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ファクタリングと手形割引は何が違う?どちらが賢い資金調達方法?

「ファクタリング」と「手形割引」は、どちらも売掛金を早期資金化できる資金調達方法です。

どちらも売掛金を早期資金化する資金調達方法なので混同されがちですが、それぞれメリット・デメリットがあります。

両者の特徴や仕組みを理解し、自社に合ったサービスを選びましょう。

この記事では、下記の内容について説明します。

  • ファクタリングと手形割引の違い
  • ファクタリング・手形割引について
  • ファクタリング・手形割引それぞれの向いている企業

 

ファクタリングと手形の違いが分からない方や、手形を利用していてファクタリングへの考えている方は、ぜひご参考にしてください。

 

ファクタリングと手形割引の4つの違い

ファクタリングと手形割引の違いは、下記の通り4つあります。

①手数料
②貸し倒れリスク
③取引形態
④審査基準

それぞれの違いについて、詳しく説明します。

 

①手数料:ファクタリングよりも手形割引の方が安い

ファクタリングと手形割引は、利用する際にかかる手数料が異なります

サービスによって金額は異なりますが、手数料の相場は以下の通りです。

ファクタリング 手形割引の手数料
2社間:売掛金のおおよそ10~30%
3社間:売掛金のおおよそ2~15%
銀行:1~5%
手形割引業者:3~20%
利用する際の手数料は、ファクタリングよりも手形割引の方が低いです。

その理由は、手形割引は「利息制限法」の対象であるため、年20%の上限金利が存在するためです。

一方、ファクタリングには利息制限法が適用されません

そのため、ファクタリング会社によっては、高額な手数料が発生するケースがあります。

売掛金を早期資金化するときは、ファクタリングと手形割引の仕組みを理解し、使用目的によって使い分けることが大切です。

 

②貸し倒れリスク:手形割引は手形の不渡り時に責任を負う

ファクタリングと違い、手形割引は手形が不渡りになった場合、サービスの利用者が責任を負います。

つまり、手形割引には貸し倒れリスクがあります。
 
ファクタリングの場合は、「売掛金」そのものをファクタリング会社に売却するため、もし売掛先が倒産しても、リスクを負うのはファクタリング会社です。

利用者が遡って責任を問われないという意味で、これを「ノンリコース(非訴求)型」といいます。

一方で、手形割引は売掛金の「手形」を担保として、金融機関が銀行融資を行うサービスです。

そのため、もし手形が不渡りになった場合は、融資を受けた利用者が責任を負い、不渡手形を買い戻さなければなりません

 

③取引形態:手形割引には「貸金業法」が適用される

前述の通り、ファクタリングは「売掛金」を売却するサービスですが、手形割引は売掛金の「手形」を担保とした銀行融資に近いサービスです。

そのため、手形割引には「貸金業法」が適用されます。

つまり、手形割引のサービスを提供できるのは、貸金業の登録を受けた「金融機関」および「貸金業者」に限られます。

例えば、以下のような業者が手形割引の取引を行っています。

・都市銀行や普通銀行
・信用金庫や信用組合
・貸金業の登録をしたその他ノンバンク

一方、ファクタリングは銀行融資ではないため、貸金業法の適用外です。

そのため、貸金業免許を持っていない業者でもファクタリングサービスを提供できます。

ファクタリングを行う場合は、信頼できるファクタリング会社選びが重要です。

 

④審査基準:ファクタリングは利用者の返済能力が重視されない

ファクタリングは売掛金を売買するサービスのため、審査はファクタリングの利用者ではなく、売掛先の信用度が重視されます。

もし、利用者に債務超過、税金・保険料の未払い、赤字決算があっても、回収可能な売掛金があれば、ファクタリングを利用できます。

一方、手形割引は銀行融資に近いサービスです。

そのため、銀行融資を受ける場合と同様、手形割引の利用者は返済能力が求められます。

もし、利用者の財務状況に問題がある場合、手形割引の利用を断られるケースがある点に注意しましょう。

 

手形を早期現金化する「手形割引」

ここでは、手形割引の概要を説明します。

そもそも「手形」とは、なんらかの権利・資格の代わりとなる書面のことです。

一般的に、取引の際に売掛金の代わりとして発行する書面を「手形(商業手形)」と呼びます。

手形割引はこの手形を満期前に換金し、早期資金化するサービスです。

手形割引を利用する前に、手形割引の仕組みや、メリット・デメリットを知っておきましょう。

 

