタリングとは?メリットや手数料、利用のポイントを解説

3者間ファクタリング

3者間ファクタリングとは、申込企業とファクタリング会社、そして売掛先企業の3者で契約を結ぶファクタリングです。

売掛先企業から承諾を得なければ契約を締結することはできないため、資金調達までにある程度の時間がかかる場合があります。

この点から、「すぐに資金が必要」という状況での利用にはあまり適さないでしょう。

一方で、3者間ファクタリングは2者間ファクタリングに比べて手数料が低くなっています。

その主な理由は、ファクタリング会社が売掛先企業に売掛債権の存在を直接確認できるからです。

ファクタリング会社にとっては二重譲渡や架空債権の譲渡を防げることから、手数料が低く設定されています。

そのため、「ファクタリングの手数料を少しでも抑えたい」という場合は、3者間ファクタリングを選択すると良いでしょう。

3者間ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
3者間ファクタリングとは?メリット・デメリットと利用の流れを解説!

買取型ファクタリングのメリット

買取型ファクタリングのメリットには、主に以下の4つが挙げられます。

売掛金の未回収リスクを回避できる

買取型ファクタリングを利用した場合、売掛金の支払期日よりも前に売掛債権を資金化できます。

仮に売掛先企業が倒産し売掛金が支払われなかったとしても、手元にはすでに売掛金がある状態なので、結果として売掛金の未回収リスクを回避することが可能です。

最短即日で資金調達できる

買取型ファクタリングは、資金調達にかかる期間が短いのが特徴です。

例えば融資の場合は最短で1週間ほどかかりますが、買取型ファクタリングの場合は最短で数時間ほどです。

即日の資金化が可能なため、「今すぐに資金が必要」という状況にも対応できるでしょう。

原則として償還請求権がない

買取型ファクタリングは、原則として償還請求権(リコース)なしのノンリコース契約です。

万が一売掛先企業が倒産して売掛金を回収できなかったとしても、申込企業がファクタリング会社に弁済する義務はありません。

そのため、安心してファクタリングサービスを利用できます。

ただし、ノンリコース契約か否かはファクタリング会社によって異なるため、契約前に償還請求権について必ず確認するようにしましょう。

償還請求権については下記コラムで詳しく解説しています。
償還請求権とは?ファクタリングに重要な“誰がリスクを負うか”

自社の信用情報に関係なく利用できる

買取型ファクタリングは、融資ではなく「売掛金の売買契約」です。

契約を結ぶ上で自社の信用情報は関与しないため、仮に事故情報が登録されていたとしても利用することができます。

買取型ファクタリングのデメリット

買取型ファクタリングの利用にはメリットがある一方でデメリットもあります。

売掛金の額面を下回る

買取型ファクタリングの利用によって得られる資金は、売掛金の額面を下回る金額です。

なぜなら、買取型ファクタリングは売掛債権を売却し、売掛金の支払期日よりも前に資金化するサービスであると同時に、利用するにあたって手数料を支払わなければならないからです。

売掛金の額面以上の資金を調達することはできないため、その点はデメリットといえるでしょう。

売掛先企業の承諾が必要な場合がある

買取型ファクタリングの中でも3者間ファクタリングを利用する場合は、売掛先企業の承諾が必要です。

もし承諾を得られなかった場合は、売掛債権の売却ができません。

また、承諾を得られたとしても売掛先企業に「資金繰りがうまくいっていないのでは」と不安を感じさせる可能性があり、場合によっては取引内容の変更などの影響が及ぶことも考えられるでしょう。

債権譲渡登記が必要になる場合がある

ファクタリング会社によっては、買取型ファクタリングを利用するにあたって債権譲渡登記が必要になることもあります。

債権譲渡登記には費用がかかり、司法書士に対して5万円〜10万円ほど支払う必要がある他、登録免許税として7,500円ほど発生します。

また、売掛先企業や取引している金融機関にファクタリングの利用を知られてしまう可能性があり、場合によっては契約内容や今後の取引に影響が及ぶ可能性があります。

ファクタリングのデメリットについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングを利用するデメリットとは?回避する方法とあわせてご紹介

