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掛取引とは?仕組みやメリット・デメリットについて解説!

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公開日
2023.08.03
更新日
2024.10.18
掛取引とは?仕組みやメリット・デメリットについて解説!

現金決済を行わず取引ができる「掛取引(かけとりひき)」は、会社間で取引を行う上で重要な取引方法となっています。

現在、多くの会社で一般的な取引になっていますが、さまざまなリスクを伴うことも知っておかなければなりません。

そこでこの記事では、掛取引の仕組みと併せて、メリット・デメリットもご紹介します。

売掛金が未回収になってしまった際に役立つ「ファクタリング」についても解説するので、ぜひご参考にしてください。

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掛取引とは?

納品書や請求書

掛取引(かけとりひき)とは、一定期間内に行った取引金額をまとめて後払いで精算する取引のことです。

日常的な買い物や消費者が商品やサービスを購入する際は、その商品やサービスを受け取る代わりに代金を支払いますが、掛取引では定められた期日に代金をまとめて支払います。

個人に置き換えてみると、クレジットカードを使うのとほぼ同じ仕組みです。

買い物でクレジットカードを使った場合、手元の現金を減らさずに商品が手に入り、後日口座から引き落とされることになります。

会社の場合は取引の回数が多くなるため、そのたびに現金で支払うのではなく、1か月分の取引をまとめて後払いすることでやり取りがスムーズになります。これが、掛取引なのです。

また、掛取引は売り手側からすると、商品やサービスを提供したものの代金を受け取っていない期間があるため、会社同士の「信用取引」となるのが特徴です。

なぜ掛取引を行うのか?

