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株式譲渡によるM&Aのメリット・デメリット


企業の合併や買収を行う方法がM&Aであり、最近は、ニュースでも取り上げられることや、実際に起きることも増え、日本でもこの手法は有名になってきました。直接お金によって買収する方法もありますが、その他にも株式譲渡による方法もあります。この方法ではもちろん大きなメリットも産まれ、その反面デメリットもあるのです。そこで、こちらでは、M&Aに関するメリット・デメリットについてそれぞれ見ていきましょう。

 

株式譲渡とはどんな手法?

個人または法人が保有する株式を売買することにより、株主の地位を他社に移転させることを株式譲渡と言います。決算書上でも認識できないような簿外債務も含め、すべての財産を継承します。中小企業が行うM&Aのなかではもっとも一般的に行なわれる方法であり、時には大企業のM&Aでも使われることがあります。そして買収されると、その対象会社は買手の会社の子会社となり、そこで事業を続けることになるのです。

 

そして経営権を移転し、支配権を完全に得るには、少なくとも議決権の過半数は株式が必要であり、特別決議要件等を含めると2/3以上の譲渡が好ましく、一般的にはこの2/3以上の株式を売却します。

 

買収する側の企業としては、事業の規模拡大、新規ジャンルの事業の買収、部門強化のためなどがあります。逆に売却する側の企業としては、利益確保のため、事業再編成のためといった場合があり、なかには最初から最終的にM&Aを目的として起業することもあります。

 

 株式譲渡するM&Aのメリット

 売却側のメリット

株式譲渡によるM&Aは株式を移行させれば良く手続が簡単であり、すぐに事業を現金化出来ます。株式譲渡によってかかる税金は譲渡益の20%のみとなり、消費税などはかからず、税引き後の手に入る資金が多いです。売り手側としては、より多くの現金を手に入れられます。

 

株式譲渡による方法を行うと、売り手側の企業は買手側の子会社となり、2つの企業は別法人となるのが一般的であり、企業間での摩擦も起きにくく、各従業員の不満やストレスも発生しにくいです。

 

また社員の雇用を守るために、さらには不振事業を売却し赤字を少なくするなどの目的でも、M&Aによって売却を行うこともあります。

 

 買収側のメリット

買手側としても手続が簡単なので、すぐに買収先の企業を自社の一部とする事が出来ます。そして株式さえ譲渡してもらえば、相手側企業の確認なく、その企業の資産や契約などを引き継ぐことが出来、事業を自社の一部と出来ます。

 

特に新しい事業に進出する場合や、事業の強化する場合などにはとても有効であり、新会社を1から立ち上げるとコストも時間もかかりますが、株式譲渡でM&Aを行えばこれらに関係なく一気に目的の事業の会社が手に入ります。短期間で事業を拡大するにはとても有効な方法なのです。

 

買収を行うと、売り上げや取引先、経営資源を取り込むこともでき、一気に事業規模を拡大できます。そうして事業規模を拡大することによって、その業界のシェアを一気に伸ばすことも可能です。場合によってはM&Aによってシェア1位に躍り出るということもあります。

 

 株式譲渡するM&Aのデメリット

 売却側のデメリット

株式譲渡によるM&Aでも、もちろん売却を行えば売り手側の企業としては、経営権を失い、すべての経営権は買手側に移ります。それは買手側の指示や条件に従わないとならないということであり、従業員の雇用や労働条件が変更されることもあります。

 

また売却する場合は、企業ごと売却しないとなりませんので、一部門のみを切り離して売却するということは出来ません。たとえば、売り手側は会社が3つの事業所を持っていたというときに、株式譲渡ではすべての株を譲渡したならば、すべての事業所を含めた会社を売却することになり、一部の事業のみ売却するということは出来ません。

 

ちなみに一部の事業のみを売却する場合は、事業譲渡という方法があります。

 

 買取側のデメリット

先にも記載したとおり、株式譲渡では株式を移行しM&Aを行いますので、対象企業のすべてを買収することになります。このために買手側としては、引き継ぎたくない資産や負債があったとしても、それもそのまま引き継がないとなりません。売り手側が他企業との契約が残っていれば、買手側が契約を満了させる必要があります。

 

株式譲渡では2つの企業が融合するのではないので、シナジー効果が現れるまでの時間がかかり、また株式譲渡では株式を購入しますので、そのため資金も用意しないとならず、経営権を得られるだけの2/3以上の株を買えるだけの資金を用意しないとならないのです。

 

 

M&Aを行う場合の方法としても、もっとも一般的なのが株式譲渡であり、株式を移行させるだけで買収が完了します。ただし売り手側に負債や負の資産があれば、それも引き継ぐことになりますので、買収後にそれらをどのようにしていくか考える必要もあります。

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