コラム

企業の資金調達における公的融資制度とはどんなもの?

会社を運営していくためには、資金が何よりも必要です。資金調達をするにあたって、銀行など、民間の金融機関の融資をイメージする人もいるでしょう。しかし公的機関でも融資を実施しています。公的融資制度について以下で詳しく紹介していきます。ケースバイケースで、銀行融資と公的融資制度を使い分けるのがポイントです。

公的融資制度とは

資金調達するにあたって、公的融資制度を活用する方法があります。公的融資制度とは、国や地方自治体をはじめとする公的機関が経営者に資金を融資する制度のことです。主な対象は中小個人事業主やこれから開業しようとしている起業家です。銀行融資のように利息による利益を目的としていません。あくまでも企業に対する金融面のサポートをすることで、地域経済の下支えをすることが目的です。

公的融資制度の主な機関

公的融資制度を実施しているところは、いろいろとあります。会社のある地方自治体で独自の融資制度を導入しているケースもあります。その中でも以下で紹介する3つの公的機関が、公的融資を希望する場合有力な候補になるでしょう。

日本政策金融公庫

まずは日本政策金融公庫です。公的融資制度という場合、日本政策金融公庫からの融資がポピュラーです。日本政策金融公庫は、平成20年当時にあった国民生活金融公庫と中小企業金融公庫、国際協力銀行が統合されて新たに発足した、国の作った公的機関です。企業の規模や年数で銀行からなかなか融資を受けられない信用力の低い人、新規事業や海外進出を図る企業、無担保の融資など、様々なスタイルの融資制度を用意しています。日本政策金融公庫の場合、金利も銀行融資と比較して低く設定されています。このため無理のない返済計画を立てられます。いろいろな融資がありますが、その中でも主力なのが、普通融資です。金融業や投機的事業、娯楽業以外であれば、すべての中小企業が対象になります。最高4800万円までの融資に対応していて、5年もしくは10年以内の返済期間となります。運転資金でも設備投資のための資金でも、いずれの用途でも利用可能です。そのほかには特定設備の投資のための資金融資として、マル経融資もあります。最高7200万円までの融資に対応していて、20年以内の返済期間で借入できます。

信用保証協会

2つ目の公的融資の方法として、信用保証協会があります。中小企業の場合、信用力が低いので銀行融資を希望してもなかなか審査が思うように通らない傾向があります。そこで信用保証協会付で融資を申し込むのです。信用保証協会が保証をしてくれるので、銀行としても融資しやすくなります。この場合、2段階の審査をクリアする必要があります。まずは信用保証協会の保証が受けられるかどうかの審査を受けます。そのうえで銀行に融資の申し込みをして、審査通過して初めて資金調達できます。信用保証協会を通じて融資を希望する場合、融資実行されるまで1か月前後かかる可能性が高いので、その間の資金のやりくりも考えていく必要があります。

商工組合中央金庫

最後の公的融資の方法は、商工組合中央金庫からの融資です。商工組合中央金庫は中小企業に事業資金を供給することで、経営の安定化を図ることが目的です。このため、中小企業を対象にした融資が中心となります。一般的な融資以外にも、国の背策と連携した融資制度や業界団体の制度融資にも対応しています。いくつかのコースがありますので、自分の用途にマッチするものを見つけましょう。

公的融資制度の資金調達の特徴

民間銀行で通しにくい融資を検討してくれる

公的融資制度は営利目的ではないのが、銀行融資と大きく異なるところです。銀行融資の場合、確実に返済してくれる大企業を対象に融資する傾向があります。信用力に乏しい中小企業には融資を絞る傾向があるのです。公的融資制度は、経済の底上げをすることを目的としているので、銀行融資の審査通過の厳しい人にも積極的に融資を行っています。中小企業や実績のない起業家などにも融資を実施しています。また金利を低く設定し、返済期間も長くできるので無理のない返済計画を立てられます。

稟議に時間がかかる

公的融資制度の場合、融資が実行されるまでに時間がかかります。先ほども紹介したように、信用保証協会付きの融資の場合は2段階の審査を受ける必要があり、1か月前後かかってしまうことも珍しくありません。時間がかかりすぎると、その間に資金ショートの危機に立つ事態もあり得ます。そのような場合にはノンバンクを使ってつなぎ融資でしのぐ、もしくはファクタリングのような、ほかの資金調達方法の利用も検討したほうがよいでしょう。

公的融資制度は、中小企業や個人事業主のような銀行の審査の通過が難しい人でも融資を行っています。銀行融資の審査に通らなくて途方に暮れているのであれば、公的融資制度が利用できないか検討しましょう。ただし融資実行まで時間がかかるので、早めの準備と必要に応じてつなぎ融資を行うなど万全の対策をすることも大事です。