保証型ファクタリングについて

倒れる板を人が支えている絵

保証型ファクタリングとは、売掛先企業から売掛金が入金されないなど、万が一売掛金が回収できなくなった場合に、契約の範囲内で保証してもらうサービスです。

資金調達のためというよりは「貸し倒れのリスクに備えるため」に利用するのが一般的です。

買取型ファクタリングとの違い

先にご紹介した買取型ファクタリングと保証型ファクタリングは、主に「目的」と「入金のタイミング」に違いがあります。

買取型ファクタリング保証型ファクタリング
利用目的売掛金の支払期日よりも前に
売掛金を資金化する
(=資金調達)
売掛金の未回収に備える
(=リスクヘッジ)
入金のタイミング最短即日
(=スピーディーな
資金化が可能)
売掛金を回収できなかったとき

資金調達を重視しているのか、それとも万が一の損失に備えることに重きを置いているのか、買取型ファクタリングと保証型ファクタリングは似て非なるサービスなので、それぞれの特徴を理解した上で自社にとって適切なサービスを選びましょう。

保証型ファクタリングのメリット

保証型ファクタリングのメリットには、主に以下の3つが挙げられます。

売掛金の未回収リスクに備えられる

売掛金を回収する前に売掛先企業が倒産した場合、帳簿上では利益が出ているにもかかわらず、手元には資金がない状態となってしまいます。

最悪の場合、黒字倒産につながりかねません。

その点、保証型ファクタリングを利用すれば万が一売掛先企業が倒産してもファクタリング会社が契約の範囲内で保証金を支払ってくれるので、売掛金の未回収リスクに備えられます。

与信管理を簡略化できる

ファクタリング会社は、契約時はもちろん契約後もこまめに売掛先企業の信用情報を調査し、与信管理を行います。

そのため、保証型ファクタリングを利用した場合は自社で売掛先企業の与信管理を行う必要がなく、業務負担を軽減することが可能です。

売掛先企業に知られない

保証型ファクタリングを利用するにあたって、売掛先企業から承諾を得る必要はありません。

ファクタリング会社と申込企業の2者で契約を結べるため、売掛先企業への配慮が不要な他、関係性の悪化を心配する必要もないでしょう。

保証型ファクタリングのデメリット

保証型ファクタリングの利用にはメリットがある一方でデメリットもあります。

保証料が必要

保証型ファクタリングを利用するには保証料の負担が必須です。

保証料は売掛先企業の信用力に応じて決まりますが、相場は1%〜8%ほどといわれています。

売掛金の信用情報に左右されることがある

売掛先企業の信用情報によっては、保証型ファクタリングを利用することができません。

基本的に「支払能力がある売掛先企業」と判断された場合のみ利用可能なため、この点はあらかじめ理解しておきましょう。

目的別:どのサービスを利用するのが良いのか?

紙で作られた道の岐路に立つ男性の小さな人形

取引信用保険と買取型ファクタリング、保証型ファクタリングの違いについて理解できても、まだ「自社にはどのサービスが適しているか」とお悩みの経営者の方もいるでしょう。

それぞれで利用に適している状況は異なり、例えば以下のようなケースが挙げられます。

取引信用保険・複数の売掛先がある
・キャッシュフローを安定させたい
買取型ファクタリング・売掛先企業を選んで利用したい
・今すぐに資金を調達したい
保証型ファクタリング・売掛先企業を選んで利用したい
・キャッシュフローを安定させたい

