1. ホーム
  2. コラム
  3. 事業再生
  4. 会社破産の手続のメリット・デメリット

コラム

会社破産の手続のメリット・デメリット

 


債務超過や会社の運営資金に窮した状態に陥った際に、最終的な決断として会社の破産という手段が考えられ、これまで多くの会社がその最期を会社破産の手段によって終焉を迎えることになりました。会社破産とはどのようなことを意味しているのか、特徴やメリット、デメリットなどについてご紹介していきます。

 

破産手続とは

個人レベルで、借金に首が回らなくなり自己破産をするという話は耳にしたことがあると思いますが、企業の破産についても同様に、資金が回らなくなってしまった場合には破産の手続を行うことで、会社を倒産させることが可能です。個人と企業などの法人とでは、明らかに規模が異なりますが、手続自体は破産法に基づく手続という、同じ道を辿ることになります。ただし、法人の場合には従業員や取引先、買い掛け先、金融機関など、多くの利害関係者がおり、また保有している財産についても形や金額は様々ですので、これによって破産のための手続に違いを生じさせることになります。

 

根本的な話に戻すと破産手続とは、破産法に則って、財産を換金し、債権者への支払いへと当てる倒産手続であり、破産を行うことによって、自己破産のように債務から逃れられることが可能となります。債権者は債権の回収をしたいところですが、企業が破産してしまうと、裁判所によって選出された破産管財人によって財産の換金が適切に行われ、法律に従って金額が分配されることになるため、全額を回収できない可能性が高くなります。金融機関や債権者からすると、できれば会社が倒産してほしくない、という本音もあるかもしれません。

 

破産手続の条件

当然ながら、利益がしっかりと出ていて、ただ仕事をやめたくなったからといった経営者の適当な理由によってむやみに破産することは不可能です。どのような企業でも簡単に破産手続が通ってしまうと、融資をしている金融機関や利害関係者に大変な影響を及ぼしてしまうことになりますので当然です。

 

さて、破産手続が通るか通らないかについては、破産法によって規定されていますので、関係している法律について見ていきましょう。直接関係している法律は、破産法211項の「支払不能」、破産法152項の「支払停止」、破産法161項の「債務超過」です。

 

まずは支払不能についてですが、破産法によれば、支払不能とは「債務者が支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態」とされています。長期間に渡って弁済できない状態のことを、法律上「支払不能」としているわけです。

 

次に支払停止についてですが、こちらは「支払を停止した場合、支払い不能の状態にあるものと推定する」とされています。具体的には手形の不渡りや、弁護士を通して債権者に対して支払い停止の通知を行うことなどが、このケースに相当します。

 

最後に債務超過についてですが、こちらは「債務者の財産をもって債務を完済することができない状態」と、法律によって定義付けられています。貸借対照表上、資産総額が負債総額を上回っている状態がこれに該当します。しかしながら一過性の債務超過である場合には、これに該当しませんので注意が必要です。長期間に渡って債務超過の状態が続いていれば間違いないでしょう。

 

破産手続をするメリット

破産手続を行うメリットとしては、まず何よりも債務が免除されることが挙げられるでしょう。破産手続が成立すれば、会社の持っている資産が債権者に対して平等に分配されることになり、それ以上負債を返済する必要はありません。

 

次に、債権者からの強制執行が止まる点もメリットになります。債権者は法律の力を借りて財産を差し押さえるなどの強制執行をすることができますが、破産手続が成立すれば、こういった強制執行からも逃れることが可能となります。企業の破産は、生活を立て直すためのきっかけになります。

 

破産手続をするデメリット

破産手続のデメリットとしては、継続して営業ができなくなり、会社自体が消滅してしまう点がまず挙げられます。また、借入ができなくなる可能性がある点はデメリットとして挙げられます。基本的には会社の財産や負債と、個人の財産と負債は無関係とされていますが、企業が金融機関から融資を受ける場合には、代表取締役や取締役が連帯保証人になるのが一般的で、これによって関連付けられ、会社が破産した後には個人の破産申告が必要となるケースが少なくありません。自己破産を行えば、借入ができなくなるなどのデメリットが重なって発生することになりますので注意が必要です。

 

会社の破産手続は、基本的には個人レベルで行う自己破産と同じく、破産法に従って手続を済ませる必要があります。破産することでメリットもデメリットも発生しますので、破産を選択するか否か、長所と短所を加味した上で吟味していく必要があります。

一般社団法人 日本中小企業金融サポート機構