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手形貸付は一般的な融資よりもスピーディーに資金を調達できるため、手形貸付の利用を検討している経営者もいるのではないでしょうか。
ただし、手形貸付にはリスクもあるので、利用前に知っておくことが大切です。
そこで今回は、手形貸付とはどのようなものなのかをはじめ、利用するメリット・デメリットや手形借入金の記帳例、手形貸付と証書貸付の違いなどをご紹介します。
【注目】手形貸付や融資の審査に落ち資金調達ができずお悩みの方へ
手形貸付はスピーディーに資金調達が可能ですが、審査の際自社の経営状況が重要になります。
その点、ファクタリングは売掛先の信用度が重視されるので、自社の経営状況に関わらず資金調達が可能です。
ファクタリング会社は数多く存在しますが、日本中小企業金融サポート機構は、関東財務局長及び関東経済産業局長が認定する「経営革新等支援機関」に認定されていますので、安心してご利用いただけます。
ファクタリングでいくら資金調達ができるのか、10秒で無料診断ができますので、ぜひ即日調達診断よりお問い合わせください。
手形貸付とは、借主が約束手形(所定の金額を一定の期日までに支払うことを約束した有価証券)を振り出し、それを貸主に渡して融資してもらう方法です。
銀行から融資を受ける場合、一般的には借用証書(※)を作成するため、連帯保証人の署名・捺印を行ったり融資を受ける企業と連帯保証人の印鑑証明書を提出したりと、手続きに手間がかかります。
一方で、手形貸付では最初に銀行取引契約書と連帯保証人の保証契約書を取り交わす必要がありますが、次回以降は借入用手形に融資を受ける企業の署名・捺印を行うだけなので、手続きを簡略化できます。
約束手形については下記コラムで詳しく解説しています。
流れや目的が違う!約束手形と為替手形の違いを知ろう
手形貸付は、基本的に1年以内に弁済する短期の貸し付けです。
そのため、主につなぎの運転資金を調達したい企業に利用されています。例えば建設業の場合、工事が完了した後に報酬が支払われるのが一般的です。
報酬を受け取るまでの期間は材料費や人件費などが発生するため、運転資金がないとこれらの費用を支払うことが難しくなるでしょう。
しかし、手形貸付を利用すれば資金を調達できるため、材料費や人件費などを支払うことができます。
一般的な融資は分割して弁済ができますが、手形貸付は一括で弁済を行うことが基本なので、その点は留意しましょう。
なお、手形貸付で融資を受ける際は当座預金口座の開設が必要な上、金融機関の審査に通過しなければなりません。
※調達可能額や金利、弁済期、利率及び利息支払方法、遅延損害金など細かい情報が記載された契約書のこと。
手形借入金とは、手形によって資金を借り入れた際に用いる勘定科目です。企業にとって負債になるため、帳簿に記入する際は「貸方」の項目になります。
なお、手形を振り出し銀行から資金を借入する場合、利息も差し引かれます。利息分も帳簿に記入しないと借方が不足してしまうため、記入する際は注意が必要です。
銀行から200,000円を借入し、利息で6,000円差し引かれた場合の記入記帳の仕方は以下のとおりです。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
当座預金 支払利息 | 194,000円 6,000円 | 手形借入金 | 200,000円 |
ここでは、手形貸付のメリットをご紹介します。
手形貸付は、借用証書を作成する一般的な融資に比べて、手続きを簡略化することができます。
この理由により、銀行の審査に通過すると早期に資金を調達することが可能です。
手形貸付なら印紙税を節約することができます。借用証書の作成が必要な融資の場合、貸手分と借手分の2枚に印紙を貼り付けなければなりません。
例えば、1,000万円の借入をする場合は印紙2枚で20,000円かかります。
一方で、手形貸付は約束手形に1枚の印紙を貼り付ける必要がありますが、借用証書に比べて印紙税が安いため、2,000円で済みます。
このように、印紙税を節約できることにより借入コストを抑えることができます。
手形貸付の場合、不渡りを出してしまうと企業の信用力が低下し、場合によっては倒産する可能性があります。
約束手形を振り出せるということは、企業の信用力が担保されていると考えることができるため、審査が簡略化されます。
営業活動においては黒字経営であっても、キャッシュフローが著しく滞った場合、経営する上で必要なものを購入したり維持したりすることができなくなります。
キャッシュフローが悪いと、黒字倒産してしまうケースもあるでしょう。
そのような場合、手形貸付を利用すれば早期に資金調達できるため、キャッシュフローの改善に役立てることが可能です。
手形貸付には上述したようなメリットがありますが、その一方でデメリットもあります。
繰り返しになりますが、手形貸付は基本的に1年以内に弁済する短期の貸し付けです。
そのため、長期的な融資は受けることができない点は手形貸付のデメリットといえます。
手形貸付は、一定の期日までに全額弁済しなければなりません。仮に融資を受ける企業が赤字経営だと、貸手側は弁済してもらえない可能性が高くなるでしょう。
この理由により、手形貸付は企業としての信用度が重要となります。
不渡りとは、何らかの理由により振り出した手形の支払期日に決済できなかったことをいいます。