手形割引の仕組みは?「約束手形」を満期前に資金化する

手形割引とは、保有している手形のうち「約束手形」と呼ばれるものを金融機関に譲渡する代わり、支払い期日前に手形を資金化できるサービスです。

ファクタリングと違い、約束手形を担保とした銀行融資に近いです。

手形割引を依頼した利用者は、約束手形の全額を換金できるわけではなく、金融機関に利息分の手数料を支払います。

約束手形が満期を迎えると、金融機関は交換所で手形交換を行います。

約束手形を発行した「振出人」の当座預金から引き落としが行われ、手形が無事に決済されれば、手形割引の取引は完了です。

 

手形は「約束手形」と「為替手形」の2種類

取引で使われる手形は、「約束手形」「為替手形」の2種類があります。

それぞれの特徴や違いについて説明します。

約束手形とは、「振出人」と「受取人」の2者間でやりとりされる手形です。

受取人は振出人に商品やサービスを販売し、振出人はその対価として、現金の代わりに手形を発行します。

通常、受取人は満期後に手形を換金し、対価を受け取ります。

為替手形とは、「振出人」や「受取人」のほか、手形の支払いを引き受ける「引受人」が介在する3者間の手形です。

為替手形は約束手形よりも確実な資金回収が見込めるため、主に取引の不確実性が高い貿易取引などで使われます。

 

手形取引のメリットは4点

手形割引を利用できるのは、支払いの代わりに手形を振り出す「手形取引」の場合のみです。

ここでは、手形取引を利用するメリットを4つ紹介します。

手形取引は振出人・受取人それぞれに異なるメリットがある支払い方法です。

 
<振出人にとってのメリット2点>
手形の振出人のメリットは以下の2点です。
 

①支払い日を延長できるため、キャッシュフローの安定化につながる
②手形の発行には審査が必要なため、手形を発行できる企業として社会的信用を得られる

 

通常の手形取引の場合は、支払いを最大120日(4ヶ月)延長できます。

そのため、手形取引はキャッシュフローの安定化に貢献します。

また、支払い能力がなければ手形取引は行えないため、社会的信用を対外的に示すことも可能です。

 
<受取人にとってのメリット2点>
手形の受取人のメリットは以下の2点です。
 

①支払い期日前に資金化できる
②手形取引を了承する代わりに、値引きなどの取引条件交渉ができる可能性がある

 

受取人は取引銀行に「手形割引」を依頼することで、手形を支払い期日前に資金化できます。

また、売掛先との関係構築において、手形取引を了承することがプラスに働き、取引をより有利な条件で進められる可能性があります。

 

<手形取引を利用するデメリットは3点>

続いて、手形取引のデメリットを紹介します。

メリットの項目と同様、手形取引には振出人・受取人それぞれにデメリットがある点に注意しましょう。

 
<振出人にとってのデメリット2点>
手形の振出人のデメリットは以下の2点です。
 

①不渡りが発生した際のリスクが大きい
印紙代手形帳代が発生する

 

とくに注意が必要なのが、手形の不渡りを出すリスクです。

もし、手形の支払い期日に当座預金口座の現金がなく、手形が不渡りとなった場合、金融機関に通知されます。

半年以内に2回の手渡りを出した場合、銀行取引や当座預金取引が2年間停止され、事実上の倒産状態となってしまうため注意しましょう。

 
<受取人にとってのデメリット1点>
次に、手形の受取人のデメリットは以下の通りです。
 

手形が不渡りになった場合、回収不可能

 

手形が不渡りになった場合、受取人は売掛金を回収できず、資金繰りが悪化してしまいます。

また、「手形割引」を利用していた場合、手形割引の利用者が貸し倒れ責任を負います。手形取引を行う際は、「手形の不渡り」に要注意です。

 

売掛金を早期現金化する「ファクタリング」

ファクタリングとは、売掛金を売却し、早期資金化する金融サービスです。

ここでは、ファクタリングの仕組みとメリット・デメリットについて説明します。

 

