コラム

雇用調整助成金ってどんな制度?

近年大きな地震が日本各地で起きています。

阪神淡路大震災をはじめとして、新潟中越地震、東日本大震災、熊本地震などいろいろとありました。

このような震災によって、家屋だけでなく会社も深刻なダメージを受ける可能性があります。

設備の破壊や取引先の倒産などで、会社経営を続けるのが厳しくなっている企業はありませんか?

このようなときに活用できる雇用関係の助成金制度がありますので、利用を検討しましょう。

もし会社経営が厳しく、今のスタッフを雇えない場合には、雇用調整助成金という制度の活用が考えられます。

雇用調整助成金ってどんな制度?

雇用調整助成金とは、震災や景気の悪化などで経営状態が厳しくなった際、事業規模を縮小しなければならない、現在の従業員の雇用を維持できないときに支給される助成金です。

経営状況が悪化しているので社員をリストラしなければならないけれども、できることなら雇用を今まで通り維持したいという事業主がいれば、活用を検討しましょう。

支給額は大企業が1/2・中小企業は2/3の割合と決められています。

受給期間は届け出を行い、雇用調整を行った日から起算して1年間となります。

「雇用調整」とは、3つの項目のいずれかになります。それは休業と教育訓練、出向のいずれかです。

ちなみに従業員に休業を求める場合、休業手当を渡す必要があります。雇用調整助成金が適用されれば、助成金の一部を使って休業手当を支給できます。

この制度は震災の発生状況や景気動向などで、拡充・縮小が行われます。

例えば20082009年ごろに発生した世界的な金融危機の際には、大幅に雇用調整助成金の枠を拡充したこともありました。

拡充・縮小が頻繁に行われているということは、制度・要件の変更もしばしば行われています。

ですからもし雇用調整助成金の活用を検討しているのであれば、最新の情報を確認する必要があります。

雇用調整助成金を受給するための主な要件

雇用調整助成金を受給するためには、まず雇用保険の適用事業主でなければなりません。

また休業や職業訓練などを行う従業員が、雇用保険被保険者として6カ月以上にわたって継続雇用していることも条件となります。

そのうえで景気の変動や産業構造の変化などといった経済上の理由で事業規模の縮小せざるを得ない事業主が対象です。

景気の悪化のほかにも、地域経済の衰退、競合する製品・サービスが出てきたなどがあります。

また外国の情勢の変化などで、為替の変動なども認められます。

事業の縮小については、最近の3カ月間とその直前の3カ月間もしくは前年同期と比較して、生産量などの事業活動にかかわる指標が10%以上落ち込んでいることが基準となります。

加えて、直近3カ月間で雇用被保険者と派遣社員含めた従業員数が、前年同期と比較して増加していないことです。

ただし多少の増加であれば、申請は可能です。目安としては、中小企業が3人・大企業は5人までの増員であれば審査クリアできるでしょう。

また休業や教育訓練、出向のいずれかを行う、かつそれが労使協定に基づくもので、事前に公共職業安定所に届出を行っている事業主であることも条件となります。

そのためには計画届や協定書などの必要書類を申請手続きの際などに提出する必要があります。

雇用調整助成金の受給までの流れ

雇用調整助成金の申請手続きですが、雇用調整をする2週間までを目途とします。

提出先は管轄している労働局もしくはハローワークです。

休業・教育訓練による雇用調整を希望する場合、雇用調整助成金休業等実施計画届、休業協定書、教育訓練協定書、教育訓練の状況を示した就業規則、教育訓練計画一覧表、当時事項証明書、月次損益計算書、従業員名簿を提出します。

判定基礎期間は13カ月分の間で選択しましょう。

出向する場合には、上で紹介計画届や損益計算書、従業員名簿、登記事項証明書のほかに出向協定書と出向契約書を提出しなければなりません。

出向の場合、助成金の申請は6カ月ごとに行います。

次の助成金の支給を希望する場合には、6カ月を経過したのち2カ月以内に申請する必要があります。

ただし手続きをするにあたっての必要書類は、上で紹介したもの以外の資料の提示を求められる場合があります。

例えば売上高や従業員数の確認できる資料や賃金規定に関して書かれている書類などです。

これはハローワークや労働局などでケースバイケースなところがあります。スムーズに手続きを進めたければ、窓口であらかじめ確認しておいた方がいいでしょう。

景気悪化や震災の一時的な経営の窮地を救うために、雇用調整助成金は有効な制度といえます。

また社会的に見ても、リストラをするリスクを軽減できるので労働者にとっても雇用の安定という意味ではメリットのある助成金制度です。

もし現在の一時的な危機を乗り越えるにあたって、今の従業員を雇用し続けたいけれども当面は人件費の捻出が難しいというのであれば、雇用調整助成金の申請を検討しましょう。

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