コラム
これから起業を考えている方や一時的に会社の資金繰りに悩んでいる方、または子供の教育にお金がかかるという方や家を建てることを検討している方など、まとまったお金が手元に欲しいと思っている事情はたくさんあります。
そんなとき、個人であろうと法人であろうとまず考えるのが“融資”、つまりお金を貸してもらうことです。
そこで今回は、資金調達の方法である融資のなかでも銀行からの借入である「銀行融資」の特徴について説明していきたいと思います。
目次
融資に該当する資金調達の代表例は銀行です。
融資には銀行以外にも消費者金融やカードローンなどの貸金業者などという選択肢もありますが、ここでは銀行融資に的を絞り、その特徴を以下に挙げていきたいと思います。
銀行融資が貸金業者などと異なる部分は、一つ目に、審査のハードルが非常に高いことが挙げられます。
消費者金融などで融資を受ける場合、審査をする側は運営企業のみとなりますが、銀行で融資を受ける場合は、審査をする側は銀行だけではありません。
そこに、保証会社が加わっています。
一定の基準をクリアしていないと、融資を受けることができないのです。
審査の基準となる要素には、例えば法人の場合、企業の財政・経営の状況や業務内容、信用情報などがあります。
銀行は事業採算性を様々な角度から判断しているのです。
銀行は民間企業ですから、貸し倒れのリスクを最小限に抑えるため、安全な貸付を求めてきます。
ですから、貸し倒れのリスクが高い中小企業には融資を行わないパターンがほとんどです。
原則として、保証会社を立てるか、もしくは価値の認められる担保(主に不動産)や保証人がいなければなりません。
銀行融資は信用金庫やノンバンクなど、他の金融機関と比べると低金利です。
これは特徴でもあり、最大のメリットといっても過言ではありません。
金利には利息制限法で上限が定められていますが、消費者金融等の場合、上限に近い数値で設定されていることが多いです。
それに比べ、銀行の場合は大幅に低い数値で設定されています。
銀行はたくさんの生活者から預金を運用する営利企業です。
厳重な審査をする立場にならざるを得ないということを理解しておきましょう。
銀行融資の方法には4つの形が存在します。ここからはその4つについて順にご説明していきましょう。
「金銭消費貸借契約書」と呼ばれる借用証書を差し出すことで融資を受ける方法です。
返済期間が長期であり、担保付きの貸付で使われることが多いです。
銀行への約束手形を差し出すことで融資を受ける方法です。
手形に記載されている金額から利息分を引いた金額の融資を受けられます。
返済期間が短期の貸付で使われることが多いです。
融資の限度額を予め設定しておき、その金額の間であれば自由に貸付を受けたり返済したりできる方法です。
融資の限度額が3000万円であるなら、3000万円までは借入ができるし、返済をすることもできるということです。
しかし、この方法はよほど信用されている企業でないと審査に通らないでしょう。
企業の売上の決済方法として回収した手形を、銀行が買い取る形で融資される方法です。
手形の期日までの利息や手数料を支払う必要があります。
上に記載した4つの融資を受ける際、信用できる借り手であるかによって、さらに2通りの種類に分別されます。
信用保証協会を間に通さない方法です。
つまり、銀行から直々にお金を借りることになります。
金利も安く、しかも、限度額もないため、場合によっては高額な融資を受けることも可能です。
しかし、当然企業の信用度は相当なものを要求されますし、審査はかなり厳しいものとなるでしょう。
信用保証協会を“保証人”として間に通す方法です。
まだ取引が少ない銀行から融資を受ける際はほとんどのケースでこの方法を提案されます。
公的機関が審査に加わっている分、銀行としては貸し倒れのリスクを避けることができるのです。
しかし、融資を受ける際には信用保証協会に保証料を支払う必要があります。
先にご説明した通り、プロパー融資は企業の信用度だけで銀行から融資を受ける方法です。
ですから、新設の会社、新設の会社、または事業採算性がはっきり見込めない場合は受けることが難しいでしょう。
そのために、企業の信用度が十分なものになるまでは、信用保証協会やその他の金融機関を使いながら広い視野で資金調達をするべきだといえます。
銀行融資とは、メリットも多い分審査に通るのが難しいということがおわかり頂けたと思います。
まずは銀行融資だけにとらわれず、個人や中小企業を対象にした小口の融資を並行して検討してみることをおススメします。