コラム

ファクタリングと手形割引の違いとは?資金調達方法比較

「ファクタリング」と「手形割引」は、どちらも売掛金を早期資金化できる資金調達方法です。

ファクタリングと手形割引は仕組みが似ているため混同されがちです。

この記事ではファクタリングと手形割引の概要と違いを解説します。

それぞれメリット・デメリットも解説します。

両者の特徴や仕組みを理解し、自社に合ったサービスを選びましょう。

この記事では、下記の内容について説明します。

・手形割引とは
・ファクタリングとは
・ファクタリングと手形割引の4つの違い
・ファクタリングと手形割引のメリット
・ファクタリングと手形割引のデメリット
・ファクタリング・手形割引どちらが向いているか?
・ファクタリングは利用する会社選びが重要!

ファクタリングと手形の違いが分からない方や、手形割引からファクタリングへの変更を考えている方は参考にしてください。

手形割引とは

手形割引とファクタリングはどちらも売掛債権の現金化により資金調達を行う方法です。

簡単にいうと受取手形を現金化するのが手形割引。

売掛金を現金化するのがファクタリングです。

手形とは

手形とは、記載された金額を指定した期日に支払うことを約束した信用証券のことです。

手形は、決済手段として商品代金や掛け代金の支払いのため、現金の代わりに用いられることがあります。

手形の種類

手形には「約束手形」と「為替手形」の2種類があります。

約束手形

専用の用紙に自分の名前と金額などの項目を記載して取引の相手方に渡す行為を「振出」と言います。

振出人(約束手形を作成した人)が受取人(受け取った人)に対して一定の期日に支払うことを約束する手形です。

約束手形を振り出す人は、後日手形代金を支払う義務が生じ、勘定科目では「支払手形」で処理をします。

一方、約束手形を受け取った人は、後日手形代金を受け取る権利が生じ、勘定科目では「受取手形」で処理をします。

為替手形

振出人が支払人(第三者)に対して、手形の受取人に一定の金額を支払うことを依頼する手形です。実務上は、ほとんど使われていません。

手形割引とは

所有する手形は、支払期日までに銀行などに買い取ってもらうことができます。

これを「手形割引」といいます。

期日前の手形を銀行などの金融機関に譲渡して、その日から満期日までの利息や手数料を額面金額から割り引かれた残額を受け取ります。

手形を割り引くことによって、支払期日前に手形代金を受け取ることができるというメリットがありますが、割引きの際には、銀行等に手数料や利息を支払うことになるので、実際に受け取れる金額は手形金額よりも少なくなります。

このとき、銀行などの金融機関に支払う手数料や利息を「割引料」といいます。

また、手形の割引は、銀行などの金融機関側からみれば、手形を担保とした一種の貸出しです。

そのため、取引企業ごとに与信限度額が設定さています。また、取引の依頼人や手形の振出人の信用状態によって割引率が異なります。

約束手形が満期を迎えると、金融機関は交換所で手形交換を行います。

約束手形を発行した「振出人」の当座預金から引き落としが行われ、手形が無事に決済されれば、手形割引の取引は完了です。

ファクタリングとは

ファクタリングとは、売掛金を売却し、早期資金化する金融サービスです。

ファクタリングは、売掛金の手形を売却する手形割引に対して、売掛金そのものを売却します。

ファクタリングの種類

ファクタリングの契約形態には、「2社間契約」「3社間契約」の2種類があります。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングでは、利用者とファクタリング会社の2社間で契約を行います。ファクタリングを利用した事実が売掛先に知られません。

