コラム

金利は経費にできる? ビジネスローンの仕訳方法

ビジネスローンなどの借入金の利息は経費として計上できることをご存知でしょうか。


このことをしっかりと理解していないと、経費計上できるはずのものをし損じ、課税所得が増して、余分な納税をしてしまうことにもなりかねません。


ここでは下記3つについて徹底解説をしていきます。


  • ビジネスローンの金利を経費にできるか否か
  • ビジネスローンの仕訳方法
  • ビジネスローンの仕訳時の注意点


ぜひ、最後までご覧ください。

ビジネスローンの金利は経費にできる!

ビジネスローンに限らず、事業資金を融資で調達した場合、会計上の扱いは「借入金」です。


そしてビジネスローンをはじめとした事業目的の融資の返済金のうち、利息部分は経費として計上できます


また、印紙代や事務手数料も経費として処理可能です。


仕訳するときの科目は、利息は「支払利息」(個人事業主の場合は利子割引料)、印紙代は「租税公課」、事務手数料は「支払手数料」です。


ただし、元本は経費になりませんので、仕訳するときは元本と利息に分ける必要があることには注意してください。


銀行から100万円の融資を受けて、印紙代200円、手数料2万円が差し引かれたのち、979,800円が事業用口座に振り込まれた場合の仕訳は、以下の通りです。

借方貸方
普通預金
979,800円
短期借入金
100万円
租税公課
200円
支払利息
20,000円

ビジネスローンは流動負債か、固定負債か?

借入金は、返済期間によって勘定科目が短期借入金か長期借入金かに分類されます。


貸借対照表では、短期借入金は流動負債長期借入金は固定負債として計上します。


どちらに該当するかは、債務の支払い期限によって判断します。


支払期限が1年以内のビジネスローンであれば短期借入金なので、流動負債です。


より詳細に説明すると、資金を借り入れた日の翌年度の期首日から起算し、1年以内に支払期限の到来するものが流動負債です。


これに対し、支払期限が1年を越える場合は長期借入金になるため、固定負債です。


同じく、資金を借り入れた日の翌年度の期首日から起算し、1年を超えて支払期限の到来するものが固定負債です。


ビジネスローンを利用して300万円の融資を受ける場合、支払期限が1年以内の場合と1年を超える場合の仕訳はそれぞれ以下の通りです。


・支払期限が1年以内の場合
借方貸方
普通預金
300万円短期借入金
300万円
・支払期限が1年を超える場合
借方貸方
普通預金
300万円長期借入金
300万円

ビジネスローンの仕訳方法

ビジネスローンの仕訳方法を、具体例を挙げながら説明します。


300万円の借入で、金利は年率15.0%、返済回数は60回(5年)、元利金等返済の場合で考えましょう。


ビジネスローンの借入金が普通預金に入金された場合、仕訳は次の通りです。

借方貸方
普通預金
300万円短期借入金
300万円


普通預金に入金されれば上の通りですが、現金で受け取った場合は「現金」という勘定科目を使います。


次に、1ヵ月目の返済時の仕訳をします。


上の条件では、1回目の返済金額は7万1,369円、元金は3万3,869円、利息は3万7,500円です(参考数値)。

借方貸方
短期借入金
33,869円普通預金
71,369円
支払利息
37,500円


60回目の返済金額は7万1,369円、元金は7万515円、利息は854円です(参考数値)。


60ヵ月目の返済の仕訳は、次の通りです。

借方貸方
短期借入金
70,515円普通預金
71,369円
支払利息
854円


1カ月目と60カ月目で比較すると、支払う額が同じでも元金と利息の内訳は大きく異なります。


上記の返済額、元金、利息についてはすべて参考数値であり、実際の金額とは異なる可能性があります。


返済金額は自分で計算したり、Web上のシミュレータを利用したりすることで算出できますが、ビジネスローンの契約時に受け取る「返済予定表」があれば、そこに月ごとの数字が記載されています。