共通しているケースもありますが、その場合は各サービスのメリット・デメリットを踏まえて選択すると良いでしょう。

貸し倒れに備えるその他の対策

ペンでなぞりながら書類を確認する手

取引信用保険とファクタリングは、ともに売掛債権(売掛金)を対象とした貸し倒れに備えるサービスです。

この他にも貸し倒れに備えるための対策はあり、例えば「信用状(L/C)」と「貸倒引当金」が挙げられます。

信用状(L/C)について

信用状は、主に貿易関連の取引で使用する書類です。

具体的には「輸入側の支払いを銀行が肩代わりする」という内容の書類で、輸入側の取引銀行が輸出側に対して発行します。

英語では「Letter of Credit」と表記し、「L/C」と略されることもあります。

信用状が必要とされる理由

信用状は、輸入側と輸出側それぞれのリスクを軽減するために必要な書類です。

輸出側の立場で考えたとき、これまでに何度も取引したことがある相手に対して輸出する場合は、支払実績があるため安心して取引を行えます。

しかし、初めて取引をする相手だと「きちんと代金を支払ってくれるか」と不安になることもあるでしょう。

一方で輸入側の立場で考えると、初めて取引をする相手の場合は「代金を支払っても商品・サービスを受け取れない」という事態を懸念します。

信用状を発行すれば、輸出側の「代金未払いのリスク」、そして輸入側の「代金支払い後の未納品リスク」の両方を回避できます。

そのため、信用状は必要とされているのです。

信用状の仕組み

信用状の仕組みは以下のとおりです。

1.    輸出者と輸入者で売買契約を締結する
2.    輸入者が取引銀行に信用状の発行を依頼する
3.    輸入側の取引銀行が輸出側の取引銀行を通して輸出者に信用状を送付する
4.    輸出者が商品を船に積んだ後、必要書類を輸出側の取引銀行に提出し代金を受け取る
5.    輸出側の取引銀行が輸入側の取引銀行に必要書類を送付し、輸入側の取引銀行が代金を支払う
6.    輸入側の取引銀行が必要書類が届いたことを輸入者に知らせ、代金の支払いを要求する
7.    輸入者が代金を支払って必要書類をもらい、船会社に書類を提出して商品を受け取る

信用状を利用するメリット

信用状を利用するメリットは、お互いに安心して取引ができることです。

銀行が支払いを肩代わりすることで輸出側・輸入側それぞれのリスクを回避できるため、「代金が支払われないのではないか」「代金支払い済みの商品やサービスを受け取れないのではないか」という不安がなくなります。

貸倒引当金について

貸倒引当金とは、今後発生すると予想される貸し倒れに備えるための勘定科目です。

貸倒引当金を損金算入できる法人・個人事業主は決まっており、原則として「資本金が1億円以下の中小企業」と「青色申告をしている個人事業主」だけです。

貸倒引当金の仕組み

売掛先企業の経営状況が悪化し売掛金が支払われなかった場合、「貸倒損失」として帳簿に記載するのが一般的です。

貸倒損失は基本的にその売掛金が発生した会計期間に計上しますが、時には会計期間をまたいで貸し倒れが発生することもあります。

この場合、貸倒損失を正しく計上できず、正確な損益計算が不可能となってしまいます。

そのため、先に貸倒引当金として回収可能な売掛金の金額を評価し、損失として計上することが認められているのです。

貸倒引当金の対象となる債権

貸倒引当金の対象となる債権は、売掛金や貸付金、未収の譲渡代金、受取手形などさまざまです。

具体的には、以下の種類が挙げられます。

・未収の未収加工料や未収請負金、未収手数料、未収地代家賃
・前払給料や概算払旅費など、他人のために立替払をした立替金
・益金の額に算入された未収の損害賠償金
・売掛金や貸付金などの債権について取得した先日付小切手のうち、
    法人が一括評価金銭債権に含めたもの
・保証債務を履行した場合の求償権 など

貸倒引当金のメリット

貸倒引当金のメリットは、与信管理に対する意識が高まることです。

貸倒引当金に関与がない場合、そもそも貸し倒れのリスクを考慮しないため、徹底した与信管理を行わないでしょう。

この場合、突発的な貸し倒れに悩まされる可能性がある他、最悪の場合は黒字倒産につながる恐れもあります。

そのため、貸倒引当金を見積ることには与信管理を徹底し、貸し倒れリスクを軽減するメリットがあるといえます。

まとめ

取引信用保険とファクタリングは、貸し倒れによる資金繰りの悪化を防ぐ上で効果的なサービスです。

それぞれで特徴やメリット・デメリットは異なるため、自社に適したサービスはどれかをよく吟味して利用するようにしましょう。

日本中小企業金融サポート機構では、ファクタリングをはじめとする資金調達の方法をご紹介しています。

ファクタリングに関しては手数料が1.5%〜と低く、17時までに契約が完了すれば即日振込が可能です。

また、償還請求権なしのノンリコース契約なので、仮に売掛先企業から売掛金を回収できなかったとしても申込企業が責任を負うことはありません。

貸し倒れリスクなくファクタリングを利用できるので、資金調達をお考えであればぜひ利用をご検討ください。

当機構のファクタリングサービスについて詳しくはこちらをご覧ください。

[cta]

貸し倒れにどう備える?取引信用保険とファクタリングの違い

【監修】日本中小企業金融サポート機構 編集局長

保有資格:FP2級

大学卒業後、地方銀行に勤務。主に企業向け融資を担当。その後、損害保険会社にて法人営業、外資系金融機関にて法人融資や人材育成を担当するなど、一貫して金融関連業務に従事。2019年一般社団法人日本中小企業金融サポート機構に入社し、これまでの金融の知識と法人営業の経験を活かし、多くの中小企業・零細企業をサポート。
プライベートでは3児の父の顔も持ち、犬・猫・亀も飼う大家族の大黒柱。

コラム一覧に戻る