また、売掛先から売掛金が入金された段階で、利用者はファクタリング会社への送金が必要です。

3社間ファクタリング

一方、3社間ファクタリングの場合は、売掛先がファクタリング会社に売掛金を送金します。

売掛先との間で、事前に売掛金の譲渡についての通知や合意が必要ですが、利用者側は送金の手間がありません。

ファクタリングについて知りたい方はこちら
【初心者向け】ファクタリングサービスとは?図解付きで簡単解説

ファクタリングと手形割引の4つの違い

ファクタリングと手形割引の違いは、下記の通り4つあります。

①手数料
②貸し倒れリスク
③取引形態
④審査基準

それぞれの違いについて、詳しく説明します。

①手数料

ファクタリングと手形割引は、利用する際にかかる手数料が異なります

サービスによって金額は異なりますが、手数料の相場は以下の通りです。

ファクタリング手形割引の手数料
2社間:売掛金のおおよそ10~30%
3社間:売掛金のおおよそ2~15%
銀行:1~5%
手形割引業者:3~20%

利用する際の手数料は、ファクタリングよりも手形割引の方が低いです。

その理由は、手形割引は「利息制限法」の対象であるため、年20%の上限金利が存在するためです。

一方、ファクタリングには利息制限法が適用されません

そのため、ファクタリング会社によっては、高額な手数料が発生するケースがあります。

売掛金を早期資金化するときは、ファクタリングと手形割引の仕組みを理解し、使用目的によって使い分けることが大切です。

②貸し倒れリスク

ファクタリングと違い、手形割引は手形が不渡りになった場合、サービスの利用者が責任を負います。

つまり、手形割引には貸し倒れリスクがあります。

ファクタリングの場合は、「売掛金」そのものをファクタリング会社に売却するため、もし売掛先が倒産しても、リスクを負うのはファクタリング会社です。

利用者が遡って責任を問われないという意味で、これを「ノンリコース(非訴求)型」といいます。

一方で、手形割引は売掛金の「手形」を担保として、金融機関が銀行融資を行うサービスです。

そのため、もし手形が不渡りになった場合は、融資を受けた利用者が責任を負い、不渡手形を買い戻さなければなりません

③取引形態

前述の通り、ファクタリングは「売掛金」を売却するサービスですが、手形割引は売掛金の「手形」を担保とした銀行融資に近いサービスです。

そのため、手形割引には「貸金業法」が適用されます。

つまり、手形割引のサービスを提供できるのは、貸金業の登録を受けた「金融機関」および「貸金業者」に限られます。

例えば、以下のような業者が手形割引の取引を行っています。

・都市銀行や普通銀行
・信用金庫や信用組合
・貸金業の登録をしたその他ノンバンク

一方、ファクタリングは銀行融資ではないため、貸金業法の適用外です。

そのため、貸金業免許を持っていない業者でもファクタリングサービスを提供できます。

ファクタリングを行う場合は、信頼できるファクタリング会社選びが重要です。

④審査基準

ファクタリングは売掛金を売買するサービスのため、審査はファクタリングの利用者ではなく、売掛先の信用度が重視されます。

もし、利用者に債務超過、税金・保険料の未払い、赤字決算があっても、回収可能な売掛金があれば、ファクタリングを利用できます。

一方、手形割引は銀行融資に近いサービスです。

そのため、銀行融資を受ける場合と同様、手形割引の利用者は返済能力が求められます。

もし、利用者の財務状況に問題がある場合、手形割引の利用を断られるケースがある点に注意しましょう。

ファクタリングと手形割引のメリット

ファクタリングと手形割引のそれぞれのメリットをまとめます。

手形割引のメリット

手形割引を利用できるのは、支払いの代わりに手形を振り出す「手形取引」の場合のみです。

手形の受取人のメリットは以下の2点です。

①支払い期日前に資金化できる
②手形取引を了承する代わりに、値引きなどの取引条件交渉ができる可能性がある

受取人は取引銀行に「手形割引」を依頼することで、手形を支払い期日前に資金化できます。

また、売掛先との関係構築において、手形取引を了承することがプラスに働き、取引をより有利な条件で進められる可能性があります。

ファクタリングのメリット

ファクタリングを利用するメリットは以下の7点です。

①早期資金化が可能
②保証人や担保が不要
③審査が柔軟
④売掛先が倒産しても返済義務はない
⑤売掛先の承諾は不要(2社間ファクタリング)
⑥信用情報に影響はない
⑦赤字や税金・社会保険滞納があっても利用可能