それを見て記帳すれば問題ありません。

法人カードのキャッシングの場合

ビジネスローンの中には、カードローン方式のものが増えてきています。


カードローン方式では限度額が設定されていて、その範囲内であればいつでもCDやATMで借入が可能です。


そのため、流動負債に該当するのか固定負債に該当するのか迷いがちです。


しかし、カードローンの多くは契約期間が「1年毎の自動更新(自動延長)」となっています。


この場合は、短期借入金の流動負債と判断するのが一般的です。


また、カードローンでは多くの場合、返済方法がリボ払いとなっています。


その場合、毎月の返済額は変わらないのですが、実際には複数の借入の返済が含まれています。


そのため、カードローンで借入をする際は、その都度、仕訳をし、元本と利息も利用明細書を確認して明確に分けておく必要があります。

法人カードの注意点

クレジットカードの法人カード(法人口座を引き落とし口座設定しているカード)でキャッシングをした場合も、融資を受けたときと同じように会計処理しなければなりません。


支払期限が1年以内なら短期借入金、1年を超える場合は長期借入金となるのも変わりません。


キャッシングの場合は通常、短期借入金になるはずです。


ただし、法人カードのキャッシングの金利は15~18%ほどで、ビジネスローンと比べても高金利です。


会計処理も複雑になるので、ビジネスローンだけに絞ったほうがベターです。


では、法人カードを使ったクレジット払いで事業に利用するものを購入したケースではどうでしょうか。


この場合、利用する勘定科目は「未払金」です。


未払金とは、1年以内に支払う、備品などの通常の仕入取引以外の取引に係る未払いの債務のことです。


ビジネスローンなどの借入とは、別の扱いです。

個人事業主は仕訳方法に注意

個人事業主の方がビジネスローンを利用する場合は、融資金が事業用口座に入金されるのかプライベート口座に入金されるのかによって、仕訳方法が若干異なります。


事業用口座に入金される場合は、上述したように借方に「普通預金」、貸方に「借入金」を用いる仕訳方法で問題ありません。


しかしプライベート口座に入金される場合は、貸方は「借入金」で同じですが、借方には「事業主貸」という勘定科目を用います。


ビジネスローンを利用して300万円の融資を受ける場合、それが事業用口座に入金される場合とプライベート口座に入金される場合の仕訳方法は、それぞれ以下の通りです。


・事業用口座に入金される場合

借方貸方
普通預金300万円短期借入金
300万円


・プライベート口座に入金される場合

借方貸方
事業主貸300万円短期借入金
300万円


事業主貸は、事業用のお金を事業主が個人的に利用するために事業用口座から引き出すときに、用いられる勘定科目です。


個人事業主の場合は口座のお金に動きがあったとき、事業に関係のあるお金の動きなのかプライベートでのお金の動きなのかが、分かりにくい場合があります。


ビジネスローンも基本的には事業用ではあるものの、プライベート資金として利用していいケースも多いことが、その傾向に拍車をかけているとも言えるでしょう。


そのため、ビジネスローンを事業用とプライベート用兼用で利用する場合は、事業用に利用したお金のみ仕訳を行うことを心がけましょう。

ビジネスローンの仕訳の注意点

繰り返しになりますが、ビジネスローンの仕訳ではまず元本と支払利息を分けて記帳するのが基本です。


これは、利息については経費として計上できるからです。


そして毎月の返済についても、同じ方法で仕訳をして記帳していきます。


企業会計原則に継続性の原則として定められている通り、勘定科目についても、もちろん毎月同じものを使用しましょう。


たとえば以下のように、同じローンへの返済の仕訳において、異なる勘定科目を用いてはいけません。

借方貸方
短期借入金33,869円普通預金
71,369円
支払利息
37,500円
借方貸方
短期借入金34,869円普通預金
71,369円
利子割引料
36,500円


ビジネスローンの金利負担分は、経費として計上できます。


返済期間によって短期借入金か長期借入金か変わってくるので、仕訳をする際は要注意です。


毎回、同じ方法で仕訳を行うことも重要です。