コラム

卸売業の利益率の平均は? ほかの業種と比較

卸売業の利益率はどのくらいが目安となるのでしょうか。


利益率を計算してみることで「どれくらい儲けているのか」そして「自社のどんなところに課題があるのか」など、儲けているポイントや課題が見えてきます。


この記事では利益率とは何か、卸売業とほかの業種の利益率の違いなどを見ていきます。

売上高総利益率(粗利益率)とは

自社の儲け具合を測る指標の一つが「売上高総利益率」です。


売上総利益から売上高を割って100をかけることによって算出することができます。


売上高総利益率で判明するのは「自社でよく売れている商品があるどうか」ということです。


自社の商品がよく売れて、かつ商品の仕入れや製造にかかる費用が少なければ少ないほど数値が良くなっていきます。


売上高総利益率を上げる方法はいくつかあり、その一つが「製造や仕入れにかかるコストを下げる」ことです。


一般的には売上を維持しつつ商品の原価や仕入れにかかった費用を抑えられると売上高総利益率は高くなります。


卸売業の場合は、より商品を安く仕入れられる取引先を探すなどが効果的な対策といえます。


2つ目の方法は「取り扱う商品を変える」ことです。


以前はよく売れていたけれど、近年はトレンドの変化や競合他社が増えたことにより思ったより利益が上げらなくなったという商品はないでしょうか。


そうした商品があれば取り扱うのをやめて他の商品を扱うようにすると売上高総利益率が改善されます。

売上高営業利益率とは

売上高営業利益率とは売上高に対する営業利益の比率を表した指標です。


営業利益を算出し、それに売上高で割って100をかけた値が売上高営業利益率となります。


売上高営業利益率で判明することは「自社の営業力がどれくらい優れているのか」ということです。



高い営業利益率を上げるには質の良い商品を用意するだけでなく、効率よく販売をしてくれる営業スタッフの存在が欠かせません。


売上高営業利益率は営業スタッフがどれくらい効率よく働いているかを表す指標となっています。



売上高営業利益率を上げる方法の一つが「余計な営業スタッフを減らす」というものです。


1個あたりの利益率が高い商品を取り扱っている場合は、大量のスタッフを雇用して販売するよりも、余計なスタッフを減らして少数精鋭で望むほうが、高い売上高営業利益率を挙げられるようになります。


もう一つの方法は先ほどとは逆に「営業スタッフを増やす」という方法です。


1個あたりの利益率は低いけれど、大量に生産できる商品を扱っている会社の場合は、営業スタッフを大量に雇用してとにかく売りさばかせるという戦術がお薦めです。

売上高総利益率と売上高営業利益率の関係とは

売上高総利益率と売上高営業利益率を計算したら、今度はその2つの数値を比較してみてください。


売上高総利益率から売上高営業利益率を引くと、費用に対する販売費や一般管理費の割合が分かるようになり、この割合が高いか低いかで今後取るべき戦略が変わっていきます。



最初は、売上高総利益率と売上高営業利益率の割合が小さい場合です。


こちらは販売費や一般管理費が抑えられていることを示しており、効率よく販売を行なっていることが分かります。


売上高営業利益はその性質上、売上総利益を超えることはないので、今後利益をさらに増やしたい場合は売上高をさらに上げていくことが必要になります。


取り扱う商品を見直したりしてみてください。


次は、売上高総利益率と売上高営業利益率の割合が大きい場合です。


差が大きいほど販売費や一般管理費が増大しているので、自社内でなにかトラブルが発生している可能性があります。


自社におけるビジネスモデルを見直したり、自社のスタッフが働きやすい環境を作ったりなど、自社内の問題点を見つけて改善するようにしましょう。

卸売業の売上高総利益率の平均はどのくらい?

売上高総利益率は算出したら、それで終わりではありません。


算出した数字が他の企業と比べて優れているのか劣っているのかを判断する必要があります。


ですが、売上高総利益率を公開している企業は決して多くないので、基本的には業界の平均値との比較となります。



経済産業省が2017年度の売上高総利益率について調査をした結果、卸売業の平均は11.8%でした。


これに対し、製造業は22.3%、小売業が27.6%、飲食店では55.9%がそれぞれ平均値ということが判明しました。


卸売業はビジネスモデルの都合上、多くの業者が介入するため売上高総利益率が低くなっており、逆に飲食店は仕入れた商品や食材をすぐ使用する必要があるため売上高総利益率が高くなっています。


また、同じ業界であっても企業規模によって売上高総利益率は異なっており、卸売業の大企業は9.5%なのに対して、中小企業は15.8%と企業規模が小さいほど売上高総利益率が高くなっているのが特徴です。

卸売業の売上高営業利益率の平均はどのくらい?

一方、売上高営業利益率について、2017年に経済産業省が調査したところ、卸売業における売上高営業利益率の平均は1.1%で、製造業は4.0%、小売業では2.1%ほどになり、飲食店においては8.6%が平均値ということが判明しました。


売上高総利益率では小売業や飲食店は卸売業を10%以上引き離していましたが、売上高営業利益率ではその差が大幅に縮まっています。


これは小売業や飲食店は、仕入原価が安くても高額な人件費がかかるという性質によるものです。


小売店や飲食店の売上は、商品の良し悪し以上に、働くスタッフの質に大きく依存しているのです。


売上営業利益率は売上総利益率と同じく、企業規模によっても差が発生し、卸売業ならば大企業は0.9%、中小企業は1.6%が平均となっています。


小売業の場合は大企業で1.0%、中小企業は2.5%がそれぞれ平均値であり、飲食業の大企業は3.6%で中小企業は7.8%ほどです。


なお、製造業のみ大企業、中小企業ともに売上高営業利益率は4.0%と差がありません。


売上利益率や営業利益率の数字を出して、その背景にあるものを調べることは自社の経営を改善することにつながります。


その時はあなたの会社の利益率だけに注目するのではなく、同規模の同業他社の数値や業界平均と比較して経営を改善するようにしましょう。