本来は弁済期日までに当座預金口座に弁済額を全額入金しておかなければなりませんが、期日までに資金を用意できなかった場合は、不渡りとなり全国銀行協会へ報告されてしまいます。
不渡りを出した事実が伝わると企業の信用力が低下し、融資を受けられなくなる可能性があります。
加えて、取引先にもその事実が知られると企業の信用力が低下するため、取引量を減らされたり取引が中止になったりする可能性もあるでしょう。
1回でも不渡りを出してしまうと、大きな損失を被る可能性があります。1回目の不渡りから半年以内に再び不渡りを出してしまった場合は、銀行取引停止となります。
当座預金口座を利用した取引は2年間停止になりますし、銀行からの融資を受けることもできません。
このように、手形貸付は不渡り時のリスクが大きいため、計画的に利用することが重要です。
手形貸付と証書貸付(借用証書)には、以下のような違いがあります。
手形貸付は、一定の期日までに全額弁済することが基本です。
それに対し、証書貸付は最終日までに全額弁済できれば良いため、分割で弁済することができます。
繰り返しになりますが、手形貸付は短期の貸し付けなので借入期間は1年間です。
それに対し、証書貸付は1年以上と長期で利用することができます。
手形貸付の融資金額は、手形の額面未満です。
短期間で全額弁済しなければならないため、そこまで高額になることはありません。
それに対し、証書貸付は分割で弁済ができる上、1年以上利用が可能なため高額を融資してもらうことができます。
手形貸付は早期に融資を受けられる資金調達手段ですが、同様に早期に資金調達が可能なサービスとしてファクタリングがあります。
そこで以下では、ファクタリングについてご紹介します。
ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングとは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説【図解あり】
ファクタリングとは、売掛金の支払期日前に資金化するサービスです。
企業が保有する売掛金をファクタリング会社に売却することで、早期に資金を調達することができます。
ファクタリングには「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」があり、それぞれの特徴は以下のとおりです。
2者間ファクタリング | 申込企業とファクタリング会社の2者間で契約。売掛先の承諾を得る必要がないため、即日資金調達が可能な場合がある。売掛先にサービスの利用を知られる心配がない。 |
3者間ファクタリング | 申込企業と売掛先、ファクタリング会社の3者間で契約。売掛先を通すことでファクタリング会社は売掛金が実在することを確認でき、売掛金の未回収リスクを低減できるため手数料が低く、審査に通りやすい。 |
2者間ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
2者間ファクタリングとは?メリットや手数料、利用のポイントを解説
3者間ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
3者間ファクタリングとは?メリット・デメリットと利用の流れを解説!
前述したように、ファクタリングは早期に資金調達が可能なサービスです。2者間ファクタリングの場合は、即日資金調達が可能な場合があります。
3者間ファクタリングの場合は売掛先に承諾を得る必要があるため、2者間ファクタリングに比べて資金を調達できるまで多少時間がかかってしまいます。
とはいえ、それでも銀行から融資を受けるよりも早く資金を調達することが可能です。
ファクタリングの審査で重視されるポイントは、売掛先の信用力です。
そのため、手形貸付を利用して不渡りを出した場合でも、ファクタリングなら利用できる可能性があります。
また、ファクタリングであれば審査に通りやすいため、銀行の融資を断られた企業も利用できる可能性があるでしょう。
ファクタリング契約の多くは、償還請求権がありません。
償還請求権なしの契約であれば、売掛先が万が一倒産して売掛金を支払えなくても、その責任をファクタリング会社が負います。これにより、ファクタリングは売掛金の未回収リスクに備えることができます。
償還請求権については下記コラムで詳しく解説しています。
償還請求権とは?ファクタリングに重要な“誰がリスクを負うか”
ファクタリングは、融資(借入)と違って売掛金の額が上限です。
つまり、売掛金を上回る額を資金化することはできないということ。
ファクタリングを利用する際は、売掛金の金額内でしか資金化できないということを念頭に置いておきましょう。
手形貸付とは、約束手形を振り出し融資してもらう方法です。売掛先から売掛金が入金されるまでの間に資金を調達したい場合、手形貸付を利用することにより早期に資金調達が可能です。
ただし、手形貸付は企業としての信用度が重要なので、赤字経営だったり税金の滞納があったりすると審査に通ることが難しくなります。
その点、ファクタリングは売掛先の信用力が重視されるため、赤字経営であっても利用できる可能性があります。
一般社団法人日本中小企業金融サポート機構では、ファクタリングサービスをはじめ、お客さまに適した資金調達の方法をサポートしています。
資金繰りでお悩みの方は、ぜひ当機構にご相談ください。
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