ファクタリングの仕組みは?売掛金を入金前に売却できる

ファクタリングは手形割引と違い、売掛金の手形ではなく、売掛金そのものを売却するのが特徴です。

売掛先との取引が完了し、売掛金が発生したら、ファクタリングを利用することで、入金日よりも前に売掛金を資金化できます。

ファクタリングの契約形態には、「2社間契約」「3社間契約」の2種類があります。

2社間契約では、利用者とファクタリング会社の2社間で契約するため、ファクタリングを利用した事実が売掛先に知られません

また、売掛先から売掛金が入金された段階で、利用者はファクタリング会社への送金が必要です。

一方、3社間契約の場合は、売掛先がファクタリング会社に売掛金を送金します。

売掛金との間で、事前に売掛金の譲渡についての通知や合意が必要ですが、利用者側は送金の手間がありません。

ファクタリングについて知りたい方はこちら

ファクタリングサービスとは?意味やメリットを図解で分かりやすく説明

 

ファクタリングのメリット7点

ファクタリングを利用するメリットは以下の7点です。
 

①早期資金化が可能
②保証人や担保が不要
③審査が柔軟
④売掛先が倒産しても返済義務はない
⑤売掛先の承諾は不要(2社間ファクタリング)
⑥信用情報に影響はない
⑦赤字や税金・社会保険滞納があっても利用可能

 

ファクタリングは売掛金を早期資金化するサービスで、審査が柔軟で利用しやすいのが特徴です。

保証人や担保は原則不要で、赤字決算や税金・保険料の滞納があっても利用可能です。

また、売掛先が万が一倒産しても返済義務がなく、信用情報にも傷がつかないため、資金調達の際のリスクを回避できます。

 

ファクタリングのデメリット5点

一方、ファクタリングのデメリットは以下の5点です。
 

①手数料が発生する
②資金調達できるのは売掛金の範囲内
③分割支払はできない
④売掛先の承諾が必要(3社間ファクタリング)
⑤債権譲渡登記が必要な場合もある

 

ファクタリングは手形割引と違い、「利息制限法」の対象ではないため、手数料が高額なケースがあります。

また、ファクタリングでは売掛金の金額を超えて資金調達を行うことはできません。

2社間ファクタリングではなく、3社間ファクタリングの場合は、売掛先にファクタリングを利用する承諾を得る必要があるというデメリットもあります。

ファクタリングのメリット・デメリットについて詳しく知りたい方はこちら

ファクタリングを利用するメリット・デメリット【徹底解説】

 

コストを抑えたければ手形割引がおすすめ

資金調達の方法として、「手形割引」が向いているのは以下の場合です。

・手形取引を行っている
・手数料コストを抑えたい

手形割引とは、約束手形を満期前に換金するサービスです。

そのため、手形割引を利用するには、まず手形取引を行っていることが前提です。

手形割引は「利息制限法」の対象であり、手形を換金する際に差し引かれる利息に上限があります。

したがって、ファクタリングよりも資金調達のコストが抑えられます

手形割引は「手数料を抑えたい」「余計なコストをかけたくない」方に向いた資金繰りです。

 

ファクタリングが向いている企業の4つの特徴

ファクタリングが向いているのは、以下の4つの条件に当てはまる企業です。

・売掛金がある
・赤字、債務超過、税金未納などがある
・売掛金を確実に回収したい
・信用情報にキズをつけたくない

現在の商取引では掛取引が主流であり、売掛金を抱える企業は少なくありません。

ファクタリングは売掛金をファクタリング会社に売却するサービスであるため、売掛金があればどの企業でもファクタリングを利用可能です。

ファクタリングは手形割引と違い、審査では主に売掛先の信用度が重視されます。

そのため、ファクタリング利用者の財務状況が悪化していても、ファクタリング会社の審査に通りやすいというメリットがあります。

また、売掛金そのものをファクタリング会社に売却するため、もし売掛先が倒産しても利用者は責任を負いません。

赤字決算、債務超過、税金・保険料の未納などを抱えた企業や、売掛金を確実に回収したい企業におすすめです。

 

まとめ

この記事では、以下の3点の内容について解説しました。

・ファクタリングと手形割引の違い
・ファクタリング・手形割引について
・ファクタリング・手形割引それぞれの向いている企業

ファクタリングと手形割引には、それぞれメリット・デメリットがあります。

両方の特徴や仕組みを理解して、自社に合ったサービスを選択しましょう。

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