先ほども少し触れましたが、会社間の取引によっては回数や金額が大きくなることも珍しくありません。

そのため、取引のたびに代金を決済すると、代金回収の手間や代金支払い時に発生する手数料などのコストが増えてしまうのです。

しかし、掛取引にしてまとめて決済を行うことで、これらの手間やコストを省くことが可能です。

さらに、同じ取引先との間に売掛金や買掛金がある場合は、掛取引の決済時に差額だけを精算することもできます。

売掛金と買掛金

掛取引を理解する上で重要な用語として「売掛金」「買掛金」があります。売掛金とは、商品やサービスを提供した売り手側が請求する金額のこと。

一方、買掛金とは、商品やサービスを購入した買い手側が支払う金額のことを指します。

どちらも同じものを指していますが、売り手側と買い手側で呼び方が異なるのです。

掛取引の基本的な流れ

掛取引を利用して商品やサービスを提供・購入する際の基本的な流れは以下のとおりです。

1. 契約を締結

商品やサービスを提供・購入する会社と契約を結びます。

会社によって契約書の有無は異なりますが、契約書を作成する場合は取引期間や支払期日などを記載します。

2. 商品・サービスの提供

契約時に定めた取引期間にしたがって、商品やサービスを提供・購入します。

このとき、代金の請求・支払いは行いません。

3. 支払期日までに代金の支払い

契約時に定めた支払期日になったら、商品やサービスを購入した買い手側は売り手側へ代金を支払います。

このとき、取引期間に購入した商品やサービスの代金をまとめて支払うのが一般的です。

掛取引におけるメリット

掛取引におけるメリットは以下のとおりです。

取引の手間が簡略化する

売り手側・買い手側どちらのメリットにもなるのが、取引の手間が簡略化できることです。

現金で取引を行う場合、商品やサービスを提供・購入するたびに領収書や請求書を発行、さらに銀行振込などをして精算を行う必要があります。

企業間の取引は一度のみではなく、何度も行われることが多いため、現金取引ではこれらの手間が月に何度も発生することになります。

しかし、掛取引を利用することで月1など、一定期間内の取引をまとめて精算することができるため、領収書や請求書の発行、銀行振込の回数が減り手間も軽減できます。

さらに、精算の回数が減ることで銀行振込時にかかる手数料も抑えることができるのもメリットと言えるでしょう。

現金がなくても購入ができる

買い手側のメリットとして、手元に現金がなくても商品やサービスを購入できることが挙げられます。

現金取引を行う場合、手元に現金がないと商品やサービスを購入することはできません。

企業間の取引では代金が高額になるケースも多く、タイミングによっては現金払いが難しいこともあるでしょう。

しかし、掛取引を利用すれば支払期日にまとめて支払うことができます。

支払期日までに購入代金が準備できるのであれば、すぐに支払いができなくても商品やサービスを購入することができるのです。

販売機会を拡大できる

売り手側のメリットとして、自社商品の販売機会を増やせることが挙げられます。

買い手側は商品やサービスを購入するたびに現金を用意することになるため、現金取引のみの場合はスムーズに行かないこともあるでしょう。

そのため、買い手側は同じ商品やサービスを購入するのであれば、現金取引のみの企業よりも掛取引が選べる企業を選ぶ傾向にあります。

このことから、掛取引を利用することで結果的に販売機会を増やすことにつながるのです。

掛取引におけるデメリット

掛取引におけるデメリットは以下のとおりです。

信用取引にかかるリスク

売り手側のデメリットとして、信用取引のリスクがあることが挙げられます。掛取引では、支払期日まで商品やサービスの代金を受け取ることができません。

必ず売掛金を回収できるという保証もなく、支払いの遅延や貸倒れなどのリスクがあるのです。

そのため、売り手側は売掛金を回収できるように、買い手側に支払能力があるのかを見極める必要があります。

もしも支払期日に売掛金を回収できない場合、法的措置を取らなくてはならないこともあるでしょう。

しかし、近年は回収代行サービスなどがあるため、信用取引にかかるリスクは比較的低くなっていると言えます。

管理にかかる手間

売り手側・買い手側どちらのデメリットにもなるのが、管理にかかる手間です。

掛取引では、売り手側は売掛金の管理を、買い手側は買掛金の管理を常に行っておく必要があります。

商品やサービスを提供・購入するたびにすぐに現金で精算を行っておけば、取引残高を常に管理しておく手間はかかりません。

掛取引において重要なこと

バインダーとペンをもって微笑む女性

掛取引において重要なことは以下の2つです。

適切に管理する

掛取引では商品やサービスの提供・購入を行うと、代金の受け取りや支払いを行っていなくても、帳簿に「仕入れ」「売上」と計上します。

そのため、この記帳だけではどの取引先企業にどれくらいの売掛金や買掛金があるのか分からなくなってしまいます。

そこで、売掛金や買掛金の勘定科目とは別に、取引先ごとの元帳を作成して明細が分かるようにしておくことが大切です。

これにより、取引先企業ごとの回収状況や支払状況が一目で分かります。

もし回収ができていない場合は、催促して掛取引の未回収分が大きくなりすぎないよう管理しましょう。

支払いについても同様に管理していくことが大切です。

与信管理を行う

販売機会を増やすために、どの企業とも掛取引を行うのは避けたほうが良いでしょう。

というのも、掛取引を行う前に、支払期日にしっかりと支払いができる経済力があるのかを見極める必要があるからです。

そこで重要となるのが、売掛先となる企業のチェックを行う与信管理です。

民間の調査会社による企業情報・信用情報を確認するほか、法務局で取得できる商業謄本の変更履歴や資本金額、所有している不動産謄本の所有者名義、抵当権の設定の有無、差し押さえ登記などを確認しておきましょう。

さらに、売掛先企業の雰囲気や社長の性格チェックなどもしておくことをおすすめします。

売掛金を資金化できる「ファクタリング」について

ファクタリングとは、企業が保有する売掛金をファクタリング会社へ売却することで、本来の支払期日前に資金化できるサービスです。

資金繰りに困っている経営者の方におすすめのサービスとなっていますので、仕組みやメリットを押さえておきましょう。

ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングとは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説【図解あり】

ファクタリングの仕組み

ファクタリングは「買取型」と「保証型」の2種類があります。

買取型は、売掛金を本来の支払期日前に資金化し、売掛金が未回収になるリスクも低減できる方法です。

かかるコストは手数料のみで、ファクタリング契約後は最短即日で資金化できます。

一方保証型は、売掛金の未回収リスクに備えるための方法です。

かかるコストは保証料のみで、売掛金が回収できないことが決まったあとに保証金が入金される仕組みとなっています。

つまり、買取型は「資金調達」、保証型は「未回収リスクに備える保険」としての目的があるのです。

ファクタリングのメリット

ファクタリングを利用するメリットは以下のとおりです。

【買取型】売掛金を早期資金化し事業資金に使える

買取型のファクタリングでは、申し込みから最短即日で資金化することができます。

例えば銀行から融資を受ける場合、審査に多くの資料が必要になり、審査に通っても振り込みまでに早くても数週間かかります。

しかし、ファクタリングなら必要資料も少なく、最短即日で資金化できるため、急に事業資金が必要になったときでも安心です。

【保証型】売掛金の未回収リスクを抑えられる

保証型のファクタリングでは、売掛金の未回収リスクを低減できるのがメリットです。

もし売掛先企業の倒産などにより売掛金が未回収になった場合でも、保証型のファクタリングを利用していればファクタリング会社があらかじめ設定した保証金が入金されるため、未回収のまま売掛金が貸し倒れになるのを防ぐことができます。

このほか、ファクタリング会社は利用者に未回収になった売掛金の支払いを請求する権利(償還請求権)がありません。

そのため、ファクタリング会社から受け取った売掛金の譲渡代金を返還する必要がありません。

償還請求権については下記コラムで詳しく解説しています。
償還請求権とは?ファクタリングに重要な“誰がリスクを負うか

【買取型・保証型】どんな会社でも基本的に利用できる

ファクタリングは売掛金があればどのような会社でも利用できます。というのも、ファクタリング会社が重要視するのは、売掛先の信用力です。

そのため、お申し込みいただいたお客さまの会社の信用情報には左右されません。

例え赤字があっても、税金や社会保険を滞納していても、個人事業主でも業界を問わず利用できます。

まとめ

企業間取引を円滑にする掛取引は、便利な仕組みではあるものの、信用リスクが付き纏います。

もし売掛金のある会社が倒産などにより支払いが困難になった場合、代金を回収することができなくなるため、万が一に備えておくことが重要です。

掛取引によるリスクを低減したいとお考えなら、ぜひファクタリングの利用をご検討ください。

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掛取引とは?仕組みやメリット・デメリットについて解説!

【監修】日本中小企業金融サポート機構 編集局長

保有資格:FP2級

大学卒業後、地方銀行に勤務。主に企業向け融資を担当。その後、損害保険会社にて法人営業、外資系金融機関にて法人融資や人材育成を担当するなど、一貫して金融関連業務に従事。2019年一般社団法人日本中小企業金融サポート機構に入社し、これまでの金融の知識と法人営業の経験を活かし、多くの中小企業・零細企業をサポート。
プライベートでは3児の父の顔も持ち、犬・猫・亀も飼う大家族の大黒柱。

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