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銀行融資の際、決算書の見られるポイント


銀行融資を受けるときには、会社の経営状況を審査するものですが、その際にチェックの対象となるのが、貸借対照表、損益計算書などの書類です。しかし、具体的にどういったポイントを見られているのか知らない方も多いのではないでしょうか?ここでは、それぞれの書類の見られるポイントについて紹介します。

 

貸借対照表で見られるポイント

貸借対照表は、資産と負債の項目に分けて純資産を見る表です。バランスシート(B/S)とも呼ばれます。

 

銀行融資の際に貸借対照表でみられるポイントは、以下の通りです。

 

純資産

純資産で見られるのは、債務超過になっていないかどうかです。債務超過とは、負債の総額が資産の総額を超えてしまっている状態です。この場合、現在所持している資産すべてを売却したとしても返済ができないと判断されるため、銀行から融資を拒否されるケースが多いです。もちろん、必ずしも債務超過だから融資ができないとは言い切れませんが、不可の可能性が高まると認識しておきましょう。

 

また、自己資本比率が少なくないかも見られるポイントです。自己資本比率は、総資本における自己資本の比率です。金融機関などから借り入れた資金は他人資本と呼ばれ、いずれ返済の必要があるために、負債として扱われます。この他人資本の割合が多くなると、結果的に自己資本比率が低くなり、不安要素として扱われるのです。

 

借入金総額

金融機関からお金を借り入れる際に知っておきたいのが、借入金月商倍率の存在です。これは、月商における何ヶ月分の借入金総額があるかを示す指標のことで、下記の計算式により算出されます。

(短期借入金+長期借入金+割引手形)÷月の平均売上

※小売業・製造業と、卸売業では若干計算方法が異なります。

その上で、月の平均売上×3ヶ月以内であれば、概ね問題ないと判断されるのが一般的です。それ以上に借入額が増えてしまうと、返済が難しいとみなされる可能性があり、融資が難しくなってきます。

 

損益計算書で見られるポイント

損益計算書とは、一定期間における会社の経営成績を示す表です。事業を運営していくにあたっては、売上と、その売上を獲得するために掛けた費用があります。事業における売上から諸経費を引き、実際に出た利益や損失を求めるのが損益計算書の役割です。収益の項目では、売上高や営業外収益、特別利益などがあり、費用の項目では、売上原価や販売管理費、営業外費用、特別損失、そして法人税などの税金があります。

 

銀行融資の際に損益計算書でチェックされるのは以下のポイントです。

 

営業利益、経常利益、純利益

営業利益とは、売上から人件費や広告宣伝費といった費用を引いた額のことです。経常利益は、上記の営業利益以外の部分で発生した収益や費用のことで、たとえば受取利息や借入利息などが該当します。そして純利益は、経常利益に特別利益や特別損失を含めたものです。会社全体の収支をまとめたものがこの純利益に該当します。この3つをもとに、事業活動の中で継続して入る稼ぎがあるのかどうかを判断しています。

 

特別損失の把握

特別損失とは、企業の経営活動とは関係のないところで発生した損失のことです。たとえば、固定資産売却損、火災損失、盗難損失、社債償還損などが該当します。予期せる出費があった際、原価や販管費へ計上せずに特別損失へ計上できると、営業利益や経常利益に響かないため、健全な事業活動をしているように見せることができます。特別損失は事業において重要視されない点ですが、普段からかかる経費と、一過性で発生する経費を日頃から把握しておくことで、いざというときにも役立つでしょう。

 

決算書提出のコツ

決算書は数値だけの資料となるため、現在赤字が出ていたり、芳しくない数値が出ていたりすると、経営状況が良くないものと判断されてしまいます。しかし事業によっては、現状赤字になっていたとしても、今後収益が入ると見込めるケースもあるでしょう。そのため、ただ決算書を提出するだけではなく、改善が見込める証明としての資料を用意しておくのが得策です。

 

事業を経営していると、単純な売上や費用だけの数値にとらわれてしまいがちです。しかし、日頃から経営の状況を常に把握していれば、いざ銀行から融資を受ける際にも、資料の説明が明確になるため、銀行側も安心して貸しやすくなります。事業を運営する立場の人は、経営状況をきちんと把握しておくことが大切です。

 

 

貸借対照表と損益計算書の見方、決算書提出時のコツを紹介しました。普段から経理に携わっている人でも、それぞれの数字の意味を詳しく知らない人や、知っていてもそれを踏まえて分析はできない人も多いかもしれません。しかし、銀行融資を受けるためには、まず自分たちの事業がどのような経営状況となっており、今後どのような方法で収益が見込めるのかを把握しておく必要があります。ここで紹介した事項を参考に、改めてそれぞれの資料の見方を知っておきましょう。

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