コラム

銀行融資の返済ができないとどうなる? 対策と併せて解説

銀行から融資された借入金の返済ができないという事態に陥ると、最悪の場合は会社の破産や倒産に至る可能性があります。


返済不能となった場合、どのようなプロセスをたどるのか、代表者の自己破産などを防ぐためにできることはあるのかなど、対策と併せて解説します。


ここでは下記3つについて徹底解説をしていきます。


  • 銀行融資を返済できない場合に起こること
  • 銀行融資を返済できない場合の対策
  • ファクタリングが活用できる可能性


ぜひ、最後までご覧ください。

銀行融資を返済できないと起こること

銀行融資を返済できないと、最終的に会社をたたんだり代表者個人が自己破産したりしなければならなくなる可能性があります。


ただ、返済できないからと言ってすぐそこまでの段階に至るわけではありません。


銀行融資を返済できない場合に起こることについて、説明します。

遅延損害金の発生

毎月の決められた返済日までに銀行融資の返済ができないと、「遅延損害金」というものが発生します。


遅延損害金は「借入残高×遅延損害金の利率×遅延日数÷365」という式で算出されるため、返済が遅くなればなるほど、多くの金額を支う必要があります。


通常の返済が厳しい状況において遅延損害金の支払いまで加わると、やりくりがかなり厳しくなってしまいますので、なるべく早く支払いを行うのがベターです。


なお、本来の返済日までの支払いに間に合わずに遅延損害金を支払った場合、銀行の延滞先リストに登録されます。


延滞先リストに登録されてしまうと、今後の新規融資を受けにくくなるなどのデメリットが考えられます。

口座の借入金と相殺される

融資を受けている銀行の口座に借入金がある場合、返済が遅れている分の金額とその借入金が相殺されます。


もしかするとそのお金は、新規事業立ち上げのために確保しておいたお金かもしれませんが、そんなことは関係ありません。


返済は遅れているけれども、事業のために使う資金を返済に回したくはないという勝手が通じるほど、銀行は甘くありません。

信用保証協会による代位弁済

返済日を過ぎて一定期間が経過しても返済が行われない場合、信用保証協会の保証付き融資であれば、信用保証協会による代位弁済が行われます。


代位弁済とは、信用保証協会が債務者に代わって銀行に対する債務の返済を行うことです。


代位弁済が行われると、債権者は銀行から信用保証協会に変わります。


その後信用保証協会から、あらためて返済請求を受けることになるので、代位弁済を行ってもらったとしても返済の義務がなくなるわけではありません。

サービサーへの債権譲渡

受けている融資が銀行からのプロパー融資だった場合、信用保証協会による代位弁済を期待することはできません。


そのため銀行は、サービサーと呼ばれる債権回収を専門に行う会社に債権を譲渡する可能性が高いです。


債権譲渡後はサービサーから返済請求を受けますが、サービサーでは分割でなく一括での返済を求められることが多いです。


サービサーとの話し合いや交渉次第では、分割での返済に対応してもらえることもあるようなので、サービサーから連絡が来たら真摯に対応することを心がけましょう。

会社および代表者個人の破産

代位弁済やサービサーへの債権譲渡が行われてなお、返済が難しいような場合は、会社をたたむしか選択肢が残されていないことが多いです。


会社を破産させるときは、代表者自身も一緒に自己破産しなければならないような印象がありますが、決してそんなことはありません。



自己破産回避の可能性については、本稿の最後に解説します。

銀行融資を返済できない場合の対策

銀行融資を返済できない場合に起こることは、いずれも避けたいことばかりです。


そこで、銀行融資を返済できない場合の対策を以下でいくつか紹介します。

リスケを申請する

リスケとは「リスケジュール」の略で、銀行などの金融機関への返済を一定期間猶予してもらうことを指します。


場合によっては返済を猶予してもらえるだけではなく、返済金額を減額してもらえる場合もあるので、うまくリスケを行ってもらえれば負担がグッと軽くなるでしょう。


ただしリスケを認める代わりに、不採算部門の切り捨てなどの自助努力を求められることもあります。


どのような条件でリスケが認められるかはケースバイケースですが、銀行から提示された条件に関してはできるだけ達成することを試みるべきでしょう。

追加融資を受ける

リスケに応じてもらえない場合は、追加融資をお願いするのもひとつの方法です。


リスケに応じてくれない状態で追加融資を希望するなんて無理筋な、と思われるかもしれません。


ただ、会社の将来性や追加融資を受けた後の返済計画次第では、追加融資に応じてくれる場合もあります。


銀行の判断次第ではありますが、利用できる資金が増えることで事態が好転して返済が現実的に可能なプランが見えるのであれば、相談してみるのもひとつの選択肢と言えるでしょう。

他社・他行で借り換えを行う

ほかの金融機関で借り換えを行い、今の債務をすべて返済するという選択肢も考えられます。


もちろん今後は、借り換えを行った先の金融機関に対して返済を行わなければなりませんが、現状の危機を乗り越えられるのであれば、十分意味のある方法です。


なお、基本的に銀行融資で適用される金利はかなり低いです。


別の銀行で借り換えを行うのであれば、金利の変化はそこまで気にしなくてもよいでしょう。


ただ、ノンバンクなどで借り換えを行うと適用金利は銀行よりも高めになることが多いです。


目の前にあるピンチに対処すべきであることはもちろんですが、その後のことも考えたうえで、借り換えを行うべきかどうかについては慎重に判断しましょう。

代表者の自己破産は防げるか

「会社の破産=代表者自身の自己破産」ではありません。


会社と代表者はそれぞれ別人格として扱われるため、会社が破産しても代表者自身は必ずしもその債務を引き継がなくてもよいからです。


会社の破産と一緒に代表者自身も責任を負わなければならないケースは、主に以下のような場合です。


  • 代表者が会社の連帯保証人になっている
  • 代表者が所有する不動産に抵当権を設定しており担保提供者となっている
  • 会社破産の原因が「代表者による悪質な経営」にある


このうち、「代表者が会社の連帯保証人になっている」場合と、「代表者による悪質な経営が会社破産の原因である」場合は、代表者の自己破産を防ぐことは難しいです。


ただ、担保提供者となっている場合であれば、自己破産を防ぐ方法がないわけではありません。


それは、抵当権が付いている会社の債務のみ、代表者自身の個人資産から支払いを行ってしまうことです。


抵当権の付いていない債務に関しては代表者自身が責任を負う必要はないので、会社が破産することで自動的に消滅します。


自身の破産を防ぐことができれば、会社を破産させてしまっても、再起できる可能性はまだ十分に残されています。


抵当権の付いている債務分であれば何とか支払えそうだという場合は、親類を頼って借金をするなどしてでも、なんとか返済することを心がけるとよいでしょう。