ファクタリングは売掛金を早期資金化するサービスで、審査が柔軟で利用しやすいのが特徴です。

保証人や担保は原則不要で、赤字決算や税金・保険料の滞納があっても利用可能です。

また、売掛先が万が一倒産しても返済義務がなく、信用情報にも傷がつかないため、資金調達の際のリスクを回避できます。

ファクタリングと手形割引のデメリット

ファクタリングと手形割引のそれぞれのデメリットをまとめます。

手形割引のデメリット

手形取引のデメリットを紹介します。

①手形が不渡りになった場合、回収不可能
②2026年に約束手形が廃止する

手形が不渡りになった場合、受取人は売掛金を回収できず、資金繰りが悪化します。また、「手形割引」を利用していた場合、利用者が貸し倒れ責任を負います。

手形取引を行う際は、「手形の不渡り」に要注意です。

また、政府は2026年に約束手形の利用を廃止を求める方針を決定しました。

約束手形の発行は、120日先の支払期日まで現金化できないことから、受取人の資金繰りの悪化要因でした。

政府は約束手形を廃止で、受取人の資金繰り改善を狙っています。

ファクタリングのデメリット

ファクタリングのデメリットは以下の5点です。

①手数料が発生する
②資金調達できるのは売掛金の範囲内
③分割支払はできない
④売掛先の承諾が必要(3社間ファクタリング)
⑤債権譲渡登記が必要な場合もある

ファクタリングは手形割引と違い、「利息制限法」の対象ではないため、手数料が高額なケースがあります。

また、ファクタリングでは売掛金の金額を超えて資金調達を行うことはできません。

2社間ファクタリングではなく、3社間ファクタリングの場合は、売掛先にファクタリングを利用する承諾を得る必要があるというデメリットもあります。

ファクタリングのメリット・デメリットについて詳しく知りたい方はこちら
【保存版】ファクタリングのメリット・デメリットは?融資とも比較!

ファクタリング・手形割引どちらが向いているか?

ファクタリングと手形割引のそれぞれについてどんな企業が向いているかをまとめました。

手形割引が向いている企業

資金調達の方法として、「手形割引」が向いているのは以下の場合です。

・手形取引を行っている
・手数料コストを抑えたい

手形割引とは、約束手形を満期前に換金するサービスです。

そのため、手形割引を利用するには、まず手形取引を行っていることが前提です。

手形割引は「利息制限法」の対象であり、手形を換金する際に差し引かれる利息に上限があります。

したがって、ファクタリングよりも資金調達のコストが抑えられます。

手形割引は「手数料を抑えたい」「余計なコストをかけたくない」方に向いた資金繰りです。

ファクタリングが向いている企業

ファクタリングが向いているのは、以下の4つの条件に当てはまる企業です。

・売掛金がある
・赤字、債務超過、税金未納などがある
・売掛金を確実に回収したい
・信用情報にキズをつけたくない

現在の商取引では掛取引が主流であり、売掛金を抱える企業は少なくありません。

ファクタリングは売掛金があればどの企業でもファクタリングを利用可能です。

ファクタリングは手形割引と違い、審査では主に売掛先の信用度が重視されます。

そのため、ファクタリング利用者の財務状況が悪化していても、ファクタリング会社の審査に通りやすいというメリットがあります。

また、売掛金そのものをファクタリング会社に売却するため、もし売掛先が倒産しても利用者は責任を負いません。

赤字決算、債務超過、税金・保険料の未納などを抱えた企業や、売掛金を確実に回収したい企業におすすめです。

 

ファクタリングは利用する会社選びが重要!

ファクタリングを利用する際は、優良ファクタリング会社に申し込みたい方が多いでしょう。

優良会社選びには、以下10項目を参考にしてください。

①希望条件を満たしているか        ⑥売掛金の買取額はどれくらいか
②個人事業主は利用できるか        ⑦見積もりはとれるか
③手数料額が相場と比較して妥当か     ⑧電話対応は丁寧か
④資金調達までの日数はどのくらいか    ⑨契約書の内容は納得できるか
⑤ホームページの内容は信頼できるか    ⑩担当の対応は良いか

悪徳業者を避け、健全な資金調達ができるような会社選びのポイントをまとめていますので、下記の記事をご覧ください。

ファクタリング会社の選び方について詳しく知りたい方はこちら

優良ファクタリング会社の選び方!ファクタリングの利用方法までわかりやすく解説

ファクタリングと手形割引の両方の特徴や仕組みを理解して、自社に合ったサービスを選択しましょう。

 

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